表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/130

麗しの騎士様



作戦その1.とりあえず正面から海賊の船に乗り込んでいって全員ぶちのめす。


却下。


作戦その2.とりあえずどかんと一発お見舞いして船を沈める。


却下。



「どれもダメなんて酷いです!」

「君こそ能筋か。力任せのやり方が酷すぎる。」


近くの居酒屋に入りこんなやりとりを少ししたあと、

「仕方ない…もうこれしかないですね」



作戦その3.懐に入り込んで少しずつ内部から破壊。


ちらりとフィリスさんを見ると、他と比べると穏やかに感じるこの作戦は一応詳しく聞いてくれるようです。

眼で続きを促された。


「見学していたときに、商人には似つかわしくない剣を腰から下げている方々が出入りする船がありました。

船の国紋は私の知らない国でしたが…

白昼堂々と船をつけ、通常の積荷に紛れて人身売買をしているのではないかと思います。

そして、おそらく出航は夜。どこかに隠しておいた“積荷”を乗せるそのときに紛れ込みます。

そして手引きをした人物を探ったら乗せられた人たちを解放して、

船を無力化するのが一番かと。」


言い方は変えたけど要は結局ぶっつぶすってことに変わりはありません。

逃がすか。



そう言って私が用意してきた物を見て、顔を顰めたフィリスさん。

たぶんこの作戦しかないなと思って準備したのです。ふふん。


「…これは何?」

「女物の洋服ですが?」

「そうじゃない。なんで2着あるのかって聞いてる。」

「私の分と、フィリスさんの分に決まってるじゃないですか♪」


これ以上ないくらい冷たい視線を真っ向から笑顔で受け流し、首をかしげる。

「一緒に来てくれるんですよね?」


フィリスさんは崩れ落ちた。





しばらくして立ち直ったフィリスさん。

さすが王国の騎士様、立ち直りも早いです!時間は限られてますよ!がんばって!!


嫌がるそぶりを見せつつも、女性物の洋服を着て、黙ってお化粧をされる。


せっかくなのでまじまじ観察しながら化粧を施す。

まつ毛長いなぁー。二重と思ったら三重だったんだ…本当に女性みたい。

ていうかこの肌はどうやってお手入れを「変なこと考えずさっさと終わらせて」

はーい。


最後に薄く紅をひいて…


おぉ…!綺麗!!

ちょっとお化粧しただけなのにそのへんの街娘より断然イケてます!


嫌々なところが逆に憂いを帯びたようにも見えて、色気すら感じる。

さすがに体つきはゴツゴツしているので露出は控えめだが、

それでもスラっとした儚げな美女に見える。


いやー眼福眼福!!


すっかり機嫌を悪くした美女の隣で、

私も一応身なりを整える。


人買いに疑われたらそもそもの作戦が成り立たないですからね。



今もどこかから見てるのかなぁロードさんたち。

…ちょっとだけフィリスさんが可哀想になった。


いえ、そんなことも言ってられません。

何度もいいますが時間は有限なのです。


船が出てしまったら中に入るのもできなくはないですが、

結構面倒になってしまいます。



いざ!船に乗り込みましょう!


お読みいただきありがとうございます。


フィリスはまだ昔と今とで姫への対応を使い分けられないので言葉遣いを統一してません。


…的な細かい部分もそのうちわかりやすくなるといいんですけども…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ