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0040・ラスティアのステータス




 「師匠、帰ってたんですね。確か魔女仲間に呼ばれて帰ってこれないって書いてありましたけど、何かあったんですか?」


 「家に取りに戻ってきただけじゃ、そうしたらコトブキとおかしな波動を感じたのでな。それで待っておった訳よ。まさかラスティアがおるとは思わぬし………ぷっ、お主弱くなっとるの?」


 「うっさい!! 大悪魔に封印されてこうなったのよ! 復活したら何一つ予想通りになってないし、あんたの弟子であるコトブキはいきなり石を投げてくるし!!」


 「で、負けて屈服して<所有紋>を付けられたのか? ……コトブキには教えておらん筈じゃがな? それは禁忌の一つじゃし、コトブキが知っているとは思えんが……」


 「大悪魔、あいつここまで考えて私を封印しやがったに違いないわ。おかげで<所有紋>を付けられて、高が魔人の使い魔に成り下がる羽目になるなんて。<狂性の悪魔>と呼ばれた私がよ?」


 「ふーむ。……大方、寂しがり屋のお主の為にワザとそうしたのではないか? そんな気がするんじゃがのう?」


 「ちがうし! 私、寂しがり屋じゃないし!! 皆と遊んでるだけだし!!!」


 「あーあー、分かった分かった。それはそうとコトブキよ、そなたネクロマンサー・下級になっておるな? ならば【瘴気変換】は使ったか?」


 「いえ、まだですけど……あのスキルに何かあるんですか?」


 「ああ。あれはの……なるべく使うな。<瘴石>を食わせれば回復させる事は可能じゃ。だがな、ネクロマンサーの使うアンデッドは瘴気アンデッドに近い。瘴気の塊ともいえる<瘴石>を喰わせ続けると……分かるな?」


 「瘴気に飲み込まれる……または召喚できなくなる?」


 「うむ、その通りじゃ。それならば素直に送還した方が良い。サモナーの召喚モンスターと違い、ネクロマンサーの召喚モンスターにはスタミナが無い。無限に動き続けられる故に、瘴気による弊害がある。気をつけておけ。そして、どうしても回復させなければいけないなら、コレを使うがよい」



 そう言うと、師匠は自分のスケルトン・クラフターに対し魔法を使った。スケルトン・クラフターの足下に魔法陣が現れ、そこから黒い光が立ち昇る。直ぐに消えたけど、何なんだろう?。



 「【ダークヒール】じゃない。アンデッドしか回復しない珍しい魔法。わざわざアンデッドを回復させる理由なんてないから、ネクロマンサー以外は使わない魔法ね」


 「まあ、そうじゃが。妾が使うたのに、ネタばらしするでないわ。コトブキよ、これは【闇魔法】の【ダークヒール】。これが唯一アンデッドを回復できる魔法じゃ、後は骨や腐った肉などで修復せい。それとラスティアがおるなら都合がよい、後はラスティアに聞け」


 「【闇魔法】ねえ……かつて使えたんだけど、今使えないのよねー。肉体が忘れてるみたいでさー」


 「お主自身が覚えていても、肉体が忘れておっては意味がないからのう。不死の者には付き纏う問題よ。コトブキ、よく覚えておけ。”そなたが覚えていても、肉体は忘れておる”事がある。死亡したら特にの。では、後はラスティアに頼む」


 「はいはい、知識としては覚えてるからねー。ま、使い魔として教えるくらいはするわよ。どうせ聞かれたら断れないし」



 そういえばラスティアの能力って確認してなかったな。今の内に確認して、どういう戦い方をするのか理解しておかないといけないね。出来れば役に立ってくれると助かるんだけど。



 ■■■■■■■■■■■■■■■


 <ラスティア>


 サキュバス・ダンサー・下級 Lv1


 ※能力


  力:9

 耐久:8

 魔力:10

 精神:10

 敏捷:14

 器用:14


 ※スキル


 【回避術・下級】【歩術・下級】【身体強化】

 【魔力操作・下級】【魔力感知・下級】【闘気操作・下級】【闘気感知・下級】

 【舞踏・下級】【魅了・下級】【誘惑・下級】


 ※装備


 所有紋


 ■■■■■■■■■■■■■■■



 うわぁ、強い。これだけのスキル持ってる相手によく勝てたな、僕。……これ、間違いなく最初からタコ殴りにしたから勝てたんだね。そうしないと無理だったと思えるようなスキル群だよ。回避に特化してる?。



 「何やってんの? ジーッとこっち見て。もしかして私に惚れちゃった?」


 「いや、能力を確認してただけ。ラスティアって弱くなってそれなんだよね? いやぁ、ボコらなきゃ絶対負けてたなと思ってさ。僕の判断は間違ってなかったね、それだけは胸を張って言えるよ」


 「ボコボコにされた方からすれば複雑だけどね。まあ、勝つ自信があったからこそ、ボコボコにされて負けて凹んだ訳なんだけど……」


 「そういや、ラスティアって武器スキルが全く無いんだけど、元々は持ってたの? それとも元々武器を使ったりせず魔法で戦うタイプ?」


 「魔法だけで戦ってたら魔力が幾らあっても足りないわよ。元々は鞭と短剣を使ってたの。私、元は踊り子と暗殺者を兼ねてたからね。だからこそ恐れられてたんだけど、今は完全に失われているわ。取り戻すのに時間が掛かりそうよ、【飛翔】もだけど」


 「ふーん……ねえ、別の武器を使ってみる気ない? せっかく僕の使い魔になったのならさ。そっち「コトブキ、昼はちゃんと食べておくんじゃぞ!」の、はい分かりましたー!」


 「うむ、それでは行ってくる。ラスティア、コトブキは没頭すると食事を忘れるのだ。注意してやってくれ」


 「あー、成る程。そういうタイプね。了解、了解」



 ラスティアがそう言うと。師匠は転移魔法でまた何処かへ行った。何処かは知らないが、とりあえずスケルトン・クラフターが作ってくれた昼食を食べよう。……ラスティアも食べるの?。



 「当たり前でしょうが。私はアンデッドじゃなくて、使い魔なのよ。普通に生きてるに決まってるでしょ!」


 「ああ、確かに! そう言われればそうだ。ゴメンゴメン」


 「まったく……!」



 僕はラスティアと一緒に師匠の家に入って昼食をとる。一緒に食事をとった後、スケルトン・クラフターに感謝を言ってログアウト。リアルへと戻り昼食をとったら改めてログイン。


 待たせていた皆に挨拶し、食堂のお金を持って家の外に出る。理由はダンジョン街に行く為であり、ラスティアの装備を整えに行く為だね。



 「まあ、流石に服しか着てないからねー。装備を買ってくれるのは良いけど、あんまり期待しないでおくわ。あんな僻地に住んでたんじゃ碌にお金もってないだろうし、鉄製ぐらいでいいわよ」


 「その鉄製でも高いんだけどね? 昔は沢山お金もってたんだろうけど、僕はそんな金持ちじゃないよ。そもそも僕は他の稀人と違い、お金無しで飛ばされて来てるし」


 「あらら、神も無茶な事をするわねー。……<暴虐のエンリエッタ>の下に飛ばすから、最初からお金を持たされてない? それって完全な罰ゲームよね」


 「師匠は古い時代、<暴虐>なんて呼ばれてたの? 今は<破滅>って呼ばれてるけど」


 「……今の方が悪くなってるじゃないの。あいつに何があったのよ……どうせ碌な事をしなかったんでしょうけど」


 「碌な事をしていないっていうのは、ある意味で納得するけどね。この国の女王に対して、この国を潰すとか言ってたし」


 「ああ、それぐらいなら普通にするでしょ。<暴虐>だし」



 どんだけなのさ、あの師匠。そんな古い時代から当たり前に国崩しをやると思われていて、今は悪化してる……と。


 あんまりこの件は深く考えないでおこう。考えると藪蛇になりそうだし、少なくとも今のところはメチャクチャじゃないし。


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