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0588・第五回公式イベント その12




 結局本堂の中で時間を潰し終わり、僕は金色チームの控えの空間へと戻った。またもや武器が増えているので聞かれたが、五月蝿かった人はムスッとして黙ったままだ。おそらくまた何度か殺されたんだろう。



 「今度は江戸時代みたいな場所ねえ……。そんな所なんて一度も行った事ないし、何より昨日の段階では武器を手に入れたなんて書き込みは無かった筈。おそらくは2日目からのサプライズでしょうね」


 「ここの運営らしく告知無しなうえ、守っている敵が強すぎないかな? 彼でさえ苦戦するって、冗談じゃなくシャレにもならない。簡単には渡さないって事なんだろうけど、彼以外は誰も手に入れられない幻の品になるかもね」


 「あー、分かるー。そもそも弟君で苦戦するほど強いんじゃ、冗談でも何でもなく歯が立たないもの。私達のようなのが倒せるようには作られてない、もしくは集団で倒せって事かな? 倒した人が貰えるって感じで」


 「それならありそう。そこも取り合いだっていうなら、このイベント的にも納得だよ。それに案外チームで奪い合いをさせる為かもしれない。誰が手に入れるかは別にして、多くの人で奪い合いをしなきゃ無理でしょ」


 「そして途中でお仕置きモンスターが乱入すると。そのパターンがあり得そうで嫌すぎるから、私は近寄らないようにしようっと」



 やっぱり他の人も書き込みを見た事が無いみたいだから、やっぱり2日目からの物だったんだね。早めに見つけられて良かったよ。僕は既に3本も見つけたから、もうこれで十分だ。これ以上は持ち歩けないし邪魔にしかならない。短刀ぐらいなら平気だけど。


 他の人達は光の扉が出てきたので触れて移動していった。僕もいつも通り最後に移動しようと思ったら、まだ機嫌の悪い奴が残ってる。何をしてるのか知らないけど、早く移動しないかなぁ。



 「お前いつも最後に入っているだろう。今回はお前が先に行け!」


 「はぁ………まあ、いいですけど」



 もしかして僕が最後だから運が良いとでも思ってるんだろうか? そもそも実力がなきゃ意味ないだろうに、それも分からない程に追いつめられてるのかな? ま、いちいち面倒臭いから関わりたくないし、さっさと行こう。そう思って僕は光の扉に触れた。


 次の地形は……海岸? とはいえ最初の無人島とは違い、ここは岩場がゴツゴツしている海岸だ。ただし高くはないので磯と言う方が正しいだろうね。それはともかく、こんな所に隠された何かがあるんだろうか?。


 そう思っていたら、早速後ろに気配がした。どうやら誰かが転移してきたらしい。僕はすぐさま後ろを振り返り警戒すると、何故か先ほどの機嫌の悪いヤツだった。金色チームとして同じ場所になったらしい。



 「チッ! 最後で上手くいくと思ったら、お前なんかと同じところかよ。くそっ! ツいてねえな」



 それだけを言い、彼は適当に歩き始めた。どんな地形か分かっているからあんなに無防備なんだろうか? もし敵が出てきたらどうするつもりなんだろうね。むしろあんなに周りに気を配ってないんだから殺されても仕方ない気がする。


 ま、僕は彼とは逆方向に行こう。ああやって警戒心を持ってない人と同じ方向に行っても、向こうの危険に巻き込まれるだけな気がするしね。そういうのはお断りしたいところだ。


 僕はそのまま彼とは逆方向に歩きだし、管槍を右手で杖代わりにして歩く。今は手管の下を持って歩いているから、多少は音がするものの杖代わりに上手く使えてる。それなりに歩くのも楽だし、磯と言っても海に近くはない。


 そこまで近くには行きたくないし、近付いたら何かが飛び出してきそうなんだよね。最初の無人島に鮫も居たし、どう考えても水の中は危険だ。殺される可能性が高すぎる。


 周囲を見回しながらテクテクと歩いて行くが、どこかに洞窟があったりする訳では無いようだ。挙句にお仕置きモンスターも出てきやしない。他のプレイヤーも見かけないし、ここはいったいどうなってるんだろうか?。


 特に他のプレイヤーを見かけないのが不気味で仕方がない。もしかして皆は磯からもっと遠ざかってるのかな? 始まった場所がマップの端ギリギリとか……。可能性として無い訳じゃなさそうだ。ちょっと海から離れよう。


 僕は右に曲がって磯から遠ざかる。前方の遠くに山とか道路とか建物が見えているけど、どう考えても現代風だなぁ。ここはアレかな? 磯釣りスポットみたいなものなんだとしたら……お仕置きモンスターが分かるかと思ったけど、想像がつかないや。


 マーマンとかサハギンとか、もしくは空飛ぶ魚とか? 想像がつかないけど、とにかく道路の方へと歩いて近付けば「キャーーーッ!」何かが分かるだろうって思ったけど、早速か。


 僕は手管を左手で持ち、いつでも戦えるようにして歩き続ける。プレイヤー同士の争いなのか、それともお仕置きモンスターか。または守護しているモンスターの可能性もある。どれにしたところで……?。



 「黒いゴーレム!?」



 という事は聖人の人達か魔女の面々か、そのどちらかなんだけど……ちょっとマズいかも? 師匠だったら最悪だけど、他の人でも碌な事にならない。それにゴーレムともなれば、動きは遅いけど防御力は高そうだ。


 そんなゴーレムが暴れている場所に近付くと、プレイヤーがこっちを見て驚いた。



 「おーい、ネクロ氏が居るぞ! ネクロ氏ならこの黒いゴーレムが倒せるんじゃないか? ここは任せてオレ達は逃げさせてもらおうぜ!!」


 「本当か! なら任せて逃げちまおう! オレ達が戦っても殺されるだけだ。それなら逃げた方がマシだし、このゴーレム動きが早くないしな」


 「倒せるかと思ったら一撃で殺されっちまうしな。どれだけダメージ与えれば倒せるかも分からねえし、ここは任せて逃げさせてもらう。すまんが宜しく頼んだぜ!!」



 好き勝手な事を言って逃げて行ったけど、その所為で僕が戦う羽目になったよ。誰か知らないけど、聖人や魔女なのは確定……? 昨日の僕のようにプレイヤーの可能性は否定出来ないのか。


 ま、とりあえず誰かは置いておき、僕はゴーレムに対して管槍を構える。ゴーレムもまた僕の様子を見て構え、ジリジリと近寄ってくる。こんな移動速度が遅いアバターを選ぶなんて誰だろう?。


 昨日僕はなすりつけ合いだって言ったし、お仕置きモンスターに勝てない事も知っている筈だ。にも関わらず、こんな動きの遅いアバターを聖人や魔女の人達が選ぶだろうか?。


 リーチの長いゴーレムが殴りつけてきたが遅い。僕はさっと横にかわすと、ゴーレムの体に管槍を突き立てる。しかし「キィン!」と音がしただけで弾かれた。やはりゴーレムはゴーレムらしい。


 そしてコレだけの防御力をしていれば、素手では勝てない筈だ。僕の場合はちょっと違うけど、案外木箱の中の武器でも大したダメージは与えられないかもしれない。特殊なスキルが付いている武器じゃないし。


 ゴーレムがゆっくり動きながら僕を掴もうとするが、僕はゴーレムの右を抜けていくように背後に回る。そして膝に向かって槍を突き出す。



 「【嵐】!」



 その一撃は「ドッ!」という音がし、膝裏にひびを入れる事に成功した。更に膝裏に衝撃を受けたからか黒いゴーレムは前に倒れ、僕はその隙を逃さず膝裏を何度も突いていく。ひびに対して突きいれ、更に広げるように突いていると遂にゴーレムの膝が壊れた。



 「膝が壊れたってマジかよ!? コトブキ、その武器ズルいだろ!!」


 「えっ!? もしかして、ユウヤ!?」



 まさかのまさか。黒いゴーレムの中身はユウヤだった。ま、だからといって遠慮はしないんだけどね。


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