表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
808/842

0808・特攻効果




 妾達は屍人の森の深層二層目へと進んで行く。

 いつも通り道中のを浄化していきながらじゃから多少の道草は食っておるが、それでもそこまで時間が掛かったりはせぬ。

 そして到着したら早速とばかりに戦闘開始じゃ。

 そろそろ確かめておかねばならんでな。



 「確かめる? 確かめるって……何かあった?」


 「朝に見せたのに忘れたのか? 【アンデッド特攻】が付いた打刀があったじゃろう。その【アンデッド特攻】がどれほどの威力なのか見ておかねばなるまい。使えるか使えぬかの確認は必要であろう? もし大した事がなくば、作る意味が無いからのう」


 「それはそうだな。代わりに【アンデッド特攻】が強力なら絶対に必要って事になる。どっちかっていうと、そういう効果は裏切らない気はするぜ? その辺りはキッチリしてそうだし」


 「分かる。なんだかんだと言って、【耐暑】とか【耐熱】とかもそうだし、【暗視】とか【闇視】もしっかり効果があったもん。特攻っていうのはイベント以来のものだけど、あの時はイベントだったから分からないんだよね」


 「それだけじゃない。多分だけどイベントの時の特攻効果と、今回の特攻効果は同じものではないはず。何故ならイベントの時の特攻効果には強さの表記が無かった。ただ特攻って出ていただけで、小、中、大すら書いてない」


 「確かにそんな記憶があるな。となると………根本的に別物だと考えた方が無難か。俺はどんなのか見てないんだが、特攻しか書いてないわけじゃないんだな?」


 「これじゃからのう」



 妾は打刀を出してユウヤとオウカに見せる。

 するとアンデッド特攻が確かに見えたようじゃが、二人は見てから悩んでおる。

 やはり特攻効果がどれほどのものなのかは気になるのであろう。

 それが強力であれば買うのも検討するといったところか。



 「それはそうです。だってここでのレベル上げはしばらく続くのでしょう? だったら特攻効果の付いた武器の方が楽ですしね。それにお金を稼ぐつもりなのであれば、火炎龍樹かクリムゾントータスを狩りに行けばいいでしょう」


 「ナミから武器と防具を買えば、戦って勝てない相手じゃないからな。実際に今の時点でも一匹か二匹は倒せるんだしさ。ただ戦闘を続けるのが難しいだけで、倒すこと自体は既に可能だ。あれも戦い方さえ分かれば、そこまで強い相手じゃない」


 「それもあるけど、あれは戦いやすくしてある。ただ強いだけで、そもそも邪魔なものとして配置してあるオブジェクトみたいなもの。だから点在しているだけで群れている訳じゃない。一対一なら決して勝てない相手でもないし、やりようは幾らでもある」


 「そもそも私達だけじゃなく、普通のプレイヤーの中にも持って帰ってきて売ってる連中が居るしね。だから私達が倒せないなんて事は無いわよ。むしろ私達が倒せないのに他のプレイヤーが倒せるなんてのが想像できない」


 「私達も下手ではありませんからね。私自身、それなりに色々なゲームをしてきてますし、ここで皆さんに教えられてもいます。ですから結構上達したんですよ。ある意味で当然ではありますが……」


 「コトブキが居て、今はナミが居るからなぁ。教えられてりゃステップアップはするさ。どう考えても」


 「おっと、お目当てのカースゾンビが出てきたのう。こやつが一番分かりやすい故、こやつで試したかったんじゃよ。それではいくかの」


 キンッ


 妾は腰に差した打刀を抜き、八双の構えをとる。

 カースゾンビはすぐに接近してきて妾を殴ろうとしてきた。

 せっかちな奴じゃのう、もそっと腰を据えて戦おうとは思わんのか。


 右手で殴りてきた拳を外側へとかわしつつ、妾は袈裟切りをなるべく普通に放つ。

 これは実験である為、いつも通りの技の冴えで放つと、技で切ったのか武器で切ったのか分からんようになるからの。

 そしてその結果は両断であった。



 「………これは困ったのう? 出来得る限り普通に切ったんじゃが、まさかあっさりと両断するとは思わんかった。これでは特攻効果が不明じゃぞ。かといって【刀術】のスキルを持っとるのは妾だけじゃし……」


 「あっさりと両断したな? とはいえ切り方を悪くして切れたなら、特攻効果が出てるんだと思うぜ。とはいえ火炎龍樹とクリムゾントータスの武器との違いを聞かれても困るが……」


 「そこでしょうね。違いはなに? って聞かれても困るでしょ。そういう意味では私達が使ってみないと分からないんじゃない? いえ、私達がやっても分からないかも。そうなると特攻効果を確認するのって難しそうね」


 「基準が無いですからね。その基準の無いものを確認するのは大変ですよ。それでもナミがやったら、全部バッサリ切りそうですし……。この場合は実験をやる者が悪すぎたというべきです」


 「超一流に実験させても意味は無い。弘法も筆の誤りとはいうけれど、弘法大師に適当な筆を持たせても綺麗な字は書ける。素人にはその綺麗の差は不明」


 「ですね。特に字の世界は奥が深いですし、行くところまで行けば芸術ですから、余計に判断がし辛いと言うしかありません。数字で出るわけではない世界は判断が難しいのですよ」


 「特攻効果の有無は明確に違うんでしょうけど、じゃあ特攻効果でどれほどの差が出るのかと言われたら………。いえ、これ武器が悪いのかも。ユウヤかナツ向けにメイスを作れば分かりやすいんじゃない? むしろバッサリ切り捨てる人の武器じゃ分からないでしょ」


 「それはそうでしょうね。どのみち本気でやってはいないのでしょうが、私達には差が不明です。判断がつかない以上、特攻効果の差は保留するしかありません」


 「仕方ないのう。流石にバッサリと切り捨てるという結果では、不明と言わざるを得ぬな。もしくはスキルの無い者に使わせるか? そうすれば違いは分かるかもしれん」


 「あー、それは確かにあるかも。絶対に1ダメのはずが、特攻効果で増えるかもしれないからな。そうなると判断基準にはなるのか。もしやるにしても浅層でしか出来ないけどな」


 「そこを判断基準にしていいかは悩むけど、確かに一つの判断基準にはなるかもね。実際にやってみなきゃ分からないけど、結果は知りたいかな?」


 「そうだね。何回攻撃したら倒せたかを判断基準にすれば大凡(おおよそ)の答えは出るでしょ」


 「という事で、今からは普通に戦いましょうか。仲間達が戦ってるなかで話し合いと言うのもね」


 「ニャッ!!」


 「あらら、ギンが怒ってるみたいね」



 仲間達に任せても勝てる以上は、任せても問題あるまい。

 シグマがキッチリとブレスから守っている以上は事故など起きぬしな。

 最初に来た時には突出していた所為でセナが喰らったが、流石に何度も喰らう愚か者ではないので、今は喰らう事も無い。


 妾達も参戦し、敵との戦いを始める。

 打刀を使って何度も戦うが、強いて言えば火炎龍樹とクリムゾントータスの太刀より、刃の入りが滑らかな気がするの。

 スッと刃が入るというか、抵抗があまり無いのじゃ。

 これが特攻効果かと言われれば、おそらくそうなのであろう。


 とはいえこれは副次効果であって、本来の意味での特攻効果ではあるまい。

 ここはゲーム世界じゃから、刃の入り方などというアバウトな効果のはずが無い。

 もっと数字的な意味の効果の筈じゃ。

 それを解き明かすには、やはりスキルの無い者にさせるしかあるまい。


 そこで違うなら明らかに違うからのう。

 特にスキルがないと確定で最低ダメージにされる。

 このゲームは判断基準に乏しいのじゃが、特攻効果に関しては判断基準があってよかったわ。

 助かったというところじゃの。


 他にも様々な特攻効果があるのじゃろうし、真面目にそういうのは探していかねばな。

 上手く付ける事が出来れば強力な武器になるのは間違いない。

 それを今から考えておくのは悪い事ではないからの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ