独白(その4)
高校のとき、女友達とこんな話になったことがあるの。
誰かが言い出したのよ。
「好きな人の五番目の彼女になるのと、そんなに好きじゃない人の一番目の彼女になるの、どっちがいい?」
みんな、結構真剣に考えていたわ。
私はそれを見て、思わず吹き出しそうになった。
でも、一応、考えているフリだけはしておいた。
だってこれ、どっちを選んでも、結局は同じ話じゃない?
――所有の話。
五番目でもいいから、好きな男に“所有されたい”。
そこまで好きじゃない男でもいいから、“自分が所有したい”。
どちらも、同じ欲望よね。
恋愛の話に見えるけど、実際は「順番」の話。
そしてその「順番」って、限られたものをめぐる衝突を、できるだけ穏やかに処理するための仕組みじゃないかしら。
この場合の”限られたもの”は――男。
そう考えると、「順番」って、ずいぶんよく出来ている。
誰が先か。誰が後か。
それだけで、争いの多くは形だけでも収まる。
一夫一妻制も、一夫多妻制も、結局は同じ。
「順番」をどう扱うか、っていうだけの違い。
私は、そのとき、その話にまったく乗れなかった。
まだ、性欲そのものが、恋愛への動機になっていたから。
だから、順番なんてどうでもよかった。
みんながどうしてそんなに真剣に考えているのか、正直、分からなかったのよ。
――今思えば。
あの中で、一番幼かったのは、私だったのかもしれないわね。
じゃあ、続きはまた今度。




