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貧乏令嬢、軍神伯爵に嫁ぐ~「君を愛するつもりはない」と言われましたが、わたくしは超好きですわ!~  作者: 八星 こはく


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24/24

第24話 貧乏令嬢と軍神伯爵

「ふふっ、ブラッドリー様の寝顔、可愛い……」


 目を覚ましたグローリアは、隣で眠るブラッドリーの頬を軽くつついてみた。

 ううん……と少し身をよじるだけで、なかなか起きない。安心して眠っているのだろうか。それとも、朝は弱いタイプなのだろうか。


 ブラッドリーについて、まだ分からないことはたくさんある。だから、これから知っていけるのだと思うと嬉しい。


(ちゃんと初夜を迎えられなかったのは残念だけど、これからだもの)


 代わりに、昨日は一晩中抱き締めて眠ってくれた。

 誰かに抱かれながら眠るのなんて幼少期以来で、すごく幸せだった。


「……二度寝、しちゃおうかしら」


 ブラッドリーを残してベッドを去るのは寂しい。眠っている彼に頭をすり寄せ、グローリアは甘えるように再び眠りについたのだった。





「グローリア、さすがに起きないか?」


 次に目を覚ました時、外はすっかり明るくなっていた。壁の時計を慌てて確認すると、既に正午を過ぎている。


「わっ、眠り過ぎましたわっ!」

「ああ。本当に、よく眠っていたな」


 くすりとブラッドリーが笑う。そして、グローリアの髪に手を伸ばした。


「寝癖がついている。いつも、俺に会う前になおしてくれていたんだな」

「少しでも可愛いと思われたいんですもの」

「……寝癖がついていても、可愛いと思うぞ」


 目を逸らしながら、ブラッドリーはちゃんと言葉にしてくれた。


(きっと、女性を褒めるのは得意じゃないのに、頑張ってくれているのよね)


 グローリアのために。


 その事実だけで、朝からパンを何個でも食べられる気がした。





「見てください、ブラッドリー様! 実が! 実がなっていますわよっ!」


 昼食を終えた二人が中庭へ出ると、家庭菜園のトマトに実ができていた。

 まだ青く、収穫時期は先だが、実ができたことがとにかく嬉しい。


「わたくし達の愛の結晶ですわ……!」

「……まだ食べるには早いのか?」

「さすがに、まだ早いですわ。赤くなってからが食べごろですの」


 並んでしゃがみ込み、青い実を見つめる。


「前に、ハワード達のところへも野菜ができたら持っていきたい、と言っていたな」

「覚えてくれていたんですのね!」

「ああ。持っていくのもいいが、うちに呼ぶのはどうだ? これを使った料理を披露するというのは」

「まあ……!」


 ブラッドリーがグローリアの発言を覚えてくれていたことも、新しい提案をしてくれたことも嬉しい。

 きらきらと目を輝かせたグローリアを見つめ、ブラッドリーは優しく微笑んだ。


「大賛成! ですわ!」

「よかった。ハワードに伝えておく」

「ありがとうございます、ブラッドリー様!」


 勢いに任せて、ブラッドリーに抱き着いてみる。しっかりと受け止めて、ブラッドリーはグローリアの腰に腕を回した。


「これからは俺も、グローリアを幸せにできるよう頑張りたいと思っている。だから、その……今後も妻として、俺の傍にいてくれたら嬉しい」

「ブラッドリー様……!」

「愛している」


 幸せすぎて、頭の中が一瞬、真っ白になった。

 愛している人に、同じ気持ちを返されることがこんなに幸せだなんて、知らなかった。


「ブラッドリー様……」


 どんな言葉を返すべきか分からなくなってしまう。だから、言葉の代わりに、口づけを返すことにした。


「わたくしも! 世界で一番、ブラッドリー様を愛していますわ!」


 真っ赤になったブラッドリーが、グローリアの頭を優しく撫でてくれた。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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