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冬馬君の夏休み  作者: だかずお
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嬉しい報せ



『嬉しい報せ』



三人は今日の夜何をして過ごすか考えていた。


「布団の中にばれない様に下からお菓子とジュース持ってきてパーティーやる何てのはどう?」冬馬君が言った


「良いねぇ」大喜ものりのりだ。


多網は舌をペロペロしていた


よしっお菓子を下から見つからないように持ってこよう


おーっ!!!


三人はそーっと下に降りて行く。

まずは大喜と多網はリビングに行き、まだTVを観てる正子と隆の元に行って話かけ、その間に冬馬君が台所に行き、お菓子とジュースを持ってくる事にした


作戦開始


多網と大喜はリビングに、冬馬君は台所に急いだ


冬馬君はペットボトルのコーラと紙コップとお菓子を袋にいれては、二階にすぐに走って戻った


二人はまだ時間稼ぎしてるのか暫く戻って来ない


もう作戦は完了してるのになぁと思い、下に呼びに行こうかと思ったが待つことに


すると、物凄く喜んだ二人が二階に駆け上がって来たではないか。


「冬馬凄い良い情報があるよ」大喜が興奮気味に言った


多網も不気味なほど笑顔だった


一体どうしたんだろう?


「どうしたの?」


「来週みんなで、旅行行くんだって」


「やったー」冬馬君も嬉しくてその場で飛びはね始める


「うちの親達と冬馬の親と多網で行く事になったらしい、多網の親は来られないらしいけど多網も連れて行って大丈夫かって、冬馬の父さんが誘ったみたいだよ」大喜は喜んで言った


「熱海に行く」多網も嬉しそうな顔をして囁く


三人は部屋に入りドアを閉め、今夜の素晴らしい情報をつまみに、ジュースとお菓子を食べながらキャンプの時同様 子供達で旅行のしおりを作る事に。


「旅行ワクワクするね」と冬馬君


「こりゃ眠れないよ」大喜もご機嫌である


三人は何を持って行くかを考えて、しおりに書き込んでいく


「トランプ」と冬馬君


「暇な時遊べるね」

トランプと三人はそれぞれのしおりに書いていく


「熱海と言ったら海 そしたら海パン」多網が言った


「おおーっさすが多網」二人は、自分達が思いつかなかった指摘に感心


あのプールでの出来事以来、海パンだけは忘れてたまるかと、多網は思っているんだろうかと想像してたら、あの時の多網のぷりけつが急に頭の中にでて来て、冬馬君は吹き出しそうになった


三人はコーラを飲んでお菓子を食べながらご機嫌である。今や三人はしおりに絵を描いて遊んでた。

そして冬馬君と大喜はいつしか清香とアミの話をしはじめた。

多網は興味津々らしく黙って二人の話に耳をかたむけている


「夏休み中に、また会いたいね」

冬馬君は是非とも実現させたかった


「そうだね、何か計画たてなきゃ」


多網は二人からどういう経緯で知り合ったかなどを聞いては、何故かは分からなかったがムフフと笑った


急に多網が「恋って良いね」


三人は、その発言に顔を見合わせて笑う。

冬馬君は三人でこういう話が出来るのが、なんだか嬉しかった


きっと大人になってもこういう思い出は宝物のようになるんだろうな、などと感じていた。

また、いつまでもみんなでこうゆう風に遊べたらな、などとも思った。


突如多網が二人に鋭い質問をぶつける「何で二人はその子達が好きなの?」


冬馬君と大喜に、一瞬ハテナマークが浮かぶ 何で?


何で好きなの、とはまた不思議な質問をするなと、二人は答えられなかった


冬馬君は多網の答えが気になり

多網に質問を返した

「多網は何で前に見せてくれた写真の子好きなの?」


多網はキッパリ言った


「しらねぇ」


二人はゲラゲラ笑う


ただ冬馬君は心の中で、自分に問いかけていた


どうして清香が好きなんだろう?


どこが好きなのかは答えられたが、どうしてとは?全く分からなかった


まあどうでも良い事でもあったのだが


多網は、またあの写真を出し、大喜に見せている


大喜は冬馬君と同じ反応だった

「多網に、なにかがそっくりじゃん」


多網は頭をポリポリかいて照れている

すると、突然多網が何かを思い出したかのようにカバンを開けた


「あげる」

見ると、お祭りで買った風鈴だった


二人は、多網は女の子が可愛いから三回も買いに行ったと思っていたが、今ようやく何故三回もあそこの店に行ってたのか理解した


「三つ買ったからあげる」


「多網、もしかして僕達にこの風鈴くれる為に三回もわざわざあの店に行ってたの?」大喜が聞く


「女性 可愛いから二つ買った そんで二人にあげればもう一回会えるから三つ買った」


多網は正直だった。


二人はまあ、ありがとうと多網に一応礼を言っては苦笑い。

その後も話は盛り上がり、すでにコーラもお菓子もなくなっている

そして冬馬君はだんだんと眠気に襲われていた。 ファーっ 大あくび。眠いのだが、まだ話ていたい、起きていたいと言う様な心境


二人をみると、まだ眠くなさそうであった


「多網、何か面白い話してよ」眠気を覚ます為に冬馬君は多網に、けしかける


すると突然多網は細い目を一層細くして眉間にシワをよせ、口をつぼめた


それはこの世のものとは思えない、可笑しな表情をしていた


この時の表情もし写真があったのなら皆さんに是非お見せしたかった。

それくらい強烈な表情をしていたのである


二人共、笑いが堪えられず大声で笑い始める


すると、下から「こらっ早く寝なさい」正子の声が


それでも二人は声を殺して笑っていた。しかし笑いが全然止まらない


だって多網はまだ微動だにせず、この表情を続けていたからだ

なんだこれ?多網はそのまま眠っていた


まさに生きる化石


二人もいつしか眠ってしまい


虫達は子守唄を歌うように優しく鳴いていた


夏のわりに涼しい夜だった


三人は今ぐっすり夢の中


スヤスヤスヤスヤ


旅行を思って寝ていることだろう。




つづく


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