表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬馬君の夏休み  作者: だかずお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/50

花火大会の巻



『花火大会の巻』



冬馬君は嬉しい反面緊張していた


何着て行こう?


最初の一声は何にしよう?


胸は高まっている。


せめて大喜もアミも一緒だったら少しは緊張がとれるのになと思った。


二人も来ないかな、などと期待もする

冬馬君は落ち着かずウロウロ歩き回ってばかり、清香に会えるのは嬉しい。

心から嬉しいけど、ついつい好きな子などを前にすると嫌われるんじゃないか?うまく話せるか?など色々余計な心配などをしてしまう。そう、緊張してしまうのだ。


何とも思わない子の前じゃ全く何も考えないのに、惚れてしまうと変な弱みが出来てしまうな~、気に入られたいって思う気持ちが変に力ませるのだろう。

でもやっぱりはやく会いたい、本当に変な心持ちだった


夕方過ぎると隆が家に帰って来て、いよいよ出発の時が近づいている。


冬馬君は普段余り気にしないのだが、今日は服選びを真剣に考えていた。


これ あっ、やっぱり あれ着ようかな


やっとの事で洋服を選び終えた頃

「そろそろ行くぞー」隆の下から呼ぶ声が


冬馬君の胸は急にドキドキし始め、毎回清香に会う前はこうなるなと苦笑いした。


三人は夏の夕暮れ時の道を手を繋いで歩いた


駅に着いて電車に乗り、清香達の家族との待ち合わせ場所に向かっている。


清香はどんな気持ちでいるんだろうか?

自分みたいに緊張はしていないだろうなと冬馬君は思った。

あーでも、また会えるんだ。緊張もしてるけど夢のよう、好きな子と花火を一緒に見れる、幸せだなあとニッコリしてしまう。


清香達と待ち合わせしてる駅は、花火大会の開催される一つ隣の駅


混んでいるだろうし、開催地まで歩いて近いから、一つ手前の駅で降りて行こうと言う事になったらしい。


さあ、待ち合わせの駅はもう次だ

冬馬君は電車の窓から景色を眺めていた。深呼吸をして気持ちを落ち着かせる


今日は、こないだ大喜と遊びに行った時と違って、親達と一緒なのは何だか子供ながらに恥ずかしい気がした。

親に女の子と話している所を観察されるのが嫌だった

待ち合わせの駅のホームが見えて来る、さあ着くぞ


冬馬君は自分に気合いを入れている

駅に着いて改札を降り

「まだ来てないかな?」正子が辺りを見渡しながら言った


「あっ、いた お久しぶりです」隆がいち早く、清香達家族を見つける


冬馬君も、すぐに隆の向く方に目をやる


あっ!!


清香が浴衣を着ているではないか。


短い髪を後ろに一つに束ねて結わいていた ピンクと白の可愛い浴衣。


大きな瞳が遠くから、より引き立って見え冬馬君の胸を更にドキドキさせた。


あー何て可愛いんだろう

この姿を見れただけで冬馬君はもう大満足だった。


「今晩は! 久しぶりです」清香のお父さんが言う


「こないだはうちの子と大喜が泊めてもらって、お世話になりました」と隆と正子


「いえこちらも賑やかで楽しかったですよ」

大人達はキャンプ以来の再会で嬉しそう。


冬馬君は清香と弟の方に話かけに行く

「ひっ久しぶり」


「元気だった?」


久しぶりの清香の声だ(ついこないだあったのだが)冬馬君は嬉しさで胸が一杯である。


「うん元気だよ」


「大喜は今日は居ないんだね?」弟が言った


「大喜は今日用があるみたいだよ」

降りたのは一つ手前の駅だったが、人達で混み合っている


屋台なども出ている、大人達はさっそくビールを買い、久しぶりの再開を祝って乾杯中


ご機嫌である


それにしても清香の浴衣姿は、本当に可愛かった。冬馬君も自分も浴衣にでもすれば良かったなぁと、考えたりした


「あの後アミとは会ってたの?」


「うん、ちょくちょく遊んでたよ、アミも二人にまた会いたがってたよ」


冬馬君はそれを聴いて嬉しかった。早くこの事を大喜に話たい。


「お化け屋敷も怖かったけど面白かったね」清香はニッコリ笑って言った


「次は僕も行くよー」と弟はこないだ一緒に行けなかったのが、よっぽど残念だったみたいだ


すると急に大きな音が辺りに鳴り響く


「あっ花火があがった」

ちょうど良い場所を発見したので、一同は沢山の人達が座って花火を見ている場所に腰を降ろして花火を見る事に


ドーン


力強い音が辺りに鳴り響き、胸に振動が伝わる。


夜空は鮮やかな模様で彩られた


冬馬君は正直花火より隣にいる清香のほうが気になってしょうがない


花火の灯りに照らされる清香の横顔は、冬馬君にとって天使の様に美しかった


何度も自分の気持ちを伝えたくなったがそれは言わず

こうしてずっと会える環境にいたかったからだ。

もし自分が告白して振られたら、こういう家族ぐるみで会う事も出来なくなるのかなぁなどと考えたりもした。


「わあぁぁぁぁ」「たまやー」歓声があがり花火は盛り上がっている


「綺麗だなぁ、私夏が一番好き」


「僕も一番好き」


清香がこちらを向いてニッコリ笑う


その瞬間花火の灯りが最高のタイミングで辺り一帯を照らした

清香の顔は花火の灯りに照らされ、顔の明るい部分と影の部分の凹とつがクッキリ写し出され一瞬絵を見ているように感じた。


まるで画家によって描かれた、世界の中にいるようなそんな瞬間を通り過ぎた気がした。


感動


感動?この気持ちを冬馬君は言葉で表現出来なかった、的確な言葉が見当たらないのだ。


冬馬君は隆達がおつまみに食べている、たこ焼きを手にとり清香にあげた。


清香は嬉しそうに食べている

弟は今、清香のお母さんの横で花火を見ている。

冬馬君は二人っきりの気分で花火を見れて嬉しかった


「そうだ夏休み終わる前にまたこないだの四人で計画たてて遊ぼうよ?」冬馬君は思い切って、清香に提案してみる


「うん良いよ」


冬馬君は心の中でガッツポーズを決め、大喜に沢山良いニュースを伝えられそうだ と嬉しい気持ち。


花火はいよいよクライマックスの様だった ラストは一番凄いのがあがった。

観客からは拍手と歓声があがり皆大満足。夏の美しい花火大会の夜であった


一同は歩いて駅に向かい

あっという間に終わってしまった楽しい時を惜しむ、もっとやってれば良いのになと思った。

そしたらもっと清香と一緒にいられるのに。


別れ際に

「またさっきの計画の話で電話するね」冬馬君が言う


「うん」


冬馬君にとってこの約束が出来たことは何よりの収穫だった


はやく大喜に知らせたい


それにまた清香に会える


本当に最高の気分だった


帰りの電車は行きの緊張が嘘の様に、気持ちは晴れ生き生きしていた


夏の夜を彩った美しい一時


いつまでも冬馬君の胸に清香の姿と花火の美しさが残っていた。



本当に素敵な夏のひと時だった。




つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ