星の降る夜4
あの湖畔での出会いから半年たつと二人はお互いを愛称で呼び逢うようになっていた。
クリスティーナはラインハルトが領主子息ということ
に始め驚きひるんだが若き二人には問題のないことのように思えた。そうして、二人の逢瀬は順調に回数をかさねていた。
そんな夏の初めのある日、いつもの様に湖畔で待ち合わせ二人肩を寄せていた。
「ティーナ、君に会いたかったよ。出会ってからティーナの笑顔を見れないときは心が寒くなるんだ。」
ラインハルトは、クリスティーナを見つめながら告げた。クリスティーナも頬を染めながら、応えた。
「私もハルトさまにお会いできると幸せな気持ちになります。」
ラインハルトはクリスティーナを抱きしめクリスティーナはやんわりとラインハルトに手を回した。
「ずっと、一緒にいたいな。」
ラインハルトが洩らした言葉にクリスティーナが頷いた。
「今度、3年に一度のブロスナン祭りがある。その祭の謂れをしってる?」
「うろ覚えですけど…たしか、この地の王さまが森の美しい娘に恋をして、それを妬んだ隣国の王女さまが娘を隠してしまいます。王さまは諦めきれず娘を探し旅に出て色んな冒険をします。そして、娘を見つけ后にし幸せに暮らしました。そのお祝いのお祭りだったと思いますわ。」
クリスティーナは、幼い頃、読んだことのある物語を思い出しながら美しい話をラインハルトに話した。
「よく知ってるね。その冒険が英雄録‘’初代王‘’だよ。そして、その話は続きがあって。王が倒した龍が王の守りになり冒険を終え、平和になった国より天界へ帰るとき共に戦った王の願いを叶えたそうだ。」
ラインハルトは、そこで一呼吸するとクリスティーナに甘い視線を送った。
「王は‘’愛する后と夜空の星の如く永久に…。‘’と。」
二人の視線は絡み合った。
「今年の星降祭りにいこう。」
ラインハルトは、クリスティーナをみつめた。
クリスティーナの大好きな笑顔で言われたクリスティーナは「はい。」というしか出来なかった。