表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恒星未来伝―Protect Your Eterein―  作者: くろめ
別世界からの来訪者
40/64

その1 怪しい旅人

  ☆★☆★☆


「これら一連の流れにより、私はここにいるのですよ」


 その「如何にも占い師」と言わんばかりの格好では、逆に怪しいなとしか思えなかった。

「夢空さま。占いが当たっているとすれば、貴女達の身に、何があるかだって分からないのですよ。私も全力でお手伝いしますから、何卒、私をこの家に留まらせてください」

「そんなこと言われてもなぁ……」


 土曜日の午後三時。

 姉は今、部活(多分野球部)の応援を終え、帰宅の最中のはず。さっきメールが届いたからわかる。

「私はお家の主人じゃないもの。勝手には決められないの」

 それに、女二人が住む環境に、少年とはいえ男を泊める訳にはいかないから。

「そうですか……」

 落ち込んでいるような素振りを見せるソプラテスさん。黒のローブを身につけていても分かる長くて銀色の前髪が、垂れ下がっていた。

 その目が潤んでいるのを見て、私は少しだけ、可哀想に思えてしまった。怪しい人に対してだって、慈悲ぐらいは持っていてもいいじゃない。

 でも私達の家には泊める訳にはいかない。うーんどうすべきだろう……。

「ガシャン、バン、ただいまー」

「効果音付きなの!?」

 姉が帰宅した。そして私はツッコんだ。反射的に。ガシャンと何を割ったのか。

 距離が遠いから、声が届いたかは分からないけれど。

「お姉さんが帰宅なさったんですね」

「そうだよ。ほんのちょっと癖が強いけど」

「ほほう、それはそれは……」

 それから少々の間を置いて、姉がリビングに入ってきた。

「やっほーい、お姉ちゃんが帰ってきたよぉトモリちゃあああん!」

 帰ってくるなりいきなり飛び付かれて、抱きしめられる。これはいつもの光景だけど、お客さん(という表現が適切かは分からないけれど)が来ているのだから、少しは自重をしてほしいと思う。嬉しいけど。

 ああッ、変なところは触らないで。

「不思議なお方ですね。お姉さんは……」

「えーと……だあれ?」

 ソプラテスさんの存在に気づくと、わたしは解放された。そして、姉にこれまでの経緯やら何やらを掻い摘んで説明すると、直ぐに納得してくれた。

「トモリちゃんの彼氏じゃなくてよかった! びっくりしたっ!!」

「さ、流石にそれはないよっ!」

 勘違いも甚だしいよ。

「確かにトモリさまは美人ですが、私の好みのタイプではありませんので、無問題です。」

 そんな言い方をされると、心に棘が刺さるかも。私だって女の子。好みでないと言われることのショックは、男の子よりも大きい。

「まあどっちにしてもあたしは~トモリちゃんを~、渡さなーい!!」

 この話し方にムッとする人も多い。私は好きだけど……ソプラテスさんがどう感じるかがわからない。

 少し心配になりながら彼の方を見ると、笑ってた。ちょっとだけ安心。

「それでー、ソプラテスさん下宿先を探しているんでしょう??」

「はい。貴方たちに関係があることでしょうから、できればこちらにと思ったんですが……」

 姉は「うーん」と考え込み、辺りを忙しなく動き回って、やがて閃きを口にする。

「お父さんが今居ないからねー……。今忙しいだろうし、帰ってこないだろうしー。この家は無理かなぁ」

「やっぱりですか……仕方ないんでしょうけど、残念です……」

「まーだお話は終わってないよ~。でさ、あたし思いついたんだけどさ。ルイくんの家は?」

「ルイさんの家……」

 その手は考えていなかった。あのお家には、居候のベガさんもいるし、丁度いいかもしれない。でも、果たして許してもらえるかな。

「善は急げって言うでしょ! 行ってみようよ!!」

 懸念を告げると直ぐにパッと返ってきた。

「ああ、私なんかのために、ありがとうございます……」

 いいんだよ、と元気よくお姉ちゃんが言う。

「……あ、先にお家のこと済ませちゃうね」


 その後、洗濯、風呂溜め、皿洗い、掃除……を出来る限り済ませて、私たちはルイさん……夜天家を目指して出発した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ