第22話 ゼロ!
「突入!」
ケロンチョの号令と共に火の魔法が打ちあがった。
一斉に突入するスピード班。速度☆5を誇る22人だ。それが22方向からダンジョンに侵入。
荒地の中心でボスが剣を振った。遠隔斬撃発動!
作戦会議にて。スピード班の証言。
「最初に挑んだ時、俺たちは結構いい戦いしたんだよ。半分くらいがボスの初撃を回避できた。でもその後『超加速』が来た。あれは無理だ。全く見えない」
遠隔斬撃がボスの前方を横なぎにした。4人死亡!
「次! 超加速が来ます! 前衛突入!」
「「「おおおおおお!」」」
ケムシン含む前衛班30人が密集陣形でダンジョンに突撃した。同時にボスの姿がかき消える。速すぎて遠くからでも目で追えない。前衛班が切り刻まれていく。
だがその猛攻で死んだのは、密集陣形の外側連中だけだった。
スピード班の証言その2。
「超加速で生き残ったのは身を寄せ合っていた3人だけだった。何が起きたのかわからず大混乱だった。そしたらまた遠隔斬撃が飛んできて俺たちは全滅した」
「また斬撃が来ます! 全員突入!」
続いて後衛班50人が全方向から突入した。俺もその一員である。
遠隔斬撃発動。俺の逆側にいた半分の後衛班が死んだ。だがまだ半分が生き残っている。
つまり想定通り!
「撃てえええ!」
「ダークバレット!」
「虹ビーム!」
「ファイアーストーム!」
「ブラッド・ボウ!」
「いしつぶて!」
「アシッドキャノン!」
「三点ブラスト!」
「レインアロウ!」
一斉に放たれる魔法魔法魔法。あと矢とか。ヤシマ作戦もびっくりだ。
ハチの巣になっちまえ!
チュドーン
「「「やったか!?」」」
やっぱ言いたくなるよね、それ。
「避けられたで! そこ! 後ろや!」
「ぎゃー!?」
ケムシン!? ボスの動きが見えたのか!? ケムシンの指さした方向で誰かが死んだ!
「まだ生きてるぞ!」
「後衛を守れ!」
「分散してて出来ねーよ!」
「ぎゃああああ!?」
作戦は失敗した。次々死んでいく転生者たち。死んだ奴らが復帰して来る間もなく俺たちは全滅した。
「後衛は魔法を撃ったらすぐにダンジョン外に退避してください。前衛班は生き抜くことを優先で。そしてまた隙をついて一斉射しましょう」
全滅!
「とりま加速と斬撃交互に来る感じでオケ?」
「前衛が斬撃で全滅するんだが」
「密集してるから避けられないんだよ!」
「密集陣形は超加速の間だけにしましょう」
全滅!
「後衛が突入するたびに斬撃で大量死するんだけど、突入のタイミング変えられない?」
「いや、超加速の効果が切れた瞬間じゃないと当たらないだろ」
「当たってないじゃん」
「超加速のクールタイムが短すぎるんだよ!」
「波状攻撃してみましょうか」
全滅!!
「弾幕薄すぎ。もっとじゃんじゃん撃ってよ」
「魔力が足りねーよ!」
「俺2発しか撃てないんだけど」
「ワシ1発……」
「後衛のタイミング変えてみましょうか」
全滅……っ!!
全滅!
全滅!
全滅!
全滅!
全☆滅!
「なあケムシン。俺不安になってきたんだが……」
「俺もや……」
イベントが始まったのが今日の正午。現在夕暮れ。
ボス討伐数、ゼロ。
ガチャ、引きたいなあ……。




