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アグロンド王国物語-妖精国家の英雄譚-  作者: ガーレ
第1章-アリス編-

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12/15

第12話-星座-

 ここが一番矛盾を起こしそうで怖い。定期的に弄る可能性大です。

 魔法とは、アトゥス教の12の星座から力を借り受けることで発現するもの、らしいわ。昔、学院の教養学講義でそう学んだ記憶がある。とはいえ私はドレイツ教徒だし、そもそも妖精種は魔法が使えないからあまり興味もなくて、正直なところよく覚えていない。当時、魔法使いに対して嫌悪感こそあれど、それと戦おうとか、ましてや仲間にしようなんて思っちゃいなかったから、私の魔法知識はほぼ素人と言っていいわね。

 でも、これからは「バルバリア魔法戦線」のボスとして、それから私自身の身を守るためにも、魔法を使えないなりに知識だけでも復習……いや、1から勉強していかなきゃな、なんて思っている。


 ひとまず、私が見たことのある魔法をここに書き記しておくわ。12の星座は4つのエレメント(火、水、風、地)と3つの階層で分類する方法があるらしいから、それに沿って纏めるわね。




・獅子座(火、第1階層)

 炎を発現させる魔法

 など


・蟹座(水、第1階層)

 水を発現させる魔法

 魔力探知魔法

 通信魔法

 など


・双子座(風、第1階層)

 風を操る魔法

 など


・牡牛座(地、第1階層)

 岩石の生成魔法(土は作れない)

 鉱石や宝石の生成魔法

 隆起魔法

 防御魔法

 治癒魔法

 切断魔法

 など


・牡羊座(火、第2階層)

 俊敏魔法

 など


・魚座(水、第2階層)

 貫通魔法

 結界魔法

 など


・水瓶座(風、第2階層)

 肉体強化魔法

 など


・山羊座(地、第2階層)

 翻訳魔法

 真偽判定魔法

 など


・射手座(火、第3階層)

 落雷を起こす魔法

 演算魔法

 など


・蠍座(水、第3階層)

 結界空間魔法

 など


・天秤座(風、第3階層)

 動力魔法

 など


・乙女座(地、第3階層)

 不明


・特殊

 妖精種の羽

 占星術




 そして、私たちの「バルバリア魔法戦線」4将や彼らに率いられる隊員たちは、ジョンによると、それぞれの得意魔術がエレメントと対応している、らしい。カリンは火、ルーナは水、カルロは風、ジェファーは地、といった具合にね。

 だから、作戦の細かなところは皆がそれぞれ上手く噛み合うように立てなきゃいけないんだって。


「ああ、無理。頭痛くなってきた。私の頭の成長は14歳ごろがピークだったのかしら……」


 ついさっき、私はジョンとジェファーが作戦会議をやっているところに聞き耳を立てに行ったの。彼らが行き詰っている時に、解決策を引っ提げた私がバーンと登場したらかっこいいかな……なんて。結果は、うん、さっぱり何言ってるか分かんなかった。

 とにかく、ウェスーク国の城に攻め入るのではなく、まず最初にサスーク軍を迎え撃つのは確定事項のようね。まあ、いいわ。ジョンが私のことを一番に思ってくれているのは分かったから。私の復讐も気長に、ゆっくり、やっていこう。




――――――――――


「え……」

「ッ!? ボス、なぜここに!」

「い、いやああああああああああああああ」


 今日、サスーク国の徴税官がワルハムにやって来るなんて知らなかった。

 徴税官たちは私たちの拠点の門を潜り、ワルハムの領域に足を踏み入れた瞬間、カリンに首を刎ねられた。門の横に咲く綺麗なお花を摘んでいた、私の目の前で。

 人の首が飛ぶ瞬間を、まじまじと見てしまった。血しぶきを被った。きっとこの出来事は、私のトラウマとして残ってしまうのだろう。


 この日から、組織は以前よりももっと厳しい厳戒態勢に入った。拠点外でルーナに同行することは禁じられ、砦の外に少し出るにもカルロかカリンの護衛をつけるようになった。


「こ、今週の、報告会議を、始めるわ。……集まりなさい」


 この週の「祈りの日」前日の夜。私はいつも通りに週ごとの報告会議を始めようとした。声の震えが隠し切れないくらい止まらなかった。

 徴税官を殺されたサスーク国の懲罰部隊がいつ攻撃してくるかは分からない。警戒に当たっているルーナは来れなかった。結果、この日は5人での開催となった。


「アリス、無茶しなくていいんだぞ」

「わ、私は、ぼ、ボス、なんだから。今無茶しなくて、ど、どうするのよ」

「気負い過ぎるなよ、ボス。この僕だって恐怖しているんだからさ。……僕には剣の才能がないから、近づかれたら死ぬしかないからね」


 ジェファーは自らの首に杖を突きつけながら笑う。不器用ながらも、私を安心させようとしてくれているんだわ。彼は後衛よ。私にかけてくれた言葉は決して嘘じゃないんだと思う。だけど、彼はこうは言いつつも、バルバリア島奪還という大義のため、そして、自らを慕ってくれている隊員のためなら死を前にしてでも戦うんでしょうね。


「ボスァ初めての戦なんだろう? そんなの怖いのは当たり前ェだ、強がんじゃねェ」


 そうやってカルロは大きな手でバンッと私の背中を叩いてくれた。彼はいざとなったら、敵が居なくなるか、もしくは自分が死ぬその時まで剣を振るうんだわ。前衛としてこの組織にいる彼には、きっとその覚悟がある。


「なんだよカルロ、お前だって怖いんじゃないのか」

「カッコつけた軟弱者には言われたくねェよ!」

「「はははははは――」」

「がっはっはー」

「カリン!?」

「いえ、その、彼らみたく豪快に笑ってみたいなー、なんて、思ってしまったのです。もう、私は血で汚れてしまっておりますので」


 カリンがそんな笑い方をするなんて、初めて見た。


「カリンは――」

「初めてでしたよ。あの時が」

「え」

「私にとって、元々剣は気高さ、美しさの象徴であって、殺しの道具ではありませんでしたから。それに、名誉職である『教会騎士』に、戦場に出る機会なんてありませんよ」

「バルバリア島から逃げた時は――」

「確かにその時は教会騎士も戦ったみたいですね。でも、その頃の私はまだ、ただの幼い子供です」


 ハッとした。私とカリンは同い年だった。


「私はムー島の教会で初めて剣に触れました。騎士の位を授かったのは、学院で勉学に励みながらのことです」

「天才、なのね」

「そんなことはないと思います。私だって、吐き気を催したり、涙を流しながらこれまで生きてきました。本物の天才というのは、ルーナのような者のことを――」

「それは違うわ!」


 私はカリンの言葉を遮った。私には分かる。あの日、あの目を見てしまったから。


「きっとあの子は、見た目には想像もできないものを背負ってる」

「……一番仲のいいボスがそう仰るのなら、きっと、そうなのでしょう」


 3人と話したことで、私は少し落ち着きを取り戻せた気がした。

 私はジョンの目を見る。目が合うと、彼は頷いた。


「敵に相対するプランを3つ用意した。まずは、今までの演習通りに正面から戦闘を行うプランA。次に、敵の数があまりに多かったり、想定外の戦法を取られてプランAでは対処が困難である場合、持久力のあるカリン隊を陽動に使って時間を稼ぐプランB」

「そ、それって――」

「話している途中だ」


 つい口を挟んでしまった。プランBではカリン隊に多くの犠牲が出てしまう。もしかしたらカリン自身も……。


「拠点を完全包囲され籠城、正面からの勝利が絶望的な場合、一か八かルーナ隊を先頭に奇襲で突破、ムー島へ帰還するためひたすらに北側海岸を目指し進軍するプランC。そして――」

「ジョン……あんたプランは3つって言わなかった?」


 嫌だ、それ以上は聞きたくない。


「もし、最悪、何の抵抗もできず4隊が全滅の危機に直面した時、残存戦力だけでどうにか大陸に逃げ延びることを目指すプランZ」

「……」

「「「……」」」

「――以上の、『3つ』だ」

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