↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
773/883

0773・昼食は屋台で




 大して面白くもない大会を見つつ、横目で掲示板を読む。

 正直に言って掲示板も面白いスレッドは無い。

 それでもバカを言い合っておる掲示板の方がまだマシといったところか。

 バカ話などを読んでおれば怒りや呆れも落ち着いてくる。


 そうやって読んでおると槍と無手の試合も終わり、残るはチーム戦のみとなった。

 実況と解説はそれぞれの試合会場の前に居り、別々の者達がやっておるので、すでに女王と親衛隊はおらぬ。


 さらには二つの試合が終わったので、全4面を使って一気に試合が進んでおる。

 妾が破壊した会場はすでに修復されており、今は普通に使われとるからのう。

 おっと、童女達が出てきたか。



 「いけーーーっ! お前達に賭けてるんだ、勝ってくれよーーっ! 頼むぞーーー!!!」


 「6人で勝てるわけねーだろ、そろそろ終わりだっての!」


 「そうそう。稀人(まれびと)だとか言ってるが、所詮は死なないだけの連中だろうが。大した実力なんて持ってねえっての!」


 「ようも偉そうに言うものだな? 己は雑魚の分際で」


 「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」



 妾がちょっと口から洩らしたからか、周りは静まり返ってしもうたな。

 掲示板を読みながら聞こえたからついつい口から出たのだが、誰かが教えたのか、こちらを振り向くなり凄い速さで前を向いて黙った。


 あまりにも愚かで呆れて来るが、鼻で笑ったところ何故か妙な雰囲気になった。

 なんでじゃ? 先程までこやつら黙っとったであろうが。

 何かおかしな空気になってきとるぞ?


 わけの分からぬ空気は無視し、妾は童女達の試合を見る。

 上手く連携しておるのもあるが、童女と現代の巫女が見事に敵を抑えておるな。

 鞭と弓矢で牽制に回ったか。

 相手の数が多いからであろうが、そちらの方が良かろう。


 相手の後衛を牽制するのではなく、あえて中衛を狙っておるのが童女じゃのう。

 鞭で攻撃し確実なダメージを与える。

 鞭は何故か革製じゃが、ダメージはリアルなものを受けるからな。

 これが思っておるより厄介じゃ。


 革製とはいえ鞭は上手く使えば相手の皮膚を裂く事が出来る。

 その昔は<鞭打ち>が拷問だったのじゃ、それぐらいの威力はあるのが鞭となる。

 さらには硬くないので見るのが難しい。

 しなって飛んでくるからのう。


 そこから角度が付くとさらに分からぬようになるうえ、下から這い上がってくる軌道すらあるのだ。

 鞭先は音速を超えるとも言われるほどじゃ、並大抵では回避できん。

 なもので、一番良いのは盾で受けて突進じゃな。

 もしくは体で受けるか。


 覚悟をすれば出来ん事ではないし、一度捕まえれば後は引っ張り合いよ。

 相手から奪えば済むでな。

 それが駄目そうなら、敵に対して全力疾走じゃ。

 後は体当たりでもして相手を倒せば、首でも絞めてやればよい。

 それで殺せる。


 とはいえ相手はそこまで出来んのだ。

 前衛のユウヤが特に邪魔だからの。

 あれは巨人族であるうえ、上手く位置取りをしておる。

 童女と現代の巫女がユウヤに位置を教えておるのだ。

 その場所へ素直に行く為、敵からすれば邪魔で仕方ない。


 そしてナツがそのサポートという形で動き、そのサポートと隙あれば一撃必殺を狙っておるアマロとオウカという形。

 あれ、思っておるより厄介じゃと思うわ。

 もし妾があの中に加わったら、間違いなく前衛の盾の前に出ておる。


 実際に珠も協力する時には、そのようにしておったみたいじゃからの。

 つまり珠の立ち位置は、遊撃という名の敵陣突撃と引っ掻き回し要員じゃ。

 これをされると敵は崩れるというか、崩れざるを得ん。


 余程にしっかりした奴らでなければ、引っ掻き回し要員の珠にしてやられる。

 仮に珠を無視すれば隙を突かれて首を刎ねられ、珠を止めようとすれば他の者が殺す。

 つまりメンバー全てが優秀な連中でないと止まらんのだ。


 現在はその珠がおらぬ状態である故どこまで出来るかと思うたが、順当に勝利したのう。

 誰も落ちてはおらぬし上手く行ったのではあるまいか。



 「これでチーム戦の予選最終試合が終了いたしました。お昼を挟んでチーム戦の本戦が始まります。予選の賭け事は予選で終了ですので精算をお願いします。午後の本戦が始まった段階で、予選の精算は出来ません。必ずそれまでに予選の精算を行って下さい」



 なるほど、予選と本戦で賭けが変わるのか。

 予選は本戦に出られる者を、本戦では優勝者を当てるという事じゃの。

 なかなかギャンブル要素が高いとは思うが、当たったヤツはそれなりにおりそうじゃのう。


 妾は観戦席から立ち上がると、会場の外へと向かう。

 妾が童女達を探すとすぐに見つかったので、皆で適当に買い食いを行う事に決めた。

 会場近くには屋台が出ておるでな。

 それを昼食にする事にした。



 「マイルームに戻ってアルゼルを呼んできてほしい。おそらく呼ばないと五月蝿い」


 「あっ、だったらエウリティアも呼んできて。ここでマイルームに戻っても王都に返されるだけだからね。結局すぐに戻ってこれるし」


 「なるほど。まあ、構わんぞ。ちょっと行ってくる」



 妾は「まあ、よいか」と思いマイルームに戻ると、まずは訓練場に行く。

 ここにアルゼルがおる事もあるのでな。

 そう思って行くと、ちょうど訓練場でセナと戦っておった。



 「アルゼルよ、現代の巫女というかイルが呼んでおる。これから昼食を食べるのでゆくぞ。屋台じゃがな」


 「えっ、屋台? 行く行く! すぐに行こう!!」


 「ちょっと待て、エウリティアも連れて行かねばならんのだ」


 「アイツなら川に居たよー。そこで昼寝というか朝寝してる。誰もいないから久しぶりにゆっくり出来るって言ってたしー」


 「なるほどの。それではエウリティアを連れてゆくぞ」



 妾はアルゼルの言う通りに川へ行き、寝ていたエウリティアを起こして昼食に連れて行く。

 ラスティアとキャスティ? あやつらは乳繰りあっておるからして、声をかける必要も無し。


 マイルームから出ると王都であったので、すぐに王都を出て試合会場へ。

 先程の場所へと行くと皆が待っておったので、合流して屋台を巡る。

 誰かさんは片っ端から買って食うておるがの。



 「うんうん。こういう祭りの感じは楽しくなっていいねー。モグモグ……普通の日に食べると何でもない癖に、祭りで食べると美味しいんだよー」


 「確かにそうだが、とうもろこしは歯に引っ掛かるね。美味しいけどさ」


 「ポップコーンもあるけど、アレは食事にならないしなぁ……サンドイッチがあるから買っておいたけど、他に腹に溜まりそうなもんはないかな?」


 「あっちに何故かハンバーガーがある。後は向こうにうどん? いや、あれはなに?」


 「あれはねー、うどんじゃない? トマトスープでスパイシーなうどん……としか言い様が無いね?」


 「どう見てもうどんの麺ですしね。その割には真っ赤なスープですけど、食べている人は辛そうな顔をしていませんし。となるとトマトスープでしょう」


 「バラエティ色が豊かですね? あちらには緑色の餃子っぽい物がありますよ? 私の知っている餃子の3倍くらい大きいですけど……生地によもぎでも練りこんであるのでしょうか?」


 「向こう、アレ焼きそばではないですか? 赤い麺なのは何かを練り込んでいるんでしょうけど、何故か入っている野菜が変ですね? あれはピーマンでしょうか? いえ、黄色だからパプリカ?」


 「なんだろう? この普通のサンドイッチが猛烈に貴重品に見えてきたな。あれだ、見た事の無い色ってだけで警戒心が渦巻くわ」


 「分かるぞ。何なんじゃ、この色の暴力は? 試合よりこちらの方が余程に手強いではないか。いったいどうなっとるのだ、こいつらの感性は?」



 意味が分からなさ過ぎるわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。