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ソロプレイヤー

 VRMMO作品は多く見かけますが、VR-RPG、つまりは一人用のVRゲームというのはなかなか見かけません。異世界(ゲーム世界)トリップなら見かけるのですが、一人用VRゲームではなく、MMOのソロプレイが限界になっています。

 この辺りの事情について、いろいろ考えてみます。


 まず、VR“MMO”である理由から。

 これについては、マシンスペックが主な理由として挙げられます。

 一つの世界を再現するVRMMOというゲームをやるには、途轍もない処理能力を持ったマシンが必要になると思われます。世界一つを再現するのですから当然ですね。これを個人が購入・所有するのが難しいと言われてしまえばそれまでです。たまーに個人所有しちゃう人もいますが。

 あとはゲームとしての楽しさは、他人と共有することで広がるということでしょうね。


 作者サイドの意見としては、他人が絡まないとお話が進まないということもあります。「NPCでもいいのでは?」と思われる方もいるでしょうが、「人間と絡んでいる」のと「NPC(機械)の相手をしている」のでは読者に与える印象が全く違います。特に、対人は「ゲームが終わった後」にも使えますから。

 デスゲームでは、「最初のほうで死ぬ誰か」がいないといけないという理由も……。個人向けVRゲームでデスゲームをやったところで、親か誰かが事情も知らずに電源を切ろうとして終了です。それはそれで斬新かもしれませんが。

「誰も知らないデスゲーム」「前のプレイヤーが死んだら次の人が囚われる」「君は最後のプレイヤーになることができるのか」

 誰か書いてみませんか? SFじゃなくてホラーみたいですけど。


 話を戻しまして、今度はソロプレイが多い理由について。

 最初に思いつくのはSAOのオマージュと言いますか、あっちで主人公(ソロプレイヤー)が活躍しすぎた印象が強く、「VRMMO=ソロプレイヤー」が公式になってしまった感があります。

 もうちょっと真面目に考えてみますと、パーティプレイでは地雷チートや無双がやりにくいというのがあるんですね、シナリオ的に。

 VRMMO物の感想欄を見ますと、「ゲームのバランスが」という意見を多く見かけます。まさにその通りなんですよね。パーティを組んで戦う主人公だと、目立たないんです。戦力を突出させることがやりにくいのです。パーティを組むというのは役割分担ということで、戦力差があるプレイヤーをパーティメンバーにするのは読者に「バランスの悪さ」を意識させてしまうだけなのです。せいぜいが、パワーレベリングという「活躍しているようで実は活躍していない」場面で格好良く見せるのにしか使えないのです。

 だから、活躍するプレイヤーという「格好良さ」を「ゲームバランスのとれた状態で」見せようと思うと、「ソロプレイヤー」という選択肢しか出てこないんですね。


 ちなみに、ソロプレイヤーが活躍しても大丈夫な理由は、「ほかのプレイヤーと比較されない」という見せ方だからでもあります。

 他のトッププレイヤーと比較して強さを見せなくても、工夫して戦う、他の人と違ったことをしているという触れ込みで頑張っている姿を格好良く思わせるのです。

 中学生の剣道の試合、大学生と比較しなければ、決勝戦は手に汗握る戦いもあるでしょう。主人公にはピンチでも他のプレイヤーには簡単なこと、それを知らなければ大したことのないプレイもピンチを潜り抜けるスーパープレイに見えるのです。そう考えると、読者に与える情報を制限する手段にもなりますね。


 他に思いつく理由は、一般プレイヤーと違ったことをする理由づけですね。

 パーティプレイでネタプレイをするのは難しいですから。パーティ内のバランスを考えて、他の人がこれを取っていないから自分が取らないと。他人を理由にプレイ幅を狭めるのは見ていて窮屈ですから。誰かのために、ならいいんですけどね。



 主人公(読者の投影する相手)には自由であってほしいということも理由ではないでしょうか。

 他人の目を気にせず生きていける自由さが、作者や読者には眩しく映るのでしょうね。

今回は総集編というか、まとめ的なものにしようかと考えました。が、最後までマイペースにしてみました。

長らくお付き合いいただき、ありがとうございます。


感想につきましては、今回は返信しないというマイルールを採用していたために返信しませんでしたが、ちゃんと読んでいます。

他の方のご意見も、それはそれで一つの正解だと思います。


このエッセイが、VRMMOやその他作品の何かを考えるきっかけになりますように。


ありがとうございました。

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