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心無き少年は悲劇を謳う  作者: 西村暗夜
2章 黄昏のワルツ
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事後の平穏

あれから、2週間が過ぎた。

この期間俺はずっと業鬼の討伐をし続けていた。

「終ワリダ!」

相手が剣へと形を変えた腕をこちらに伸ばし、心臓へと突き刺そうとしながら、そう叫ぶ。

「終わりはお前だが?」

その腕を両手のナイフで弾き、靴の裏に仕込まれていた仕込み刀で切り付ける。

仕込み刀は業鬼が元々心臓を宿していた部分を切り裂き、敵の命を奪い取った。

「…弱いな」

消えゆく業鬼を睨みながら、俺は1人そう呟いていた。


―――まぁいい、弱いのなら俺も苦労せずに済む


そんな風に思いながら、俺は自身の家へと歩み始めた。


―――それにしても、この間の男が現れてから、色々とおかしくなったな。

俺に一部の感情が戻ったのも、業鬼が一段と弱くなったのも、全部あいつが現れてからだ。

偶然か?それとも、あいつがなにかしたのか?


「痛っ」

考え事をして周りに気を使ってなかったからか、俺は1人の男にぶつかってしまう。

「すいません、お怪我は…」

「いや、こちらこそ不注意だった…」

互いに目を合わせると、そこには先日戦った白髪の男が立っていた。

「っ!!」

俺はすぐさま後ろに飛び退き、ナイフをポケットから出した。

「待て待て、今はお前と戦う気は無い。だからそのナイフを仕舞え」

男の拍子抜けな言葉を聞き、俺は何となくナイフを仕舞った。

「…なんであんたがここに居るんだ?」

「買い物だ」

そうか、買い物か、ならここにこいつが居るのも納得。

「出来ねぇよ…」

と、自分の中の自分と会話してしまうくらいに俺は混乱していた。

「買い物って…。いやまぁ、確かに生きる為には必要だが、ここら辺にはもう売り物を売れるような店なんてないだろう」

俺が呆れたように言うと、男は不思議そうに首を傾げた。

「?、あそこの通りに食料品やら日用品やら扱ってる店が前からあるんだが、知らんのか」

男はそう言って、分かれ道の自身の来た道を指さした。

「知らなかった…」

「ふん、なら知れてよかったな」

そう言って男は俺が来た方向へと歩いていった。

男の言葉が気になった俺は、男の指さした方向へと行き、その店を探した。


それからしばらくして、本当に店を見つけてしまい、俺は衝撃を受けたが、その店の品揃えと値段を見て落胆した。

正直、美那里の店の方が事前注文ということもあり、使い勝手が良かったからだ。

その上、この店は殆どの商品が美那里の店の倍近くの値段だった。

とりあえず、俺はあの男を少し気の毒に思いながら家へと帰った。

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