侵入
菊葉「あぁ。そうだな。行くか。」
唯と菊葉は城壁の門のところまで来た。
唯「あのね、唯の霊化ノ魔法は、制限時間があって100秒。つまり1分40秒なの。」
菊葉「OK それを考慮してってことか。分かった。」
唯「ありがとう。じゃあ行こう。」
菊葉「まず門の向こうの城を目指す。」
唯「OK 霊化ノ魔法」
菊葉「状態変化ノ魔法,気体化」
【状態変化ノ魔法,気体化…目を凝らせば見える範囲の少し曇り掛かった薄い霧のような状態】
唯はすり抜けて、菊葉は隙間を縫って城の中へ潜入した後、王国兵がいないことを確認して二人とも魔法を解除した。
唯「潜入成功っと。まずは、城の構造を調べないと。」
菊葉「いや、王国兵がぞろぞろと集まって来てる。」
唯「何人くらい?」
菊葉「ざっと15人だな。やるか。」
唯「うん。霊化ノ魔法,憑依」
【憑依…人限定。範囲は 半径50m内。対象の相手の魂を追い出す。解除後は一瞬で肉体に戻る。戻ったら、憑依された相手の魂も元に戻る】
王国兵「消えた!」
唯は王国兵に憑依した。
王国兵は持っていた槍で周りの王国兵を倒した。
菊葉「なかなかやるじゃん。負けてられんな。 状態変化ノ魔法,気体化」
菊葉は気体になり、王国兵の体に侵入した。そして、
菊葉「個体化」
【個体化…実体のある状態(つまり普通の状態)】
その気体を吸い込んだ王国兵の内から攻撃した。
菊葉「悪いな…」
唯「組み合わせでそんなことが…」
菊葉「先へ急ごう。」
唯「待って!唯の憑依した人から情報を聞こ?」
菊葉「倒してないのか。でも丁度良かった。」
菊葉はその王国兵に尋問した。
菊葉「つい最近捕らえたばかりの少女は何処にいる?」
王国兵「ち、地下の牢で監禁しているはずだ…」
菊葉「この城の地図は何処にある?」
王国兵「三階の管制室にある…」
唯「この人を連れていって。唯が憑依するから。」
菊葉「分かった。」
二人は王国兵を引き連れ管制室に着いた。
唯「部屋の何処にあるの?」
王国兵「左の机の上にある。」
唯「OK 霊化ノ魔法,憑依」
王国兵に憑依した唯は地図をとって帰ってきた。
菊葉「今回のところは戻るか。」
唯「だね。」
菊葉「こいつは?」
唯「気絶程度でいいと思うよ?」
菊葉「はいよ。」
菊葉は王国兵を気絶させ、行きと同じ方法で帰り、合流した。
京夏「お疲れ様」
唯「はい、城内の地図。」
悠希「取ってきたの?」
唯「うん。」
京夏「分かりやすくて、最高だ。」
菊葉「作戦を立てないとな。」