表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/130

決死のダイブ

本当に若干ですが痛そうな表現があります。


痛いの嫌い、という方、読まなくとも大丈夫にはなると思うのでスルーしてください。



身を翻し塔から飛び降りた直後。


後ろから続いて身を投げ出したソフィーヌ姫を視界に入れながら、速攻でありったけの魔力を魔力抑制道具に込めていく。


抑制する力と魔力を放出する力が体内でぶつかり合う。


「……っくぅ、ああぁあぁあああっ!!」



内側で暴走する魔力に耐え切れず腕や顔の血管が切れて血が吹き出すが、構わず全力で魔力を込め続ける。


血が沸騰して逆流しているようだ。

全身が焼けるように熱いのに力がどんどん奪われていく。



「グっ、あ あ ッゔ ぁ ああ あ!!!」



髪が白銀になっていくのが目の端にうつる。

視界もじわりと滲み出した。


まだか。

地面が近づく。時間がない。

はやく……!!!


永遠にも感じる数秒。




ぱぁん…!!




腕にはまっていた魔力を抑制していた魔道具が砕け散って光の欠片になって消えていく。


うまくいった…!このまま…



『風の…波!』



何とか残った魔力でソフィーヌ姫の下に風のクッションを何重かで作り、落下速度を下げる。


「きゃあ⁉︎」


高いところから飛び降りたにもかかわらず気丈にも意識はしっかりしていたか、ふわん、と風に受け止められた彼女は悲鳴を上げつつも、ゆっくりと体が降りていくことに安堵したようだ。


「ティア様!」


こちらに手を伸ばすが、届かない。



すぐに自分にもと意識を集中しようとするも、力が入らない。


やばい、血が流れすぎた。



思ったよりも魔力消費しちゃったみたいだ。




これは、死ぬ、かも




「フィル…っ」



こんな時に紡ぐのは魔法の言葉ではなく、愛しい人の名前だった。

お読みくださりありがとうございます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ