表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/563

0076・フィーゴと【憑依】




 青銅の物をまずはインゴットにしていく。魔力が厳しいので出来るかは分からないが、まずはやってみよう。


 ………出来るには出来たんだけど、まさか1回で魔力が殆ど空になるとは思わなかった。その所為でこれ以上は何も出来ない。仕方なく後は回復に努めるも早く呼ばれた為、夕食をとってログアウトする。今日はここまでだ。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 8月15日 火曜日



 今日もログインするんだけど、したらすぐに【ゴースト】を召喚しないとね。せっかく新たに召喚できるようになったのに、召喚登録だけで精一杯だったからなぁ。とにかく新たな仲間だから歓迎しないと。


 ログインした僕はお腹の上に居るギンを横にどけ、起き上がると召喚を始める。【ゴースト】の召喚には2割ほどのMPが必要だったが、初回だからしょうがない。



 「お前はフィフス・ゴーストだからフィーゴだ。宜しく、フィーゴ」


 「………」



 当たり前といえば当たり前だけど、フィーゴはゴーストなので喋れない。そのうえ能力値は物凄く微妙としか言えなかった。一部を除いては。



 ―――――――――――――――


 <フィーゴ>


 ゴースト Lv1


 ※能力


  力:1

 耐久:1

 魔力:7

 精神:7

 敏捷:1

 器用:7


 ※スキル


 【憑依】


 ※装備


 なし


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <特殊スキル> 憑依


 仲間に憑依する事で特定の能力値を向上させられる。憑依する時と解除する時に自身のMPを消費する


 ―――――――――――――――



 試しに僕に【憑依】させたのだが、その際の能力値がこれだ。



 ―――――――――――――――


 <コトブキ> 【憑依】


 ※種族・職業


 種族:魔人(♂) Lv24

 メイン職業:ネクロマンサー・下級 Lv10

 サブ職業:錬金術師・下級 Lv7


 ※能力


  力:15

 耐久:15

 魔力:21+2

 精神:18+2

 意志:15

 敏捷:16

 器用:15+3+2

 感覚:16

 魅力:5


 ―――――――――――――――



 魔力などの能力値が増えているので、今から行う作業にとってフィーゴは非常にありがたい。おまけに魔法の威力も上がるので、ネクロマンサーにとっては非常に都合が良い。ここまで優秀な仲間なら待たされた甲斐があったってものだ。


 とりあえずファルには台所に手伝いに行ってもらい、その間に昨日の青銅製の武具を全て素材にする。その後ファルの武器を作ってみたのだが、やはり青銅は優秀だった。


 ついでにセナのトンファーとヌンチャクを作ったところで素材が尽きたけど、セナは気に入ったらしく振り回してる。危ないから止めてほしいんだけどなあ。



 ―――――――――――――――


 <棍棒> 青銅の狼牙棒 品質:3 レア度:1 耐久270


 棍棒の先にトゲが沢山付いた武器。類似の武器は沢山あるので珍しくはない。

 攻撃力9 破壊力3


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <格闘> 青銅のトンファー 品質:4 レア度:1 耐久240


 カタカナの「ト」のような形をした攻防一体の格闘武器。元は農具から派生したと言われるが、真偽の程は定かではない

 攻撃力6 破壊力2


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <格闘> 青銅のヌンチャク 品質:4 レア度:1 耐久250


 2本の棒の間を縄や鎖で繋げた武器。元は農具と言われるが、真偽の程は定かではない。暗器として使われてきた過去がある

 攻撃力6 破壊力3


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 とにかく耐久が高いという事もさる事ながら、このゲームは材質で耐久力も変わるみたいなんだ。なので石と木と同じ耐久力じゃないだろう。しかし、フィーゴが【憑依】してくれていて狼牙棒の品質が3かぁ……。初めて青銅を扱うとはいえ厳しい。


 朝食に呼ばれたので食堂へ移動すると、師匠からツッコミを入れられてしまった。



 「ほう、ゴーストを召喚出来るようになったか。【憑依】させたままなのは良いが、あまり頼りにし過ぎぬようにな? 能力の加算に慣れ過ぎると、己の実力を引き上げようとせぬようになるからの」


 「あんたが本気出す時の姿も同じなんだから微妙な話よねえ。まあネクロマンサーにとっては重要な姿とも言えるけど。………ん? コトブキの使い魔な訳だし、もしかして私も【憑依】を受けられる?」


 「む………ふむ、可能じゃの。そのゴーストとのバスはコトブキを通して繋がっておるので問題無い。しかしそなたは<踊り子>であろう。もちろん他にも色々出来るのは知っておるが、魔力がそこまで関わるのか?」


 「【魅了】や【誘惑】は魔力も関わるのよ。もちろん相手の精神状態も重要なんだけどね、それでも魔力を伝播させるから、割と魔力を消費するの。それでも魔法よりは使わないけど。それに、そろそろ魔法も覚えなきゃ駄目ねえ」


 「あっ、【浄化魔法】。私も忘れてたけど、あんたも忘れてたでしょ。ダンジョンに行く前に頼むわよ。あの魔法、綺麗にしたり出来るし便利そうなのよね」


 「ふむ。アンデッドには【光魔法】か【浄化魔法】じゃからの。とはいえ【光魔法】はのう………どうしてああも自己主張が激しいのか、理解に苦しむわ」


 「ピカピカ鬱陶しいのよねえ。昔、天使の星に金ピカの武具を着けて【光魔法】を連発する騎士が居たわよ。<黄金の騎士>とか呼ばれてたかしら? あまりにも痛々しいから、【魅了】してブッ殺したけど」


 「ああ、そういえばそんなヤツおったのう。あまりにもバカバカしいうえに、大した実力も無かったのを覚えておる。<深淵の魔女>はその真逆じゃの。アヤツは今でも、黒く影があるのが格好良いと思っておるしな」


 「アレって間違いなく不治の病よねえ、関わらないのが一番よ。周りに何を言われたところで気にしないし、むしろ陰口を嫉妬と認識する連中だもの。どうにもならないわ」



 <深淵の魔女>はまさかの厨二病患者だったのか。色々アレ過ぎるけど、僕も関わらないようにしよう。誰かが弟子になるんだろうけど、きっと同系統の人だろうから余計に関わらない方がいいね。厨二病が2人とか嫌すぎる。


 朝食を終えた僕とトモエは、準備をしてから師匠の家を出発する。ダンジョン街に着いたら昼食を購入し、迷宮魔法陣で11階へ。今日はここから15階のボスへと向かう。最近はどんどんとレベルが上がっているからか、夜は細工の方のレベル上げをしているみたいだ。


 順調に攻略していくものの、ついに攻略できていない14階に辿り着いた。ここからは地図を描きつつ進んで行く必要がある。それにしても壁から大量にゴーストが向かってくるので、まずはゴーストを間引いてからだ。


 ちなみにフィーゴは僕がどれだけ【浄化魔法】を使っても苦しんだりしないので、やはり召喚モンスターと瘴気アンデッドは根本的に違うのが分かる。トモエとギンも【セイントバレット】を連発しているが、ギンが覚えたのは自分からだ。


 何故か見よう見まねで使い始め、至極あっさりと【浄化魔法】を覚えたらしい。トモエは「天才!?」って言いながら喜んでたけど、【浄化魔法】で構われるのが嫌だからだと思うよ?。


 自分で使えればトモエに頼まなくてもいいしね。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました

 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました

 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました

 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました

 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 レベルが低いからっていうのもあるんだろうけど、レベル1からだと本当にポンポン上がるね。ゴースト系統は【憑依】ありきだからか、敏捷がまったく上がらない。魔力系統のスキルを覚えさせた方がいいかな? そっち方面にしか育たなそうだし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ