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冬馬君の夏休み  作者: だかずお
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気付きの巻




『気付きの巻』



人に会っては、何かを言われて落ち込んで、立ち直り

、また生活して、また誰かに会い何かを言われては傷つき落ちこむ。

落ちこむ事が駄目な事だとは考えたことはなかったが冬馬君は何かが引っかかる様な気がした。

ずっと繰り返しつづけるだけなのだろうか?

こういう事にどう向き合い対処すれば良いのか全く分からなかった。学校ではこんな事教えてくれない


一人一人みんな違うだろうし、自分で考えて向き合う以外には他に方法が思いつかなかった。


他の人達は悩みや壁にぶつかった時どうしてるんだろうと考えた。

傷つかないように、面倒くさくならないように、あまり人と関わらないで生きるというのも考えたが、何だか自分的に腑に落ちなかった。

こういう事は一体どう向き合えば良いのか見当もつかないでいた。

集団生活や、あまり好きじゃない人と関わらずに生きていけたら、楽だなあなんてことを考えたりした。

そして大人に聞いても、そんなしっくりした答えが返って来ないような気もしてしまっていたのだ。

ましてや冬馬君は、両親にこうゆう悩みを打ち明ける何て嫌だった。


色々考えて頭がごちゃごちゃしていたから一旦頭の中を整理してみる


一体何が悩みなのか?


人前で自分らしく居れなくなってしまう、自分の気持ちや言いたい事を表現出来なくなってしまう、それは何故なのか?


今や、気のおけないクラスメイト達と居るのは疲れてしまう。

根本的な問題に自分で気付かなければ、ずっとこれからも、大人になって社会に出てからも、同じ事の繰り返しなんではないかと感じた。


結局冬馬君にとってこれは見て見ぬ振りは出来ない事である、自分で向き合うしかなかった。


ただ、だからと言ってどうすればいいかは分からない

しかし不思議に思ったのは他のクラスメイト達は、自分みたいではないことでもあった 考えてみれば当たり前かもしれないが。

お互い言いたい事を言い合って付き合ってたり、はっきり自己主張を何のためらいも無く出来る子達

自分みたいにそんな問題に捕らわれてる悩みは無さそうにも見えた。

人との付き合いで思ったことを言いあい、集団生活も楽しそう。


中には少数ではあったが、自分に似てる様なクラスメイトも居た

そういう子とは話やすくまた安心もした。ただ全く違うタイプの人達は冬馬君にとって脅威でもあった。


どうして僕は人と居ると疲れるんだろうか?

依然悩みは霧に覆われている様な状態だったが、考える事にも少し疲れて来たのでその日は晩御飯を食べて寝た。


寝る前に宿題を少しやろうと思ったが、気になる事があったせいか、全く取り組む気が起こらず、そのまま寝てしまったのだ。

他の人達もこうゆう事で悩んだりするんだろうか?

人づきあいの悩み、社会との関わり、それぞれ皆、悩みはあるだろう。


そうやって色んな事に向き合い乗り越えて生きて行ってるんだろうか


何だかとっても偉く思えた。


翌日、冬馬君はテレビを観ている、テレビには同い年くらいの子が難病と闘う姿が映っていた。

彼に比べたら自分の悩みはちっぽけの様にも感じられる。

彼は生きるか死ぬかで向き合っているが、自分の問題は生死とは違う自分の在り方の問題。

別にどちらがどうとは、思わなかったが、冬馬君はその番組に惹かれ真剣に観ていた。

ある場面で冬馬君はふと何かを感じる。

その男の子が自分の教室でクラスメイトと共同作業している時だった。

自分が言われたら傷付くであろう言葉を、投げかけられた彼は微動だにせず、黙々と自分の作業を進めていた。

全く人の言葉を気にしていなかったのである

冬馬君にとって衝撃的な瞬間だった


彼はそんな事を問題にすらしてなかった、言うならば作業してるそれをどう完成させるか、そっちの方が彼にとっては問題であったのだろうか?

その光景は強く冬馬君の胸に残る、自分もあんな人間になりたい


彼だって、見せてはいないけど心の中では傷付いていたかも知れない、それは分からない

ただ彼は相手の言葉に影響を全く受けてないように見えた。

そんな光景を観ていて、いつか犬じいさんに言われた言葉を思い出した。


自分が自分を尊重しないで誰に尊重されるんだろう?

自分が自分を愛さないで誰に愛してもらおうとしてるんだろう?

自分は人の批判を自分で受けいれてしまってる、だから彼と違い悩んでるのかな?そんな気がした。


人がなんと言おうと、どう見られようと

僕は自分の味方であろう、テレビを観ててそんな気持ちになる。

少し冬馬君の心が楽になった気がした。


自分もどう在れるのか、またどう在りたいのか

それが少し分かった様な気がして嬉しかったのかも知れない。

少し霧が晴れた、そんな気持ちになる。


ありがとう と、さっきのTVに映っていた男の子に感謝を言った


その後、宿題も少し頑張り、何だかちょっと成長出来た様で嬉しくもあった夏の午後


ああそうだ、もうすぐ、みんなで旅行。心にはウキウキが戻って来ていた。


悩む心もいつかは晴れるもの、何ひとつ無駄にならず生きるもの

だからすべて大丈夫。青空がそう言ってくれてる気がした。


そう言えば清香にもあれ以来会ってないなぁ。

あの笑顔が見たい、そんな事を考える


何か声が聞こえると思ったら、下から正子が冬馬君を呼んでいる


下に降りて行くと、今日花火大会あるらしいから、大喜達の家族も誘って行こうか?と言う正子の提案であった


冬馬君はもちろん大賛成、飛び跳ねて喜んでいる。

さっそく、大喜の家に電話したが、留守らしく誰も出ない。

「あれっ大喜達いないみたい?」


「あっ、そうか」正子が何かを思い出した様に声を出す


「今日用事があって出かけるって言ってたんだ、仕方ないからうちだけで行こう」


冬馬君は少しガッカリした


「あっ、そうだ清香ちゃん達も誘ってみる?」


「えっ?」冬馬君はドキッとする


「うん」


正子が清香の家に電話して誘ってみる事に。

電話横で冬馬君はドキドキして立っている、すると誰か電話に出たみたい。

今、冬馬君の心臓は喜び、緊張、興奮などで混ざり合っては奇妙な形 、色を成してる様だった。

なんだか、どう表現して良いか分からない気持ちだ。


正子が電話をきる


「何だって?」冬馬君はどうだったのか気になり、すぐさま聞いた


「今日、向こうの家族」


冬馬君はドキドキしながら、聴いている


「四人共暇だったから、是非御一緒させて下さいだって」冬馬君は天に昇る、いやむしろもう天に居る気持ちになった


あまり正子の前で喜び過ぎるのも恥ずかしかったので

、そこでは「そっか」とだけ言って二階に行ってから部屋で飛び跳ねていた


気付いていた、正子は下で笑っている


嬉しかったが、それと同じくらい緊張もしていた。一体どうなる事やら


清香との再会


夏の花火大会


冬馬君は胸の高鳴りを抑えられずにいた



つづく


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