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リーングラードの学び舎より  作者: いえこけい
第一章
31/374

戦いの神ルーカンの名において我らはここに乞い誓う

 キャラバンがやってきて二日目。

 そんな中でも授業は通常通り、行われた。

 いつもと違うのはキャラバンで不埒をしないようにと生徒の監視をする仕事が増えたくらいだ。


 もっとも教師も教師で、キャラバンを楽しんでいる節がある。

 この学園に居る間、あまりお金を使わないこともあってキャラバンは良い買い物チャンスなのだ。


 もちろん自分も哨戒任務中、キャラバンで金属類や紙類を大量買いしてしまいました。

 全て術式具の材料になるものばかりだ。

 暇な時間……、は、ほとんどないものの設計はできるようにと紙類は確保しておかないと、と、思いついた時には購入していました。

 そのあと、金属が無ければ作れないなー、なんて考えていたら金属も大人買いでした。

 普通のキャラバンにはさすがに純金属の延棒なんて置いてないはずなのですが、このキャラバン、錬成の授業でも使うと見越して金属、宝石類まで完備しているという。


 ロラン商人の腕に、心底、震えた瞬間でした。


 さて、引き続き哨戒任務中ですが妙に周囲が慌ただしいです。

 自分を見つけた瞬間、キャラバン連中は大急ぎで周囲を開けていく。

 あれ? なんか避けられている?

 そう思った時には、もう目の前に見知った顔が現れていました。


「ロラン商人とクライヴさんですか。どうしました?」


 むしろこの現状はどうなんだ? と聞くつもりの言葉。


「ヨシュアン先生、こんにちは」

「こんにちわ。で、この過剰な演出はなんでしょう? 何か始まるんですか?」

「はい。クライヴさんとヨシュアン先生が一騎打ちなさるそうで。こちらも準備させていただいているのです」

「はい?」


 クライヴを見ると、無表情に闘志を燃やしている。ダメだこいつ。説明にならん。

 ロラン商人を見ると困ったような笑顔だ。


「ヨシュアン先生が会議室を抜けた後、クライヴさんが興行として学園教師と冒険者の試合を見せたらどうだ、と提案してきたのです」

「そうですか」


 笑顔でした。今世紀最高の笑顔です。

 アハハーと笑い合う自分とロラン商人。


「笑い事じゃないでしょう、何考えてるんですか?」


 消してしまおう、この団長。


「……あくまで試合だ」


 しれっと言い放つ美形を殴り倒したいです。


「こちらは剣で、そちらには特に制限はない」


 あー、それなら確かにお互い手加減だろうなぁ。

 この美形騎士、槍使いなので剣を使うことは手加減と同じ意味がある。

 しかし、その剣術ですら普通の騎士三人前なのだから実力によっては手加減に見えないだろう。


 問題は手加減とかそういう理由ではないことです。


 自分から見世物になるほど決着に飢えている……、だけならあの学園長は納得しないだろうな。

 別の意図があるはず。


 自分とクライヴさん、こうして人前で戦わなければならない理由。

 勝敗に理由を持ちこむほど、不安定な策に賭ける状況ではない。

 では戦うこと自体に理由がある、というところか。


 ロラン商人の狙いはこの興行を試金石にキャラバンの名声をあげると同時に、学園への信用性をあげるつもりなのだろう。

 商人であること、というのは非常にわかりやすいのだ。


 一方、学園長の意図は……、これが読めない。

 思惑がわからないまま、流されるのは非常にまずい。

 さほどの害は無くとも、自分自身を利用されるのは良くないのですよ。自分、これでも戦略級術式師の自覚がありますからね。

 無自覚のまま虐殺なんていうのは避けたいのです。


 それがクソむかつく騎士団の団長であってもです。高潔すぎる自分にクラクラしそうです。


「ありー? ヨシュアン先生じゃん」


 視線が多すぎて気付かなかった。

 振り向くといつの間にかマッフル君とクリスティーナ君、そしてリリーナ君がいた。


「なになに? 先生、どうしたの?」


 マッフル君の悪びれない質問に、自分も曖昧な顔を返す。

 クリスティーナ君がひょいっと自分の向こう側を見て、小さく驚く。


「……騎士団のクライヴ・バルヒェット様!」


 どうやらクリスティーナ君はクライヴさんを知っていたようだ。

 まぁ、王族だしね。それなりに宮廷内での噂話やイケメン騎士の話題にも聡いだろう。


「クライヴ・バルヒェットって毎年の闘技大会の優勝者じゃん」

「様をつけなさい愚民。騎士の中の騎士でいらっしゃるのよ」


 鼻息が荒いクリスティーナ君に、マッフル君をたじろいてる。

 というか一発でバレましたねクライヴさん。


「若くして騎士勲章を戴き、タラスタット平原の変では国敵であるウィンスラットを討ち取った勇士であらせられるの! 貴方、そんなことも知らないの? ゆくゆくは【タクティクス・ブロンド】に並ぶ最高の称号【グラン・ブルー】を戴くことを約束された誉れの騎士様なのよ!」


 クリスティーナ君の顔は夢見る乙女のソレだった。


 ちなみにそのウィンスラット卿の罪状は王国反逆罪。

 先代王を暗殺した疑いにより、後の十年地獄の幕開け、タラスタット平原の変が起きるのでした。

 そして【グラン・ブルー】ねぇ。現在、空位だっけ?

 【タクティクス・ブロンド】と違って表に出てこない飾りみたいなもんだから、あんなにあっさり殺されてしまったわけだけど。

 まぁ、名誉職の最上位としては機能しているんじゃないかと個人的に思います。


 しかし、詳しいじゃないかクリスティーナ君。

 その勢いで低迷しがちな暦学の勉強も頑張ってもらいたいものです。


「ふーん。カッコイイのは認めるけど好みじゃないし」

「趣味の悪さが露見しましたわね。女性ならば皆、クライヴ様に憧れて当然というのに」

「男ってのは飾りじゃないって母さんが言ってたし、あたしもその通りだと思うだけ。大体、届きもしない気持ち抱いたって無駄じゃん。自分にあった相手が無難でしょ」

「貴方のような下品で下劣で趣味の悪い人はさぞ悔しいでしょうね。でも、私は王族でクライヴ様と並んで立つにふさわしい美貌だから確かにその通りよね。自分に合った相手がふさわしいものね。くぷぷ」

「頭の中までフリルでできてるヴァカに趣味云々言われたくないんだけど? あんたにお似合いなのは頭の中がお花畑で出来たデブ貴族くらいよ」

「なんですって?」

「なんだよ? あ?」


 君たちは仲が悪いのに、どうして一緒に買い物に出てきてるんですか。

 何? 実は仲がいいの? 喧嘩するほど仲がいいのを地で行ってるの? はた迷惑極まりない。


「ここでリリーナ君、一言」

「蓼食う虫も好き好き、であります」


 クリティカルな答えだった。


 怪鳥のポーズを取るクリスティーナ君。

 迎え撃つボクシングスタイルのマッフル君。

 既に臨戦態勢を取ってお互いを牽制しあっているマッフル&クリスにゲンコツを決めて、自分はクライヴさんに向き直る。


「だ、そうですよ。クライヴさん」

「……グラム。婦女子に暴行とは見損なったぞ」

「躾です」

「程度というものがあろう」

「ヨシュアンクラスの方針ですので」


 後ろで生徒がブーブーうるさいですが無視です。


「そんな様ではとてもレギンヒルト嬢の隣に立てるとは思えない」


 だからなんでレギィが出てくるんですか。


「矯正してやろう。剣を取れ」

「そういうのはレギィで間に合ってるんですが」


 瞬間、クライヴから尋常とは思えない密度の気配が生まれる。

 圧倒される観衆とウチの愚生徒たち。表向きは平然としていますが自分も背中をブラシで撫でられたかのような嫌な感触がする。

 攻撃されていないにも関わらず、まるで風に押されたかのような錯覚。

 強烈な攻撃意思が可能とする、気当たりだけが実際の風を受けたような感覚を生み出す。うわ、この人、マジだ。


 なんなのこいつ。少し見ない間に極まってるなぁ、主に性格が。

 見なかった2ヶ月(移動時間含め)の間に何があった。


 ん? 2ヶ月……?


「話は変わりますが」

「聞く耳もたん」

「聞けよ。赤いのに襲われたりしましたか?」

「……メルサラ・ヴァリルフーガか。貴殿の代わりと言われ何度か襲われた」


 それだ!? そりゃ性格歪むわ!


「そうですか。それでそんな残念なイケメンに。よし、昼飯おごってあげますから心の傷を開いてあったことを全部、話してごらん。先生、騎士団長といえども優しく指導してあげますよ?」

「何か変な誤解をしているようだが……、必要ない」


 抜刀こそしていないが、戦闘態勢から微動だにしないなぁこの人。

 ここまで頑なになってしまった責任をどうするつもりですか赤いの――メルサラ。


 さてさて。面倒なことになりました。

 どうしてこう、騎士団長なのに武力を見せつけ、る……、ような?

 あぁ、なるほど。そういうことですか理解しました。


 学園長が何を狙ってのこの騒動なのか。


 この興行を通じて、学園には武力がある、ということを知らしめたいのだろう。

 今回のキャラバンで学園の存在は一部だけど公開される。

 バカな貴族なら手を出そうとするだろう。

 何も貴族院だけが敵ではない。自分の領地以外に美味い実が成る木があれば手を出すのが彼らだ。


 ここが狙われる理由は、生徒という人材、教師という人材、国務に手助けしたという名誉などなど結構、多い。

 そのために王都から距離を取っているわけだが貴族領はリーングラードのすぐ近くにもあるのだ。

 というかリーングラード自体、貴族領なのだ。

 ただリーングラードを治める貴族は閑職の果ての果てに飛ばされた貴族で、もはや野望も欲望も根こそぎ奪われた雑魚です。直接行動は愚か、他人の言うことすらきかない引きこもり系頑固になってしまいました。比較的、安全圏ですね。


 それでも手を伸ばせる位置にある。


 だけど、もしも、その木に茨が巻きついていたとしたら?


 学園長は武力という情報を持って茨にするつもりなのだろう。

 冒険者=クライヴと戦えるほどの力があると認識させるだけでいいので勝つ必要はない。

 もちろん、勝ったほうがスムーズに事を運べるのは言うまでもない、と。


 そうなると自分も吝かではないのだが、もしも推測が正しいのなら自分である必要はないわけで。

 ヘグマントあたりが無難な線だろうか?


 そうこうしている間に自分とクライヴの周囲に結界石が敷かれていく。

 術式具の一種で四方に配置することで外部と内部、両方への防御結界を張る。

 術式の流れ弾が観客に傷つけないようとの配慮だろうなぁ。


「決闘が始まるというのにアクセサリーはいただけないな。どれ、私が預かっておこう」

「居たんですか。シャルティア先生」


 いつの間にかセコンドにシャルティア先生がいました。


「このようなお祭り騒ぎに私がいないことのほうがおかしくないか」

「おかしいとかおかしくないとか、ともかく、お酒は飲まないでくださいね。まだ勤務中です」

「わかっている。私をなんだと思ってる。まったく無駄な心配ばかりしよって」

「あぁ、良かった。いつも人を酒の肴にしてますからそっちのイメージが強くて」

「まだ注文が届いていないので飲みたくても飲めん」

「飲むなっつってんですよ」


 すでに酔っ払ってんじゃねーか? このクール系才女。

 お酒を持ってきた店員さんを追っ払って、とりあえずオシオキ用術式具をシャルティア先生に渡しておきました。

 大事にしてくださいよ? 金額だけでも相当ですから。だから、店員を目で追わない。どこまでお酒が欲しかったんですか。


 ともあれ強度計算はしているので大丈夫だと思うが、相手はクライヴだ。

 相手したくないんですが、今のところ、この強制イベントから抜けられる自信がありません。

 壊されるかもしれないと思うと、シャルティア先生に預かってもらったほうが良いでしょう。


 さて、その後ろで生徒たちが何やら話あっている。


「クライブ様に銀貨1枚よ!」

「クライヴに銀貨1枚……って、おんなじだと賭けにならないじゃん!」

「貴方が先生にお賭けしたらよろしくてよ!」

「先生に賭けたら負けるじゃんか。相手は闘技大会優勝者だろ。あんたがすればいいじゃん!」


 君たち、先生を見くびってますね? 後でよくよく覚えているように。


「では、リリーナは先生に銀貨2枚であります」

「「正気なの/ですの!?」」


 自分に賭けられたら賭けられたで、まったく嬉しくない。


 くそう、皆ノリノリじゃないか。

 どうにかしてなんとかしないと本当に戦う流れだ。


 あぁ、だんだん周りが整っていく。もう見てらんない!


 深くため息をつこうとした時、人垣が割れていく。

 そこから現れたのは事の元凶の一つ、学園長だった。


「どうですか? ヨシュアン先生」

「どうもこうもありません。どうして自分が戦わなきゃいけないのですか」

「因縁の相手だそうで。これから一年も会えないのですから良い機会ではありませんか」

「因縁もクソも、相手がそう言ってるだけです」


 困ったような顔をしてくれる学園長。

 困ってるのは自分ですからね?


「ではこうしましょう。この興行にヨシュアン先生が勝てたら……、特別ボーナスを差し上げましょう」

「お金なんてもらっても」

「隕鉄」

「なん……、だと……」


 目が醒めました。


「我が家には少しですが隕鉄が保管されています。それを差し上げましょう」


 金なんて目じゃない。もちろん通貨での意味合いも金属での意味合いも含めてだ。


 隕鉄。

 天上大陸から落ちてくる、文字通り天の恵みだ。

 通常の金属類とは桁違いの術式親和性を誇り、硬く丈夫でサビすら寄せ付けない。

 明らかに、金属文明の数十世代も先をいった金属。


 国境に墜ちてきてみろ。それを理由に戦争が始まってもおかしくない。

 それほどの希少金属だ。

 そんなものを、そんなものを賞品にするだと?


 はっきり言いましょう。

 術式師としても、術式具元師としても、ちょー欲しいです。

 何に使うのかとか、何の意味があるのかとか、そんなのどうだっていい。そういうことじゃない。


 ここで手に入れられなかったら、他では手に入らない!


「お任せあれ学園長。何、相手が騎士団長だろうが魔王だろうが一蹴してご覧いただけましょう」

「現金ですね。まぁ、期待してますよ」


 拳を握り、誓いました。

 もちろん隕鉄>騎士団長の公式ですが、何か?


「リリーナ君」

「っ!? 先生に賭けたでありますよ?」

「そういうことじゃないんですよ。なんでビクつくんですか?」


 後ろめたいなら賭けるなよ。


「エリエス君とセロ君を連れてきてください」

「どうしてでありますか?」

「決まってるじゃないですか」


 術式師を表すローブを脱ぎ、シャルティア先生に放り投げる。

 それだけで観衆は沸く。もう始まるのかと、今か今かとチケットを握りしめて待っている。この野郎どもめ。


 ド肝抜かれてもしらねぇかんな。


「特別授業です。お題はそうですね……」


 自分が一歩踏み出すと、クライヴも小さく身構える。

 クライヴは全力で来るだろう。しかし、自分相手に油断も慢心もしない。


「対術式騎士戦、です」


 リリーナ君が去っていく気配を感じながら、自分サイドの端に用意された武器を眺める。

 クライヴが剣を持っているので、自分も武器がなかったら不公平だという配慮だろう。


 右の端からブロードソード、パイク、クラブ、シールド、ブレードナイフ、グレートソード……、並べに並べたものです。

 全て均一の性能で整えられているところを見ると、興行自体、本気で成功させようというロラン商人の思惑が見て取れる。


 選択肢? 残念ながら相手がクライヴというのなら選択肢なんてありません。


 ブレードナイフ一択です。


 鞘から抜き放ち、表面を斜めに見ても傷はない。

 表面を擦ったような跡は研磨の時についたものだろう。鈍い光の反射に満足して自分はナイフを振りかぶる。


 重心も十分。悪くない一振りです。


 特に『新品』なのが気に入りました。


 視界の端でリリーナ君がセロ君とエリエス君の手を引いて、人垣を割って入っているところを確認して、ようやくクライヴと目を合わせる。


「お待たせしました」

「……変わったな」

「またですか。今度は何を言うつもりですか」

「いや。語るべきは名だ」


 クライヴは胸を張り、拳を作り右胸にそえる。


「“冒険者”クライヴ・ジーン!」


 クライヴが名乗ると観客が一斉に湧き始める。

 ジーン……、ねぇ? わざわざ偽名ですか。名乗りにしては無作法極まりないですが王命を受けている以上、本名を名乗るわけにもいかないだろう。


 正式作法で名乗ったクライヴと違って、自分は例の横構えのまま、クライヴを見据える。


「リーングラード学園、術式担当教師。ヨシュアン・グラム」


 こっちが名乗ると、観客は一斉に足を踏み鳴らしました。

 おお、おお、たぎってますなぁ。見世物は嫌いですが水をぶっかけるほど野暮ではありませんよ。


 お互い名乗りあった後、ロラン商人が両者の間に入る。


「戦の神ルーカンの名において両者の健闘を祈る!」


 決闘の文言を高らかに諳んじて、指先で金貨を弾く。


 いやはや金貨とは……、お金にうるさい商人が奮発しましたね。

 それだけ期待しているということですか。その期待には充分に応えられるでしょう。


 何せ『お互い手加減している』とはいえ、本気なのですから。


 金貨は空に舞い、重力に従い速度を落として落下を始める。


 落ちてくる金貨。

 その向こうは術式騎士のクライヴ。


 大地が金貨を弾く音と共に、クライヴが動きだしたのだった。


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