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0063・ジャングルという環境




 6階は鬱蒼としたジャングルであり、ムワッとして暑い空気を強く感じる。肌がベタつくような熱帯雨林のような感じだ。階段の近くは乾燥していて涼しいのに、一歩入っただけで何故ここまで暑苦しいのだろう?。


 隔離されているんだろうか? まあゲームだからという一言で終わるし、そこまで細かい事にツッコミなんて入れないけど。それはともかくとして、【魔力感知】や【闘気感知】には既に反応がある。僕は誘き出す為、近くの地面から石を拾いぶつけてみた。



 「ブヒッ!?」



 どうやらオークだったらしい。何かが居るのは分かるが、何が居るかまでは分からないので、目視で確認するまでは分からない。オークは石をぶつけられたからか怒って出てきたものの、セナを見るや突撃してきた。



 ―――――――――――――――


 <オーク> 魔物 Lv14


 豚面ではなく猪顔の魔物。女性が居ると種付けしようと突撃する。そこにカウンターを入れるのが基本戦術

 尚、男性しかいないと舌打ちをして去っていく


 ―――――――――――――――



 「いや、まあ……気持ちは分からなくもないけど、そこまでかな? それに去っていくって事は、男のみだと戦わなくて済むって事だよねえ」


 「あー……鑑定か。気持ちは分かるけど、舌打ちして去っていくってなあ。後姿で勘違いしたナンパ野郎かよ」



 ああ、成る程。そんな感じのイメージね。気持ちは分からなくもないけど、勘違いされた方が何故か気分が悪くなる奴だ。それはそうと、ボッコボコだなぁ。


 セナに突撃してきたオークに対し、ドースが横から体当たり。派手に転倒したオークの頭にファルが狼牙棒を叩き付け、その後はストンピングの嵐だ。


 しかし思ってた以上にHPが高いらしく、結構粘られた。これは攻撃力を上げないと対処が辛いパターンかな? 今は若干様子見だな。


 オークを倒し終わったけど、ドロップしたのは<オークのバラ肉>だった。ちなみにボス戦では<魔石>しかくれなかったので、ボス戦と通常戦闘ではドロップする物が違うと思われる。



 「僕は<オークのバラ肉>だったけど、ユウヤはどうだった?」


 「俺の方は<オークのロース肉>だったな。……もしかして部位毎に落ちるのか、コレ? 欲しい肉があったら、ひたすらオークを倒せって事か。まあ、コトブキみたいに転倒させれば強くないからいいけど」



 再び反応があった場所に石を投げると「グォッ!?」という声があり、ガサガサと音が鳴って出てきたのはコボルトだった。この階層ではコボルトも出てくるんだなと思いつつ、良い事を考え付いたと思い、倒し終わった後に前に出る。


 そして【ダークウェーブ】を使うと、一気に魔物が出てきた。あれ、思っているより多いぞ? これって結構マズいかもしれない。とにかく僕が原因だし、ここは連発しておこう。【ダークウェーブ】、【ダークウェーブ】っと。


 一気に来た魔物と戦うんだけど、何かチラホラと見た事ないのが居るな。



 ―――――――――――――――


 <コボルト・ファイター> 魔物 Lv2


 戦士階級のコボルト。元のコボルトと違い格闘戦が得意


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <オーク・ソルジャー> 魔物 Lv3


 オークの兵士階級。武器を持っている事も多いが、大半は棍棒である。しかしその威力は高く、侮れない


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <イエロースネーク> 魔物 Lv5


 皮膚が黄色になったスネーク。それは毒が強くなったからだ。目立つ色ではあるが、今まで以上に警戒せよ


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <チキン戦士♂・下級> 魔物 Lv4


 チキン戦士の中でも見習いを抜け出した個体。更に大きくなった体とトサカは勇敢さの証


 ―――――――――――――――



 「この階にはオーク以外、進化個体しかいないね。そして進化してもドロップは変わらないオークよ。今回は<オークのスネ肉>と<オークのもも肉>に<オークの腸>だったよ。ソーセージにでも使えって事かな?」


 「俺は内臓なんて無かったぞ? <オークのランプ>と<オークのほほ肉>だった。コボルトの方は爪だったけど、チキン戦士と蛇も肉だし、この階ってもしかして肉が多い? ……プレイヤーマーケットに出して売るか。料理人連中に売れるだろうし、スキル上げに役立つだろう」


 「僕は持って帰るよ。師匠のスケルトン・クラフターには世話になってるからね。ウサギ肉とか持って帰った事もあるし」


 「あー、そうか。俺も師匠の所に持って帰ろう。お手伝いさんに渡しておけば何がしかの料理にしてくれるだろ。ヤギ肉にはちょっと飽きてるし」


 「クソヤギはヤギ肉ドロップするんだ。僕は一頭しか倒してないからか、何も出なかったよ」


 「あいつの肉ってドロップ率高くないんだよなぁ。そういう意味でもクソヤギでさ。本当に鬱陶しいんだ、アイツ」



 本当に面倒臭いヤツなんだなぁ。そんな話をしつつ、僕達はもうちょっと粘って戦う事にした。どうもこの階層にはNPCも居ないらしく、僕達は快適に魔法で釣って倒す事を繰り返す。意外だが、MP回復速度とモンスターのポップが合っている。


 その御蔭で多少溜まったら、誘き寄せて倒し結構なドロップを得た。



 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレネルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 いまだにネクロマンサーは何かが増えたりはしないね。あまりポンポン追加すると、他の職業と大きく差がつくからかな? 数の暴力は強いから仕方ないとは言えるけど、そろそろ追加してほしいよ。


 召喚モンスター達やユウヤと一緒に魔法陣に乗り、外へと脱出した僕達は、串焼きを食べつつ師匠の家へと戻る。ユウヤが居るからか、何故か盗賊に襲われる事もなく戻り、ユウヤは魔法陣で帰った。


 僕は師匠のスケルトン・クラフターに肉を渡し、残りの素材はプレイヤーマーケットに流す。師匠の家の中には誰も居ないようなので、僕は余った時間を使う為<屍人の森>へと行く。


 浅層で<澱み草>を抜き、それから中層へ。【浄化魔法】を使いつつ適度に戦い、夕方になると師匠の家に戻る。<澱み草>と各種の薬草を渡したら、夕食をいただいてからログアウト。


 今日はダンジョンに行ったりと、なかなか有意義な日だったな。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 8月10日 木曜日 AM8:10



 今日も朝の雑事を終わらせてからログイン。ソファーから起き上がり、皆に挨拶する。師匠のスケルトン・クラフターにも挨拶した後、ファルを朝食の手伝いに行かせた。ラスティアと師匠は普通に寝ているようだ。流石に2日連続で泥酔してなくて良かった。


 朝食が出来たので食べていると、ほぼ同時ぐらいに2人が起きてきたので挨拶。2人は起きてすぐに食事をしている。僕は無理だけど、出来る人は出来るんだよね。



 「昨日は何処へ行っておったのだ? シャルロットの弟子と何処かへ行っておったのであろう?」


 「昨日はユウヤと一緒にダンジョンへ行ってました。とりあえず6階まで行けるようになりましたけど、ジャングルだったので準備不足を痛感し、ある程度の戦闘をしただけです」


 「ふむ、ジャングルを突破する方法は様々あるが……とにかく自分の場所を見失わん事じゃ。それをするには……ま、ダンジョン街を見て回るがいい」


 「はい」



 どうやら師匠には心当たりがあるらしい。まずはダンジョン街を探すか。ついでに多少のお金は持っていこう。


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