0055・ポイント交換とお菓子
2000年 8月7日 月曜日 AM8:37
昨日はイベント終了後、師匠やラスティアと話してからログアウト。アイテムなどとの交換は今日に持ち越していた。早速ログインしてアイテム交換のウィンドウを出す。ラスティアはまだ寝てるみたいだし、放っておけばいいや。
なになに………ポイント交換の中にアイテムだけじゃなくスキルがあるな。といっても簡単な物ばかりだけど。それでも取得し辛い人とかは取るんだろうか? 【剣術】とか【槍術】とか、他にも【伐採】や【採取】に【採掘】もある。
他にも【魔力操作】や【魔力感知】もある。しかし3000ポイントと猛烈に高いな。それでも取得する人は居そうだけど……僕は【採掘】のスキルだけでいいや。値段は700ポイントだ。高いけど、あんまり使い道も無いし。
―――――――――――――――
※スキル:【採掘】を習得しました
―――――――――――――――
装備品を見ていくも、別に欲しいと思える物は無かった。ポイント交換で壊れる物を取ってもねえ、それに修理代がバカ高そうだし。例えば水晶の剣とか格好良さ気だけど、嫌な予感しかしない。そもそもコレを修理できる鍛冶師は居るんだろうか?。
そんな事を考えながらカタログをスクロールさせていると、ふと気になるものがあった。それは【浄化魔法】だ。ナツが使える魔法だけど、確かアンデッドを祓う魔法だったような……。【回復魔法】もあるけど、どっちも2000ポイントする。
悩んだけど、ネクロの僕がポイントで得るなら【浄化魔法】だろうね。これをポチっと。
―――――――――――――――
※スキル:【浄化魔法】を習得しました
―――――――――――――――
さて端数は適当に……何故かあったお菓子と<浄石>というアイテムにした。浄化の力が篭もった石らしいのだが、語った瞬間ファルが喰いついたんだ。
しかたなく交換したら、早速自分に使ってたよ。どうやら召喚モンスターは浄化されないらしい。いや、むしろ何かを浄化した方が良いのか? 全員分交換するとポイントは殆ど無くなったので、後は細かいお菓子で終わりにする。その時、丁度ラスティアが起きてきた。
そして、それと同時に師匠のスケルトン・クラフターに呼ばれたので朝食に行く。師匠も居たので話を聞くと、どうやら朝の内に山と繋げてしまったらしい。庭に転移の魔法陣があるので、それを踏めば転移できるとの事。
「まあ、頻繁には使わぬじゃろうが、必要とあらば使え。向こうから来るかもしれんが、そこは気にせんでも良かろう。妾は温泉に行ったりと色々するので、コトブキも好きにせい」
「僕としてはいつも通り中層に行って戦闘するくらいですかね? イベントまでスキルの練習をしていたので、実戦の感覚が鈍っている可能性がありますから。山に行ってもいいのですが、それは後ですね」
朝食後、皆を連れて<屍人の森>へと入る。道中の<穢れ草>を抜いていき、浅層に澱んだ魔力を感じなくなったら中層へ。早速出てきた熊に石球を投げつけ戦闘開始。既にそこまで強い相手ではなくなりつつあるので、【浄化魔法】の【セイントバレット】を撃ち込む。
そう【浄化魔法】の初期魔法は何故か攻撃系だったんだよ。しかも仲間達は【浄化魔法】を撃っても気にしていない。<浄石>も使えたし、召喚モンスターは根本的にアンデッドとは違うのかもしれない。師匠は瘴気アンデッドに近いと言ってたけど、あくまでも”近い”と言ってただけだしなぁ。
まあ、仲間達が【浄化魔法】を怖れてないなら良かった。敵さんである骨の熊はメチャクチャ嫌がってるけどねー。やはりアンデッドに【浄化魔法】は良く効くらしい。ラスティアは驚いてるけど。
「何で【浄化魔法】が使えるのよ!? 昨日まで使えなかったわよね!?」
「騒ぐと魔物が寄ってくるから静かにね。昨日イベントに参加したでしょ、あれで得られたポイントで色々な物と交換できたんだよ。で、僕が得たのは【採掘】と【浄化魔法】。で、皆には<浄石>を渡した」
「ああ、召喚モンスターは擬似的なものだからね。だからこそ<瘴石>なんかを与えると駄目になるんだし。定期的に浄化してあげなさいよ、まだ覚えたばっかりでしょうけど。それはそうと、私には何も無し?」
「はい、コレ」
僕はチョコレートが3分の2ほど付いている棒状のお菓子をラスティアに渡す。商品名は○ッキーだが、コレがあるって事はコラボしてるかスポンサーなんだろうか? 他にもカ○ルや、とんがりコ○ンとかあったよ。僕はチ○プスターにしたけど。
ちなみに僕はポテトチ○プスよりは、チ○プスター派だ。そしてシズも同じなので、ウチではポテトチ○プスの方が見なかったりする。珍しいと友哉に言われた事があるなあ、本人は気にせず食べてたけど。
ラスティアがポッ○ーを食べているが、僕達は気にせずに戦う。何だか嫌な予感がするなー、と思いながらも真面目に戦闘を熟す。実は、イベント後のアップデートで実装されたものが幾つかある。
<善行度>や<悪行度>もゲームにはありがちなので、僕としてはどうでもいい。そこまで気にしないし。
僕? 何故か善行度が94で、悪行度は0だったよ。善行度が高い理由は、多分だけど赤ドクロの連中を始末したからだと思う、それと盗賊もだね。悪行度は……ちょっと分からない。別に犯罪とかしてないからだとは思ってる。
それよりも重要なのは、運営のマーケットが解禁された事だ。そこには何故か現実にあるお菓子が山のように販売されていた。スポンサー枠だとしても種類が多い。しかもゲーム内の通貨で買える。まあ、擬似的なお菓子なんだから当たり前だけど。
幾ら食べても太らないお菓子とか……コンビニスイーツもあるし、本当に嫌な予感しかしない。無駄なお金を使わせるの止めてよ?。
「このお菓子美味しいんだけど、何処の物? 天使の星のヤツ?」
「あー、うーん……まあいいか。それ僕達の元の世界のお菓子。運営マーケット? 神様マーケット? で販売され始めた。何故かは聞かないで、僕も知らない」
「はあ……コトブキの、つまり稀人の世界のお菓子ねえ……。ま、美味しければ何でもいいけど。他に無いの?」
「買えるけど、結構高いんだよ? その一箱で500デルもするんだからさ」
「たっか! でもかなり美味しかったし、そんな物なのかしらね? こんな紙の箱に入れないで売れば、もっと安く出来るんじゃないの?」
「それを僕に言われても困るよ」
世界観を壊さない為か、ポ○キーの箱は仕切りになっており、その中にポッキ○が直接入っていた。小袋の包装まで再現すると世界観が壊れるから仕方ないんだろうけどね。包装フィルムとかどうやって作るんだ? って話になっちゃうから。
僕はポイントを使い切るつもりで交換したチ○ルチョコを渡す。ラスティアにはこれで終わりだと言っておいたけど、人の話を聞いてないな。ちなみにチロ○チョコは薄い紙に包まれていた。キャラメルとかの包装紙みたいなヤツ。
「これさっきの黒いヤツと似た味がして美味しいわね。っと、それより前からスケルトン来てるわよ? 両方マジシャンじゃん、面倒な」
さっきからラスティアは戦わずに食べてるだけだけどね。それはそうと片方に【セイントバレット】を使ったら、簡単に倒れたな。骨熊は重くて無理だったんだろうけど、スケルトンマジシャンは簡単に飛ばせるみたいだ。
もう一体が【アースバレット】を撃ってきたけど、フォグの【アースバレット】がぶつかって相殺した。後は僕が【セイントバレット】をぶつけて倒し、ファルが棍棒で殴り潰したら終了。
最初に転倒させた奴は、セナがストンピングでとっくに倒し終わっていた。




