表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/558

0089・運営ダンジョン11階まで




 そのまま先へと進んで行くと、また新たな仕掛けがあった。古い時代の人達にとっては懐かしのネタなんだろうけどね、今度は矢印つきの床だ。しかも左右や天井が塞がってるので逃げ場が無い。


 古典ゲームだと矢印の床に乗っている最中に飛び降りればいいのに、と思うヤツだ。VRだからか途中で飛び降りれなくなっているらしい。さて、こういうのは大抵の場合、正解は1ルートしかない筈。


 まずは1つしかないので皆で踏むが、その瞬間高速で僕らは運ばれた。これは逆らうとか無理だ、動きが速過ぎる。しかも運ばれていった場所では次の通路が2つ見えている。困ったなと思っていると、フィーゴがラスティアから離れフワフワ飛んでいった。


 1つの方に飛んでいったかと思うと戻ってきて、腕で×を示す。どうやら右の通路は駄目な方らしい。次に左を見に行って戻ってくると腕で○を示す。どうやら正解は左ルートのようだ。皆で左に乗り、一気に進んで行く。


 次は4つの通路に分かれていたものの、再びフィーゴに見てきてもらい、右から2番目の通路を選ぶ。その次は8つに分かれていたが左から3番目を選んで無事にクリアーした。それにしても厄介なダンジョンだよ。


 その後は真っ直ぐ歩いていくと階段があり下へ。次の階に着くと平原の地形だったので、どうやらアスレチックは終わりらしい。やれやれ、余計な苦労をさせられた気がする。階段横の魔法陣を登録し脱出。今日はここまでだ。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 8月20日 日曜日 AM8:19



 今日は昨日の続きである運営ダンジョンの攻略だ。挨拶と食事もそこそこに、僕達は昨日のアスレチックの終わった2階から攻略を開始する。昨日確認したのは平原という地形だけだからね。次は魔物……なんだけど。


 魔物はネズミやウサギしかいないのでスルーしつつ、僕達は次の階への階段を探す事にした。階段は直ぐに見つかり3階へ。そこもクリアして4階。魔物が多いだけの4階も階段は簡単に見つかり5階へ。ボス扉があるので休憩してからボス戦開始。


 ボスは大きなコボルトと、通常のコボルト10体だった。僕とラスティアが【ダークウェーブ】を連発するだけで取り巻きはあっさり死亡。その後は残っている強めのヤツを滅多打ちにして終了、壁が開いて6階へ。


 魔法陣を登録するのだが、先ほどのボス戦はソロに対するボスじゃない気がする。おそらくだけど、仲間を連れてこれる職業に対してはボスの数を増やしてあるんだろう。このダンジョンはソロ限定で、運営が用意したレベル上げ用のダンジョンでもある訳だし。


 次の地形は草原らしい。膝よりも少し上、というぐらいまでの草が一面に生えていて見通しが微妙に悪い。小さい魔物とかが居ても見えない可能性はある。そういった所に注意して進もうか? 皆にそう声を掛けて進んで行く。


 魔力反応があるので槍で突き刺すと、蟻の魔物が居た事が分かった。結構密集して草が生えている所為で、思っている以上に魔物が居るのか分かり辛い。しかもこの蟻は見た事が無い魔物だ。



 ―――――――――――――――


 <グリーンアント> 魔物 Lv13


 草原によく居るアント種。草に紛れる為に緑色に進化したとも言われている。それ以外には特徴が無いが、数が多い事には注意


 ―――――――――――――――



 蟻と言っても体長は10センチほどあるんだけどね? ゲームとはいえ、こんなのが大繁殖したらパニックホラーだよ完全に。別のジャンルのゲームになるだろうから、コレが大繁殖する事は無いだろうけどね。


 他にもグリーンスネークが居たらしいけど、それはラスティアの薙刀で始末されていた。なかなかに厄介なので始めたばかりの第二陣には大変だろうと思っていると、急にセナが転ぶ。敵襲か!? と慌てたんだけど、まさかのトラップだった。


 スネアトラップという草が縛られていて半円状になっているヤツ。アレがあってセナが足を引っ掛けてしまい転んだようだ。本人はスネアトラップを踏みつけて怒ってるけど、運営も色々な物を用意するなぁ……。


 スネアトラップを解き、セナを宥めてから進む。今まで以上に慎重に歩き、トラップが無いかと探りながら階段を探す。やっている事は槍の石突を使って、前方に罠があるかどうかを調べているだけなんだけど。


 そうやって調べてスネアトラップを見つけては皆に伝えていると、目の前にウィンドウが現れた。



 ―――――――――――――――


 ※スキル:【罠発見】を習得しました


 ―――――――――――――――



 このスキルを覚えてからは、移動が非常にスムーズになった。スネアトラップがある場所は光って見えるのだ。おかげで光っていない所は安全に歩けるので、移動の速度を戻す事が出来た。足下を確認しながらだったから、どうしても遅くなってたんだ。


 階段を見つけたので7階へと下りるのだが、草が邪魔をして階段が見づらかった。こういう事もしてくるので、本当に注意しなきゃいけないな。気を引き締めて7階へと下りるも、6階と変わらない階でしかなかった。あっさり階段も見つけたので8階へ。


 8階も魔物の種類が増えてゴブリンとコボルトが現れた程度しかない。まあ、そうやって見せておきながら、足下からは蟻や蛇が襲ってくるパターンだ。魔力反応を探ればいい僕達には全く効かないけど。


 適当に倒しつつ階段を見つけたので9階へ。あからさまに反応が多いので、ボス階層の前の階はモンスターが多い階で確定だね。僕としては適当に戦いながら進めばいいだけなので楽だ。どうしても駄目なら【ダークウェーブ】を使えばいいし。


 ウロウロしていると簡単に階段が見つかったので下りていく。そのまま通路を進み、ボス扉の前で休憩にする。僕は何も買ってないし、お金も持って来てないので普通に休憩。回復したらボス戦へ。


 中央の魔法陣から現れたのは、武器持ちのオークが5体と盾を持ったオークが5体だ。盾持ちは初めてだが、普通に戦ったら強いんだろう、普通に戦ったら。



 「「「「「「「「「「ブヒィッ!!!」」」」」」」」」」



 早速とばかりにセナとラスティアに突撃するオークども。隊列も何もあったものじゃない。オークはコレがあるからそこまで強くないんだよねー。


 そんな事を暢気のんきに考えつつ、【ダークウェーブ】を連発して倒していく。盾持ちはHPが高かったのか、棍棒持ちが死んでも生き残っていたが、既に虫の息であり皆に殺されて終了。欲に塗れた奴に相応しい末路となった。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 空いた通路から進むんだけど、5階のコボルトといい、さっきのオークといい、魔石しか落とさない。そのうえ魔石って高く売れないんだよね、魔道具の燃料でしかないから。もっと大きいと色々な物に使えるらしいんだけど、今のところは小さいのしか出てこないんだ。


 適当にプレイヤーマーケットに流しつつ、11階の魔法陣を登録して戻る事に。お昼には少し遅いだろうけど、どうしても移動に一定の時間は掛かるし、仕方の無い部分はある。階段を見つける為にはどうしても時間が掛かるんだ、一度見つければ後は楽なんだけど。


 そんな事を思いつつ師匠の家に戻ると、スケルトン・クラフターが居たので挨拶する。昼食は買うから構わないと言い、木箱からお金を取り出すとプレイヤーマーケットでサンドイッチを購入して食べる。皆は【クリーン】と【クリア】だ。


 ラスティアには食後の海老○んを渡しておいたので、僕はゆっくり食事をしよう。昼食後、再び運営ダンジョンに行き11階からスタート、荒地を進んで行く。荒野という訳でもないので赤茶けてもいない唯の荒地が広がってる。


 そんな中を歩いて行くんだけど、所々の地面が光って見えているんだよね。あからさまに怪しいので槍で叩くと穴が空き、中から「ギシャアッ!???」と聞こえた。


 どうやら落とし穴だけじゃないらしい。運営ダンジョンの方が厄介ってどういう事だろうね?。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ