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冬馬君の夏休み  作者: だかずお
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慎司と自由研究をするの巻



『慎司と自由研究をするの巻』



家に帰ってからも冬馬君は興奮して寝付けずにいる。

清香と一緒に見た花火の一時は夢の様だった。その余韻にまだ浸っているのだ。

あー最高だったなぁ、さっきまで一緒に居たんだなあ


冬馬君はこの喜びを大喜に話したくてしょうがない 約束も出来たし良いニュースを届けられる。

あー今ここに大喜が居たらこのまま語り会えるのになぁ。

今の心境を誰かに話たい気持ちであった。


翌日の朝、さっそく冬馬君は大喜に電話した


しかし誰も出ず

「何だぁせっかく話たかったのになぁ」

冬馬君はする事もなかったので、たまってる宿題をする事に。

清香に会ったせいなのか何故か気合いが入っている


今日も外ではセミが元気に鳴いていた。もう少ししたら夏も終わって、セミの鳴き声も聴けなくなっちゃうのかな。

少しせつなくもあった。


よーし、宿題今日で終わらせるぞ。

最初の5分は宿題に集中出来たけど、気がつけばすぐに清香の事を考えている。

それからは、これから行く旅行などを考えてはワクワクしていた。

1時間たとうかと言う時に、やっと我に帰り宿題を始めた「あっいけない」


今日は、はかどり宿題は後残りわずか

そうだ自由研究もやらなきゃいけないんだ何にしようかな?

冬馬君は学校の絵の具で外に出て風景を描く事にした


せっかくだから久しぶりに慎司に連絡してみよう。

そう言えば元気かな?


「もしもし慎司君いますか?」

電話に出たのは慎司だった。


「これから自由研究に絵を描きに行くけど一緒に行かない?」


「良いね、じゃ公園で待ち合わせしよう!」


冬馬君は絵の具を持ってさっそく公園に向かう

暫くして慎司がやって来た。


「久しぶり」


「冬馬全然ラジオ体操あれから来てないね、多網って親戚と来て以来みてないよ」


「そう言えば最初だけで全然行ってないや、慎司は行ってるの?」


「うん一応毎日行ってるよ」


二人はお互いの夏休み、どう過ごしてたかなど話して盛り上がった。

冬馬君は清香の事が好きだという話を、慎司にしようか考えたが、何となく、今はそんな気分ではなかったのでやめておいた


慎司も一緒にキャンプに行ったから清香の事は知っている


ただ一緒に花火などに行った話はした、それから来週みんなで旅行に行く事などを話した


「夏休み楽しんでて良いね」

暫くお互いの夏休みの話をして、それから絵を描く事に


「じゃ、やるか」

二人は真剣に絵を描き始めた


冬馬君は別に絵を描くのに自信があったわけでもなく、上手くもなかったが、ただ自由研究で他にやる事が思いうかばなかったので、絵を選んだ


慎司も何も考えてはなく、冬馬君が絵にしたから同じ様にやってるだけだった。

二人の絵は30分後には完成。

何を描いたのか見ても良く分からない様な絵だったが、二人は自由研究が終わったからとにかく満足だ


帰り道、冬馬君はコンビニで働いてるお兄さんを思い出して、居るかな?と思い慎司を誘って行く事にした。


慎司もあのお兄さんがそこのコンビニで働いてるのを冬馬君から聞いて驚いている。

「まさかあの告白してたお兄さんが、そこで働いてたなんて」


「そう言えばあの後、冬馬の家に泊めてもらってキャンプ行ったんだね、面白かったな」


「あーそうだ、まだ夏休みも始まったばっかりの頃だったね」

二人は夏の始まりを思い出して懐かしんだ


まだちょっと前の話なのだが、よっぽど楽しかったのか何度も懐かしいと言っては一緒に話してるのだ。


二人はコンビニに行ったがお兄さんは居ない

「今日はいなかったね」


コンビニの外に出ると、川の方を指差して慎司が「あの人そうじゃない」と言った


「あっお兄さんだ」


面白い事にお兄さんは川を見ながら絵を描いている。二人はお兄さんに近づき話かけた


「こんにちわ」


「おっ来たな、あっ君は前にいた子だね?」慎司に言った


「良く覚えてますね、久しぶりです」


「告白手伝ってもらったからね」三人は笑った


冬馬君はお兄さんの絵を覗いて見てみる、うっ上手い 慎司も絵を見ては驚く


暫くお兄さんは真剣に絵を描き続けていたが、一段落したのか、横で座って見ていた二人に話かけた


「君達も絵を描いてるのかい?見せて」

二人はあまりにも下手くそな自分達の絵を見られるのが嫌で拒んでいたが、お兄さんが見たそうだったので、仕方なく見せた。

二人は落書きみたいな絵だったのでとても恥ずかしかった。


しかしお兄さんは二人の絵が気に入ったみたい

「自由に描いてあって気持ちのいい絵だね、何も拒む必要ないのに」と笑った


「あまりにも僕達の絵は比べると下手くそだったから」冬馬君が言う


「絵にしても、字にしても、歌にしても、なんだって自分の表現方法はみんな人それぞれ違うんだよ、自分の絵を描けば良いんだよ、上手い下手なんてどうでも良いじゃないか」僕の好きな岡本太郎って人の言葉だよ。


お兄さんにそう言われると自分の絵を表現した事に誇りを持てた二人だった。

「確かに自分にしか描けない絵だ」冬馬君は笑った


「人と比べたってしょうがないよ」お兄さんも笑う


暫く二人は静かに、お兄さんが絵を描くのを眺めていた。

夕方になって来たし、邪魔にならないように、二人は挨拶をして帰ることにした。

暫く歩いて後ろを振り返ってみると、真剣に絵を描いているお兄さんがなんだか、かっこ良かった。


「良いお兄さんだね」慎司が言った


「うん」冬馬君も頷いた


「今日はありがとう、自由研究終わって良かったよ、それから旅行楽しんで来て、大喜と多網によろしく」


「うん、ありがとうまた」


慎司と別れて家に帰る


お腹もすいたなぁ


親達には絵を笑われたが、冬馬君はどうでも良かった


自分の絵を描いたんだから


その日は20時には布団に入りくつろぎタイム。


のほほんとした川のせせらぎの様な優しい夏の一日


旅行楽しみだなぁ 大喜と多網も一緒だし


布団の中でワクワクしながら眠りについた 比較的涼しい夏の夜はふけてゆく




つづく



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