表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒一の恩返し  作者: かずや


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/45

贈り物選び

 今日は月島さんからのお礼の食事会の日である

 夜からだが月島さんのお父さんの快気祝いでもあるので百貨店で贈り物を探していた

 (うーむ、悩むなぁ)

 宗馬は慣れてない贈り物選びに四苦八苦していた

 それなりに歳は重ねてきているが、いかんせん独りの時間と必要最低限しか人に関わってこなかった人生を反省していた

「悪いモヤの逆パターンで良いモヤも見えたらなぁ」

 そんなことまで口走ってしまいながら百貨店を巡っていく

 あれでもないこれでもないとしばらく悩んでいた時だった

 (チリン)

 人々のざわめきや店内の音響に混じり鈴の音が聞こえる、本来なら誰かの根付け等の音なのだろうが気になってしまう

 (何だ?呼ばれてる?)

 宗馬はどうしても気になる鈴の音が自分を呼ぶような感覚になり音の方面へ歩き出す

 (他の人は気にならないのか?)

 沢山の人の中で割と高く響く鈴が自分にしか聞こえないようだった

 (リーン)

 鈴は最後に一際高く伸びのある音色を響かせて鳴り終えた

 その時だった

「桐生さん?」

 名前を呼ばれてハッと振り返った先には月島さんが驚きの顔で宗馬を見ていた

「え?桐生さん!どうしたんですかこんなとこで!」

「月島さん!いや実は今日お邪魔する際にお父様の快気祝いで贈り物をと思いまして…」

 正直に話すかは迷ったものの、このあと月島さんにまた会い店に行くのだ、隠しても察してしまうだろうと打ち明ける事にした

「まあ!そんな父の為に!本当になんと申し上げていいのか!」

 あわあわする月島さんを見て軽く笑い宗馬も聞いてみる

「月島さんは何故ここに?」

「それがですね、桐生さんと同じで父に復帰祝いの贈り物をと考えてまして…ただ難航しちゃってて」

 少し困った笑顔を見せたという事は同じ状況だったのだろう、こうなれば隠す必要も離れる必要も無い

「同じです、じゃあ月島さん一緒に選びませんか?」

「良いんですか?」

「このままだと待ち合わせに間に合わなくなるところでしたので、月島さんが良ければ」

 お互いに選びに来たのは良いが当てがなく目移りして選びきれないとこに出会った

 このまま夕方の待ち合わせでまた会うのなら、もう一緒に選ぶのが正解だろう

「ありがとうございます!」

 月島さんはパッと笑顔でお礼を言ってくる

 (良い顔するよな月島さん)

 宗馬は屈託の無い笑顔を見て笑顔で返した


 あの鈴の音が引き合わせたのか

 少し気になりながらも前を向き月島さんと話を咲かせながら贈り物選びに店を周りだすのであった


 月島さんに会い二人になったからプレゼント選びがうまくいく…とはならないのがプレゼントを選ぶと言う難しさである

「父、お酒好きなんですけど退院してリハビリしてたから禁止してるんですよ、身体の事も考えるとやっぱり心配で」

「あ〜お酒好きな方には辛いでしょうけど仕方ありませんね」

 危なかった、宗馬の選択にはアルコールもしくはアルコールを楽しむ酒器があったので情報得れて一安心

 しかし、それはそれで選択肢が狭くなってくる

 食べ物の好みもあるがフレンチシェフで生きてる方に下手な物は選べない

 難易度高まったなと悩んでると

「ふふ、真剣な顔」

 月島さんが覗き込みながら笑う

「ありがとうございます、父の為に真剣に考えて下さって」

「いえいえ、贈るなら喜んで貰える方が良いですし、恥ずかしい話贈り物の経験少なく決めきれないのです」

「本当に優しい方ですね、桐生さん」

 改まって言われ照れてしまう

「あ!あれどうです?」

 照れ隠しに指した店は革細工の店であった

 財布やキーケース、スマホカバーにショルダーバッグと多岐に渡る革細工特有の深みがある風合いと香り

 年配の男性へと贈るプレゼントとしては有りだろう

「わぁカッコ良さと渋みがありますね、桐生さんもレザー系の物お好きなんですか?」

「僕も詳しくは無いのですがあまり見栄え気にしない親父がキーケースだけはいつまでも使っていたなと思い出しまして」

 父のキーケースは母からのプレゼントで手入れをしながら今も使っていると聞いた事があった

 確かに自身の父のアイコニックな物としてイメージにある

「革は手入れも要りますが長年使えて少しずつその人を表す物になっていくと聞きます…ただ、やはりお値段は張りますね、ここまでだと逆に気を遣わせちゃうか…」

 少し品が良さそうな物になると、かなり大きなお祝いで無ければ萎縮されてしまいそうだなと思った宗馬だが月島さんの提案があった

「なら、二人からにしません?」

「え?」

「一人だったら迷いますけど二人からなら予算も上げれて良い品にアップグレードできますし」

「いやでも、良いんですか?僕なんかと合わせてしまって」

「何を言ってるんですか、桐生さんに選んで頂ければ父も喜びますし長く使って欲しいですもの」

 ニコリと笑いながら言われれば断る事も無いだろう

「ありがとうございます、乗らせて頂きます」

「こちらこそありがとうございます!父も喜びますし私も良い物に出会えて嬉しいです!」

 素直に感情表してくれる方だなと、宗馬も嬉しくなる

「では、どれにしましょうかね」


 方向が決まれば品を決めるのみになり少し力が抜けた

 月島さんと二人で選ぶ時間が楽しいと感じる宗馬であった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ