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決死の道案内


捕まえた男達に情報を吐かせ、エドワードとロード、フィリス、そしてユーレストのウィンスレットなどが騎士達を引き連れ拠点とされるひとつに向かっていた。



日も暮れ始めてしまい、近道だからと先程までの雨でぬかるむ獣道を強行突破していたところ、道の横の木から大きな塊が落ちてきた。



「…ッ!」


目の前に転がり込んできたものに先頭を走るロードが慌てて馬を止める。


動物か何かと思い見ると、


「ロード、さんっ!」



「っハノアさん…⁉︎」


その塊は、肩で息をしているノームアンセスタのハノアだった。


汗まみれで泥だらけ、枝に引っかかったのか、所々服が破けてしまっている様子に騎士達は眉をひそめる。



「ヤエムのノームアンセスタの少女か、いったいどうしたんだ」


団体の中ほどにいたエドが何が起きたのかと近づくと、息を整える間も無くハノアがさけぶ。



「姫さまっ、捕まってる!こっち!!」


指を指し、その一言だけで、脇目も振らず先頭を走り出す。



「男達が言っていた拠点はそちらではないようですが!」


騎士の一人がそう言うが、「天気悪くなる、荷を守るため、寄った!塔!」というハノアの言葉で皆が一斉に馬を駆った。



さすがに息を切らせスピードが落ちたハノアをロードが馬上から抱き上げる。


「馬でも走れる道で一番の近道を教えてください!」


並走するフィルやエドも、ハノアのことを全く疑うことがなくついてくる。


それだけ少女の必死さが胸を打ったということなのだが、それでもまだ幼い自分を即座に信じてくれるこの人達の信頼に応えたい、そんな気持ちでハノアはキッと前を見据えて声を張る。



「…分かれ道、右!道の左側に凹凸ある、気をつけて!」



騎士団は、バシャバシャと水溜りの水を跳ね上げてひたすら指示の通りに暗く荒れた道をとてつもないスピードで走る。



姫達を救うために。


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