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救出(ウィンスレット視点)

本当にすみません、お待たせいたしました…!


なかなかの腕前だな…

うちの殿下もあれくらい動けて欲しいものだ。



ウィンスレットは賊が次から次へと倒されていくところを離れたところでソフィーヌ姫の警護をしながら観ていた。

警護といってもこちらに来ることができる賊など今のところ1人もいないが。



騎士達はもちろんだが、エドワード殿下の剣筋、返し方は、日々強者との鍛錬をかかさずにいるしなやかな動きだ。


そのような闘いのせいか、

ソフィーヌ姫も食い入るように大人しく見ている。

今までだと「わたくしも闘うわ!」とか「我が国から軍を呼んできましょう!さぁ死の鉄槌を!ホホホホ!」とか言い出しそうなものだが、今日一日で何があったのか。


何があった、というと捜索隊に加わりたいとごねた殿下に一発鉄拳をお見舞いしたのはやはりマズかっただろうか。


「己の力量を計れぬ王族など居ても味方の身を重くするだけです。姫様は私が責任を持って連れ帰ります。殿下はご自分に出来ることをおやりください。」

エドワード王子に対抗するためだけに着いてこようとしたバカ…もとい殿下に拳と合わせて叩きつけた台詞。

後悔はしていないが側近解任となるやもしれないな。



考え事をしているうちに、戦闘の様子がおかしい事に気づく。



倒されたはずの賊が、再び起き上がって襲いかかっているのだ。


何度切り捨ててもまた動き出し、切り傷だらけ血塗れの不恰好な動きで向かっていく様はおぞましい。


「な、なん、ですの、あれ…うっ」


距離があるもののこちらまで血の匂いが漂っているため、ソフィーヌ姫が口元を抑えて込み上げるものと格闘しながら呟くのも無理はない。


殺さず捕らえるつもりだったのだろう騎士達は、昏倒させてもさせても立ち上がる賊を困惑しながら切り捨てていく。


「不死者…?」


「何か操られているようなぎこちない動きですね」

そう言うのは同じく周囲を警戒しながら戦闘を見つめていたロード・ディオポルト。



紅の瞳に白銀の髪のティア姫は先ほどまで気を失ったように動かず側にいる少女に支えられていたが、口元を抑えているソフィーヌ姫とは打って変わって、ディオポルトと同じく厳しい表情で前を見据えている。


姫というより騎士だな、このティア姫は。

傷だらけで髪や瞳の色が変わっていて初めはわからなかったが、こうした凛々しい表情は幾度か見覚えがある。


「傀儡の魔道具、かも。変な力、塔のうえから」


さすがに動く気力はないのか、ほとんど口も動かさず、早口でそっと告げる。


盗賊が闇市場で手に入れた魔道具に本物があったか……



「さながら死者のマリオネットってとこだねー」


呑気な声が木の上から降ってくる。



「わぁっ⁉︎」



いつの間に⁉︎この私が全く気配に気づかないとは!

つり目で頬に小さな傷跡のある男は私達の前に音もなく降り立った。



「シュウ!味方の近くで気配を消すな!!…申し訳ない、別ルートで盗賊達を追っていた者です。」


「他の拠点とお仲間、全部ぶっ潰してきたよ!てかココにいると思わなかったから合流遅れちゃったよー」

ニカっと笑ってサムズアップ。



「な…ッ」

よく見たら魔物討伐の時にもティア姫の側にいた男だ。

他の拠点といっても、離れたところに2箇所ほどはあるとわかっていたはずだ。それをこの男は1人で…セレスティナは本当に底が知れない。


「とりあえずあのグロいやつら、ちゃちゃっと片付けてくるかな」



「へっ?」


間の抜けた声でシュウという男を見た時にはもう他の騎士達の戦線に加わっていた。


なんなんだ、あの男は…


セレスティナの奴らは本当に底が知れない。


この後から視点別は落ち着き、

またお話動き出します〜



月一更新になってしまってすみません!汗

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