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冬馬君の夏休み  作者: だかずお
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犬男の真実の巻



『犬男の真実の巻』



その日は起きた時にはなんと16時だった。


正子が起こしても二人は全然起きなかったらしい。

さすがに昨日は夜更かし、し過ぎたみたいだ。


目を覚まし着替えてさっそく外に遊びに出発。


正子がご飯は?と聞いた時には既に外に出ていた二人。


公園に行こう。

向かった公園は昨日犬男と遭遇した公園


冬馬君は家から出る時にフリスビーを持ってきていた

公園には人が誰もいなくて自由に使えそうだ。

さあやろう!!


ミーン ミーン 蝉達は今日も元気である


夏の夕暮れ


フリスビーは回転して夏の空を気持ち良さそうに飛んでいる


すると冬馬君は後ろに何かの気配を感じた


「逃げろ冬馬」突然大喜が叫ぶ


なんと後ろに大きな犬。二人は慌てて逃げた


大喜は高い壁にのぼったが、冬馬君は間に合わなかった。


追っかけてくる犬に足がひっかかり転んでしまった冬馬君。そして犬がすかさず、冬馬君の上にのりワンワン吠えている


大喜は助けに行こうとしたが恐くて出来ないでいた。


すると、いきなり手に棒を持った男が犬を振り払う為、助けに来てくれたのだ。


大喜は助けてくれた人をよく見て驚く


あっ 犬男だ!!


するとさっきのは犬男の犬だったのか?


「大丈夫か坊や?」


「あの犬はこの辺りをうろつく野良犬なんだ」


「ありがとうございます」


「おや昨日の子供か、後は、すりむいた所おかあさんに消毒でもしてもらいなさい」


二人はポカンとしていた噂になってる犬男と大分違う人だったからだ。


犬男は冬馬君に付いた砂を払っては、その場を去ろうとした。


「待って下さい」冬馬君は勇気を出して話かけた


「あの飼っている犬を食べてるって本当ですか?」


犬男は冬馬君をにらんだ


そして


声を出さずに笑った。


「それで、君達は私から逃げるのかい」


「あの犬達はね、皆捨てられた犬達なんだよ、ほっといたらそのまま保健所に連れられて殺されてしまう、だから私が飼っているんだ、何も食う為じゃない」まだ笑っていた。


二人は噂や見た目だけで、自分が知りもしない事を本当だと思っては、こんなに優しいおじいさんをからかっていたのが恥ずかしくなった。そして、何とも、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


冬馬君と大喜は顔を見ては逃げ出した事を、すぐに謝った。


「良いんだよ、今度犬でも見に遊びにおいで」


さっそく、翌日二人は、家に遊びに行く事を約束した


「次からは犬男なんて呼ばないで犬おじいさんとでも呼んでくれ」

その名前の変化の何の違いがあるのかあまり分からなかったが・・・


とりあえず、おじいさんはずっと一人で暮らしてきたみたい


普段人とあまり関わってる感じもなかった。

それに二人と喋れたのがとても嬉しかったようにも見えた。



翌日 おじいさんの家に向かう途中


こないだおじいさんの家に石を投げた三人組が前から歩いて来る


三人組が、話ているのが耳に入った


「あのジイさんのとこにまた石投げに行こうぜ、あのボロい家に住んでる気味悪いじいさんのとこなら大丈夫だよ」


冬馬君と大喜は頭にきた。

彼らが石を投げた理由をきいて更に許せなかった。


「このおぉぉぉ」冬馬君と大喜は普段はそんな勇気もないのだが今回は無我夢中で気づいたら、飛びかかっていた。

三人組にもう二度と石を投げるなよと忠告した。


三人組はもうしないよ、と言って一目散に逃げて行く


二人は少し傷をつくったが問題無かった


「さあ、おじいさんの家に行こう」


おじいさんの家は確かに汚い、でも今はもうどうでも良かった。

優しいおじいさんの人柄を知ったから。


「よく来たね」おじいさんが外に出て来て、いれてくれた。


二人は家にあがる、すると犬が沢山出迎えてくれた。

とっても、人懐っこく可愛いかった。


大喜が「よくここで暮らしてるな」小さい声で冬馬君に囁く


でもおじいさんは幸せそうだ。

大好きな犬に囲まれて好きなように暮らしてる


誰にも文句を言う筋合いはない、冬馬君は思った。


二人はおじいさんが寂しく暮らしてると思っていたが犬に囲まれて寂しくなさそうだったので、何だか安心した。


犬達はとっても可愛くて、人懐っこく、とても愛くるしい、おじいさんに大切にされているんだろうことがすぐ分かった。


二人が、帰る時には犬もおじいさんも少し寂しそう、やはりあまり友達はいないんだろう。


「また来ます」


夕暮れ時、家に帰る道


今日も蝉が元気に鳴いている


只今、夏真っ只中


二人は素敵な一日に胸を踊らしていた


「優しい人だったね」と大喜


「うんまた行こう」


二人は夕暮れの夏の道をニッコリ笑いあるいて帰った。


空から太陽が二人を優しく光を照らしていた






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