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0068・アカウント凍結とPV




 素早く地上へ戻った僕達は、すぐに師匠の家へと戻り夕食を食べてログアウトする。もちろんログアウト前には皆を綺麗にしておいた。現実へと戻り、雑事を終わらせて一息吐くと、スマコンに運営から<お知らせメール>が来ていた。


 何かと思って読むと、アホロンとかいう奴はアカウント凍結になったというお知らせだ。更にはプロゲーマーチーム<ゼウス>は解散したらしい。


 プロゲーマー集団といえど何処かの会社には所属しているし、そこの仕事をしているのが当然だ。例えばだが、個人配信などにおいて殆どのゲームの運営はこれを許可していない。何処かの会社を通さないと責任逃れで逃げるからだ。特に個人だと追及が難しい。


 だからこそ所属会社に責任を持たせ、そこに所属している全員に一括でログイン禁止措置をとるのだ。そうする事によって無法や違法を排除してきたんだけど、<ゼウス>は小さい運営会社のゲームやマイナーゲームを狙い撃ちにしていたらしく、そこから禁止されても痛くも痒くもなかった。


 だが、今回の<レトロワールド>は運営会社としては大きく、それ故にそこまでの事をしないだろうと所属会社の社長も思っていたらしい。ところが蓋を開けてみれば今までと変わらず馬鹿な事を、しかも大会社のゲームでやらかしている。


 それを運営から聞いた社長は慌てて事実確認をし、事実だと判明した為<ゼウス>を解散、全員を会社から解雇したそうだ。会社としては損害を理由に解雇するのは当然だし、お抱えの他のプロゲーマー集団まで<レトロワールド>にログインできなくなったのだ。怒り心頭だろう。


 元<ゼウス>の連中は悪名が轟いている為、他の会社に所属できる筈もなく、かといって個人では配信許可が下りない。更に自分達で会社を立ち上げるとしてもノウハウが無い。誰かが手助けすれば出来るだろうが、手助けした奴まで業界では孤立する。なので誰も手助けはしないだろうとの事。


 ビックリするほどの長文だが、内容は理解できた。僕としては負け犬に興味も無いのでどうでもいいしね。<ゼウス>の連中は、今や都落ちした賊のようなものだと思えばいい。凍結された以上は何も出来ないし、これで終わりだろう。


 そもそも散々悪行をやっておいて、断罪されたら僕が悪いとか意味不明だよ。そもそもアカウント凍結を喰らう前に会社でログイン禁止を喰らった筈だけど、手続きが完了するまでの間に更に悪事を重ねるとか……頭が悪過ぎる。



 「何とも残念な駄目人間が世の中には居るものねえ。かつてのストーカーといい、碌でもないのは一定数世の中に居るけども。それにしても頭がどうかしてるんじゃない? 珠に逆恨みするなんて」


 「逆恨みというか、負け犬がこじらせただけって感じでしょ。そもそも<ゼウス>のリーダーであるアポロンって、弓だけは上手いデブのキモ豚って有名だし。かつて弓道部で全国大会に出たとか聞いたけど、性格が悪すぎて部員全員から嫌われてたんじゃなかったっけ?」


 「そんな人物が世の中に出て、こじらせたまま他人を傷付けることを仕事にしていた、という事か。そんなもの長続きする訳ないだろうに。信頼を失うと、苦しい時に誰も助けてくれなくなるぞ。世の中は自分だけで成り立ってる訳じゃないのになあ」


 「それが分かってるなら、ちょうど良い塩梅でやってると思うよ? そういうちょっとした嫌がらせをキャラクターとしてやってる人も居るらしいし。裏では物凄く低姿勢な人らしいけど、表ではキャラクターとしてやってるんだってさ」


 「まあ、世の中には色々な人が居るからね。それよりも、これが新しいCM? 何でも珠が活躍するところが見られるって静が言ってたけど……またおかしな暴力を振るったんじゃないでしょうね? お母さん、それだけが心配よ」


 「いや、VRゲームだし許容されている範囲内でしかやってないよ。僕がそこまでやるって事は、ゲームとして許されてるって事だからさ」


 「例えゲームだとしても、許される事と許されない事があるがな。それはそうと、2つの星が舞台のゲームなのか……。<レトロワールド>という割にはレトロ感が無い気がする」


 「おお! あの顔は藤山さん家の友哉君ね。それにしても大きいわねえ、巨人族っていうの? 種族の紹介が始まったけど」


 「ダークエルフとキャットマンねえ。まさか葛城さんトコの棗ちゃんと、五條さんのトコのお嬢さんが一緒に居るとは……。それにしても顔を変えなくていいのかな? まあ、いいんだろうなあ。ウチの珠も静も変えてないみたいだし」


 「静はゴブリンとか連れてたけど、珠はスケルトンとか女の子を連れてたわね。前に見せてもらった時と変わってないけど、珠の方は敵モンスターもアンデッドなのねえ」


 「<屍人の森>っていうアンデッドが生まれてくる森の中だからねえ、始まったのが。師匠の家もそこにあるし。今は友哉がいる山と繋がったけど、それだけだね。未だ周囲をウロウロしたりは出来てないよ」


 「私も同じ。このゲームってフィールドをウロウロして攻略していくゲームじゃないわよね。長旅に出るにしたって用意するべき物が山のようにあるし、簡単には町や村の間も移動できないの」


 「空腹度や渇水度があるから飲んで食べないと死ぬし、寝床の安全も確保しないと魔物に襲われて殺されるみたいだね。そんな事を掲示板に書いてる人が居たよ。何とか町や村に移動して全体的な地図を作ろうとしてるらしいけど……」


 「今それが出来るのは行商人ぐらい? 商人に弟子入りして教えてもらってるらしいけど、大変みたいねえ。私も商人スレとか読んでるけど、地獄の様相よ。とにかく移動の為の動物か魔物が必要なんだってさ」


 「おっと、これがイベントかな? 天使の星と悪魔の星に分かれて、敵の大将を討ち取る。……うん、普通に戦争だね。それも昔ながらの武士の戦かな? 天使の星の大将は実に大将らしい人物だ」


 「悪魔の星の大将は……あら? どっかで見た……ような? この子って珠のパーティーメンバーの子でしょ。何で珠じゃなくて、この子が選ばれたのかしら。何だか変ねえ……」


 「古代の悪魔だから、お披露目的に選ばれたんだろうって意見が大半だった筈。天使の星のプロゲーマーである仁王と普通に戦えてたから、誰も文句を言ってなかったけどね。自分だったら倒されてたかもしれないって意見は多かったよ」


 「おおー! 本当に古代の戦争みたいだ。武器を持ってのぶつかりあいで、切った切られたと騒いでいるのは何だか楽しそうだね。魔法も飛んでるのはファンタジーだけど……スキルとか使ってる子が居ないのはどうしてだい?」


 「まだ派手なスキルを習得してる人はいないんじゃないかな? 最初は見習い期間だし、見習いの間は使えるアクティブスキルが無いんだ。僕もやっと下級になったところだけど、今のところは普通のスキル1つしかないよ」


 「私も1つずつだけね。短剣は【速突き】に、鞭は【叩きつけ】だけ。自分で出来るから使わないのよ。スキルの方が若干ダメージは高いみたいなんだけど、自分でやった方が速いし効率いいのよね」


 「あ、あらぁ~……アレは酷いわ。股間を蹴り上げた後で踏み潰すなんて。情けも容赦もなかったわね。流石に……あーあー、集団リンチ? あれも酷い」


 「本当にタマって情け容赦なくやるわね。私達が前に居る時にこんな事をやってたなんて」


 「向こうが攻めてきたんだから仕方ないし、僕が悪い訳じゃないよ。何より殺し合いなんだから、容赦はしないさ。相手はプロゲーマーなんだよ?」


 「ああ、あれはプロだったのか。だったら、ってアレは駄目だろう。一騎討ちに横槍は……うんうん。それでいいぞ、珠。横槍を入れてくる馬鹿には、ああいうオシオキが必要だ。それにしても黒い波動とか飛ばしてて格好良かったな」



 どうやらPVには僕が暴れたところは入っていないらしい。シズからジト目がきてるけど、僕は晩御飯を食べるので忙しいんだ。だから相手はしないよ?。


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