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0016・静との情報交換




 「レアアイテムも気になるけど、賞金首ってなに? もしかして新しいシステムか何か?」


 「分からないけど、ゼット町を出た後に盗賊に襲われたんだよ。その盗賊を倒したら死体が消えて、装備品とお金と首が残ったんだ。それをゼット町の衛兵事務所に持って行ったら賞金をくれたよ。倒した後に「おめでとうございます。賞金首の首を衛兵事務所に持っていきましょう」ってウィンドウが出てね」


 「へー……で、幾ら貰えたの?」


 「28万デル。そういや天使の国ではエルなのに、悪魔の国ではデルなんだよね通貨の単位。一応惑星ごとに分けてあるけど、プレイヤーマーケットはどうするんだろう?」


 「そこは相互交換の形にするんじゃない? 為替を変動性にしたら揉め事の元だと思うし。賞金首の事は分かったからいいけど、レアアイテムは?」


 「<幸運のウサギ耳>っていう、多分だけど運が良くなる装備だと思う。えーっと………ほら? 装備してるでしょ」



 僕はシズにスマコンを見せる。スマートコンピューター、略してスマコン。もはや生活必需品となり誰でも持ってる物だ。僕のは古い型の物だけど、これは安かったからで、半分は自分で出せと言われたから安いのにしてる。


 安いとは言っても型落ちだから安いのであって、危険な外国製の物じゃない。外国といっても危険なウイルスを仕込むのは近くの2国しかないけどね。あの2国製の物を省けば、後は安いので構わない。ちなみにシズも同じだ。


 このスマコンも最近は性能が頭打ちで、値段の割には性能が殆ど変わらない。幼馴染のお金持ち3人でさえ型落ちを使っているぐらいだ。この傾向は世界的に変わらないらしい。一昔前は十数万円もしたらしいけど、今や新作でも6万円台。


 僕とシズのに至っては、9800円の物でしかない。これで十分なんだから、ありがたい限りだよ。無駄なお金なんて出したくないしね。


 おっと話が逸れた。スマコンでは<レトロワールド>と連動させられて、ちょっとしたステータスや画像に動画は保存できる。そして僕は幾つかを既に保存している。シズや他の3人が見せろと言ってくるのは分かっていたから。



 「あれ? この女の子ゾンビ? その割には体が「ただいまー」綺麗なんだけど、おかえりー! プレイヤーが召喚したゾンビって綺麗なの?」


 「ただいま、珠、静。……それはなんだ? 女の子?」


 「これは今シズとやってるゲーム、<レトロワールド>の仲間? かな。召喚モンスターだけど、2人目に呼び出したゾンビ。僕はネクロマンサーだから」


 「ネクロかー……その割にはホラー的な見た目じゃないんだな? 父さんが若い頃はやたらにリアルで吐きそうなくらい臭いゾンビが普通だったのになー、変われば変わるもんだ……いや、古くなってる?」


 「最近のゲームは<原点回帰>がトレンドなんだって。それより臭いからお風呂入ってきてよ。ママじゃないんだからさー」


 「おお、すまん、すまん。とりあえず風呂に入ってくる!」



 そう言って父さんは風呂に行った。綺麗にしてるから問題ないし、この時期は僕達はシャワーだから問題無い。これが冬場ならどっちが先かで五月蝿いんだけど。父さんの後が嫌なら洗えば良いのにね? ボタン押せば洗ってくれるのに。



 「それにしても破れた服しか着てないし、これはどうかと思うんだけど? せめて何かの服を着せてあげなさいよ。ポロリは無いけど」


 「そんなお金は無かったんだよ。賞金もらってすぐに師匠の家に戻ってログアウトだったし、それまでは極小魔石をチマチマ売ったり、ウサギ肉やネズミ肉を売って何とかだよ? まさか鋲付きのサンダルが2000デルもするなんて思わなかったよ」


 「鋲付きのサンダル? ……見たような気がするけど、何でそんな物買ったのよ?」


 「僕のメインの敵はスケルトンとゾンビなんだ。で、この2体は転倒さえさせれば、後はストンピングでタコ殴りに出来るんだよ。相手を起き上がらせず倒せるから、足裏の攻撃力を確保したかったんだ。ようするにハメ殺しの為に買ったんだよ、後グリップ力も強くなるし」


 「言いたい事は分からなくもないけど、こっちはスライムと犬なのよねー。近くの森にはゴブリンとフォレストスネークが出るけど、こいつら厄介なのよ。不意打ちで襲ってくるし」


 「【魔力感知】を使えば敵の居場所は分かるよ。【闘気感知】でも分かるけどね。たぶん両方使えば良いんじゃない? 師匠は魔力を誤魔化す奴は多いって言ってたし」


 「成る程ね、そんな方法があったんだ。だったら森でも何とかやっていけるかな? ゴブリンはともかくフォレストスネークと、森に生えてる薬草がお金稼ぎの元なのよね。【植物鑑定】ってスキルも覚えたし」


 「えっ!? そんなスキルあるの? ………総合的な鑑定スキルじゃなくて、それぞれの種類の鑑定系スキルって形にしてあるのかー。どうりでベータの時に見つからない筈だよ、一つ一つに分かれてる知識系のスキルだったなんて」


 「私の場合は師匠の家にある本を読んでたら覚えた感じね。テイマー系の本を読んでおけって言われたから読んでたんだけど、暇だったから他の本にも手を出したら手に入ったの」


 「うーん、明日からはサブの職業レベルを上げようと思ってたんだけど、ちょっと方向を変えた方が「何コレ!?」いいかな?」


 「タマ! あんた称号持ってるじゃない! いったいどうやって取ったのよ!? 教えなさいよ!!」


 「ああ、それ? こっちに気付いてないモンスターに石を思いっきりぶつけたら、不意打ち判定で一撃で倒せたんだ。その時に2つとも手に入れたんだよ。たぶん同じ事しても手に入らないと思うよ?」


 「流石に【卑怯者】とかいうのは嫌だから取らないけどね。とはいえ、効果としては良さ気なのが何とも言えない感じ?」


 「そう、何とも言えない。【卑怯者】の効果範囲が無駄に広そうなんだよね。卑怯な行動全ての効果が一割上昇だし。不意打ちもハメ殺しも一割上昇しそうなんだよ、そこが何とも言えない……」


 「とはいえ名前「ただいまー」何て気にしてたら、おかえりー! ゲーム出来ないしね。タマの事だから気にせず、むしろ利用するでしょ?」


 「まあね」


 「あれ? 源くんお風呂? じゃあ私も入ってくる! これ夕飯のお買い物ね、後よろしくー」


 「ちょっと! お風呂汚さないでよ、次は私が入るんだから!! ………あーもう、お風呂でイチャイチャするの本当止めてほしい。変なっていうか、アレの臭いが篭もるのよね。なのに気にしてないし」


 「父さんは気にするし、休みの日に綺麗に掃除してたりするけどね」


 「ママはねー、ヤったらヤりっぱなしなのよ。よく私の事バカって言えるわよね? 言ってる本人は一年中色ボケしてるじゃないの。だいたい娘の前で、あのプレイが良かったとか、このプレイはイマイチだったって言う? 普通はありえないでしょ?」


 「僕は言われた事無いから何とも言えないね」


 「タマに言う訳ないじゃん、女性から見てどうこうって話なんだし。たださ、まだ経験の無い娘にそんな事を話す母親ってどうなの? って思うわけ」


 「とはいえ、それが母さんって言えば終わるんだよね」


 「まあ………」


 「それはともかく、今日の夕飯はオムライスみたいだから手伝ってよ。どうせ大きいのが良いんでしょ?」


 「おお、久しぶりのオムライスの日! もちろん大きいオムライスが良いに決まってるじゃん! 流石タマ、愛してる!」


 「はいはい、軽い愛だねえ。とりあえずケチャップライスを先に作ろうか?」



 シズが大きいのはいつも通りとして、父さんも大きいのにするだろうから、ご飯足りるかな? ま、とりあえず作っていくか。


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― 新着の感想 ―
せっかく楽しく見てたのに急に作者のネトウヨ思想出すのやめて
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