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新しいお友達?

絶賛寄り道中。



「おい!チンタラやってたら夜が明けちまうぞ!とっとと積荷を乗せろ!!

親方にヤキ入れられちまうだろうが!」


「へいっ!兄貴ィ!こいつら影にかくれていやがりました!」


「んー?なんだ?そんなやつらいたか?」


「俺にもわからねぇんですが、べっぴんでしょ?」


でれでれと鼻の下をのばし、フィリスさんを見る男。

フィリスさんの周りの空気の温度が一気に下がった。

ちょっと!暴れないでくださいね!



兄貴と呼ばれたつり目で頬に小さな傷跡のある男は私達を眺め、

「確かに上玉だなぁ。これなら例え手違いで売り飛ばしちまっても

相手が大喜びしそうだな。おし、連れて行け!」


うーん、精悍な顔立ちに見えたけど、

下衆いからマイナス100ポイント!



こうしてすんなりと潜入に成功した私達は、

船の地下にある狭い倉庫のようなところに入れられた。


私達の他に捕らえられた女性は4人。

ナイスバディのお姉さんから可憐な少女までタイプは違うが

さすがにみんな綺麗どころだ。

よく私疑われなかったな…。


とりあえず、見張りの男は1人…

気配を探ってみたけど扉の外には誰もいなさそうだ。


風の魔法でこっそり手足を拘束していたヒモを切った後、

見張りの影になるようにフィリスさんに顔を寄せてこそこそ話し合った。


「出航する前に終わらせたいし、早速動きましょう。作戦通りに。」

「わかった」



そう確認した後、私はすぅっと息を吸い込んで男に話しかける。


「あの…っ私たち、どこに連れて行かれちゃうんですか??」


私の絶妙に震えた声がお気に召したのか、

男は相変わらずのニヤニヤした笑みを浮かべつつ近寄ってきた。


「あぁん?遠い遠ーい国までいくんだよ。高く買ってくれる金持ち連中に

毎晩可愛がってもらえるぜぇ?よかったなぁ。

まぉ…売り飛ばす前に俺がちょっと味見しても怒られねぇよな」


そう言ってニヤ男は私の顎をすくった。



隣からブリザードのような殺気。こ、凍る!

「――触るな。」


その後の動きは目にも止まらぬ速さだった。

フィリスさんが男の腰に下がっていた剣を奪い取り、

そのまま剣で殴って昏倒させた。


「ふぅ…。とりあえず第一関門は突破ですね。」

立ち上がって服についたほこりをはらう。

その場にいたほかの女性達は唖然とした顔で私達と

倒れた男を見ていた。


「あービックリさせちゃってごめんなさい。

我々、海賊退治に来た者です。後でお助けしますので、

ちょっとの間ここで大人しくしていていただけますか?」

にっこり笑いかながら彼女達の手足の縄を解くと、

こわばった表情をしていた4人は少しだけ表情を緩めた。


そのとき、聞こえてきたのは足音。


「!!やばい!手足隠して!」


女性達はサッと体勢を整え、手を体の後ろに、

足はスカートの中に隠して見えないようにした。


その間に倒れた男を端に避けて隠そうとしたけど、間に合わない!

向こうの方が先だ!


ガチャリと扉を開けて入ってきたのは、

兄貴と呼ばれていたつり目の男。



女の人たちが密集しているこの中で攻撃魔法は使いづらい。

フィリスさんが先ほど奪い取った剣で襲い掛かるも、

軽い身のこなしでかわされる。


驚いた。動きづらい格好をしているとはいえ、

あのフィリスさんの攻撃をかわすなんて

ただの海賊風情の身のこなしじゃない。



つり目の男は、倒れた仲間と私達を順に見て目をパチクリさせた。



ここで応援を呼ばれると面倒だ。

多少危険だけど魔法で一思いにやっちゃうか!?



しかし、そんなことを考えている私に向かって、

男はひらひら手をふって軽い口調で言った。



「別に何もしないよ。ちょっと話したかっただけ」



私は構えをとなかいフィリスさんの横に立つ。

「…どういうことですか??」


「んー。それにはこっちの質問に答えてもらわなくちゃな。

あんたらは誰ですか?ってか、そっちは何でも屋のティアだろ?」



「!!」



なぜ私の名前を?

2人して警戒して何も言わずにいると、

そんなに警戒しなくてもいいよ、とからから笑った。



「俺も何でも屋だから顔知ってたってだけ。あんたは知り合いの紹介じゃないと

仕事を引き受けなかったら他のやつらは顔も知らないだろうけどね。

なんか企んでるんだと思って船に引き入れたんだけど、違った?」


「…あなたは?」


「俺?俺は周りにはシュウって呼ばれてるよ。」


「なぜ、何でも屋のあなたがココに?」


「悪いけど、依頼情報はあかせない。何でも屋ならわかるだろ?

けど、たぶんあんたらとそう違う理由でいるわけじゃないと思うよ。

どう?共同戦線はらない?」


「信用できない」


私をかばいつつそう返事したのはフィリスさんだった。


きょとんとしたシュウという男は、ぷっと吹き出した。

「もう喋っていいんだ?さすがに声出すと男ってばれちゃうよ、お兄さん?」


「…黙れ。」

憮然として返すフィリスさん。

忘れてたな、女装してるって。



「うーん。怪しい2人組だったけど船に入れたうえに

倒れたお仲間みても何もしないってとこで、

そちら側だってわかってもらいたいんだけどね」


うん、仲間というか…むしろいま率先して腕縛ってるし。


「同じような目的…と言ったわね。

一応確認だけど、あなたはそもそもこの船の海賊の一員ではないのね?」


「海賊なんて面倒なものやらないよ。」


「…そう、じゃあ、いいわ。共同戦線をはりましょう」



よくわからないけどお仲間(候補)ゲットです☆



いつも読んでくださりありがとうございます。


そういえばフィリスの女装のイメージが如実にわいているので

そのうち挿絵入れたいんですがイマイチやり方が…

とりあえずは各々、想像でお楽しみください。


新キャラ登場です。


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