騎芸の時間 前編
授業妨害の下手馬と下手竜は全て牧場主さんが回収してくれました。
申し訳なさそうな顔で我々に頭を下げる牧場主さんに悪意はないのでしょう。
ひとしきり謝ってくれた牧場主さんに自分は笑顔で言いました。
「というわけで連行します。新裁判法に基づいて黙秘権および『筋肉な弁護士を呼ぶ権利』、お金がない場合、弁護士を予算から出す権利があるのですが現在、弁護が趣味のヘグマント先生しかいないことと新裁判法はまだ完全に始動していないことから費用の面は気にしないでください。やりましたね、無料で新裁判を味わうことができますよ自分のように」
「ちょっと待ってくれないか、その新裁判法というのがイマイチわからないんだが、色々とおかしな部分が聞こえたんだ。筋肉な弁護士って誰だい? もしかしてこの人のことかな? 代わりに弁護してくれる人ってこの人のこと? 法国に、いや贅沢は言わないから牧場に帰らせてくれないかな、お願い」
慌てる牧場主さんをヘグマントと一緒に両脇で固め、職員室という裁判所に連行しました。
後はシャルティア先生こと裁判長が根掘り葉掘り、個人的な趣味趣向まで探りを入れるでしょう。昼食をいただく、わずかの時間でです。
外では自分が氷の塊をストレス発散も兼ねて破壊していきました。
術式で爆発させれば簡単に片付くのですが、そうなると破片が飛び散り、学び舎に深刻な被害が及ぶので熱線で切れこみを入れて、【獣のガントレット】で叩き壊しました。
気分は氷屋さんです。
何が哀しいってこの氷の道。
青の源素結晶を使って作り上げました。
源素結晶は一つが新品の剣くらいの価値があるのですが、これを三つも使いました。
在庫はまだありますし、生徒や学び舎のことを考えれば価値のない使い方ではありませんが、それでも散財したような気持ちになるのは何故でしょうね。
「答え、一瞬で活躍が終わったから」
職人として心が悲鳴をあげています。
ただの感傷も氷を片付け終わったら消えました。
校庭の隅の水溜まりを見ていると学び舎の入口から生徒たちが姿を現しました。
あぁ、もう騎芸の授業なんですね。先生、ご飯食べてません。
今からお昼を悠長に頼んでもいられませんしね。
仕方ないので自分も【室内運動場】前に集合しましょう。
各クラスごとに固まり、ざわざわとうるさい生徒たち。
その多くの関心は【室内運動場】脇に並ぶ馬と騎竜にありました。
やはりというか男の子が指さしたり、見ていたりするのは騎竜ですね。
馬と同じ体格。
体毛の代わりに鱗で覆われ、色は緑と黒の鮮やかな縞模様。クリクリとした目はどことなく愛嬌がありますね。
あの硬質で洗練された姿形は剣や槍に近い機能美を備えています。男は皆、徹底的に効率化された形って好きですからね。
アレです、生まれついての男のサガです。そして、女はそんな男を見て呆れるんですよ。そういう風に設計されているんでしょう。
二足の騎竜ではなく四足にしたのはやはり乗りやすさが前提なのでしょうか。
二足のほうが安かったような、いえ、違いますね。
元々、騎竜ではなく馬があてがわれる予定でした。
この騎竜は自分が帝国から刻術武器を奪ってきた余り金でキャラバンから購入したので、生徒会に利用される前提です。
森を踏破するために四足にしたのでしょう。
そんな事情も知らずに騎竜は少し興奮しているのか草を食んだり、意味なく足を噛んでいます。
好奇の視線にさらされて居心地が悪いのでしょう。
そういえば騎竜はストレスが溜まると同胞を噛む習性があるんでしたっけ?
なので騎竜の管理は一匹ずつ衝立で仕切って隔離します。
一方、馬も同じですが馬は元々、集団での生活に慣れているため、少しの間なら同室でも大丈夫だったはずです。
今も少し離した状態で等間隔に五匹を並べています。
一方、馬五匹は仲良く横並びですね。
「……ん?」
そういえば、さっきの暴走、九匹でしたよね。
しかし、今は十匹。一匹だけ暴走しなかった? 何故?
牧場主さんが馬に乗っていた……、わけではありません。
あの時は牧場主さんは徒歩でした。馬と騎竜が引き返してきた時に慌てて横道を走っていた姿を見ています。
自分の記憶がたしかなら暴走しなかった馬は――
「マルコだったはずです」
――自分が近づいたと同時にマルコは耳を忙しなく動かし、ブルンブルンと鼻息を荒くして、しかし、自分から遠ざかるように身をくねらしていました。
他の馬に身体が当たっていても気にせずに逃げるマルコ。
恐怖が染みついているようです。なんか、すみません。
「馬に無駄な威圧を与えて気晴らしか?」
馬を眺める自分に近づいてきたのはシャルティア先生でした。
いつの間にか全生徒が集まってきていますね。そうなるとそろそろ教師たちも集まってくるはずです。
「氷塊砕きはそんなに辛い作業だったか」
「職人としての色んな気持ちがダメになるところでした。そちらは?」
「詳しくは騎芸の授業の後だ。生徒もいる。気になるところだけを教えてやろう。牧場主は無罪放免だ」
この言い方、含みを持たせています。
どうやらただの事故だった、というわけではなさそうです。
「それは楽しみですね。ついでに自分からもご提案が」
「ワイン片手にか?」
「仕事上で全員にです」
「楽しみだな」
肩をすくめるシャルティア先生の向こう側から女神がこちらに向かって歩いてきていました。
手には薬箱。騎芸の授業のために用意したのでしょう。
このささやかな気遣いが、もう、なんというか言葉になりません愛しています。
「私を通り越して熱視線を送るな」
シャルティア先生に嫌な顔をされました。
「準備してきます」
「そうしろ。色目で眺めるよりよっぽどいい」
【室内運動場】の倉庫から鞍を箱ごと運び、適当に置きました。
そうこうしている間にぞろぞろと教師も揃い、ようやく授業の体裁も整いました。
適当に並びましたが右からピットラット先生、ヘグマント、アレフレット、リィティカ先生、シャルティア先生、自分のクラス順でした。
この並びも無意識でできるようになっていたのが驚きですね。
「むぅん! 整列しろ!」
ヘグマントの気合の入った声に反応した生徒たちが各クラスごとに並び始めました。
十分に調教されていますね。恐ろしい話です。
あぁ、でも自分も学校にいた時は同じように行動したところを考えると……異常だったんですね。
ヘグマントが生徒たちの前に一歩、足を踏み出します。
「それでは! 騎芸の授業を始める! 諸君らはこれより馬に乗る! 騎竜に乗る! しかし、生まれたての雛鳥のごとく尻から殻が外れていない貴様たちは馬どころか飼い犬の飼い方すら知らんだろう! この授業では飼い犬が飼えなくとも立派に馬に乗れるように貴様たちを調教する場だ!」
調教って言っちゃった!
自分だって心の中で思っていて、危うく口に出しそうなこともありましたがハッキリ言葉にしやがりました。
「だが貴様たちが教わる乗法は騎士たちの乗り方! 騎芸だ! 馬上で戦うことを主眼においた戦闘方法だ! 気を抜くと死ぬと思え! 返事はどうした!」
「はい」と生徒たちの何重もの声が響きました。
……あんなに気合の入った声をウチのクラスも出せたんですね。知りませんでした。
「では特別講師に牧場主のライナー氏に来てもらった! 今から氏に演説を……」
「違います。実演講義です」
「む? そうか。今から氏に実演講義をしてもらう! 親以上の敬意を持って接するよう!」
またぞろ響く生徒たちの声。
やはり強面なヘグマントの前だと生徒たちもきっちり動くんですね。
ということは自分、もしかして舐められています?
「あー、いやいや、ご紹介に預かりましたライナーです。牧場主と呼ばれているのでそのままでいいです……あー、親以上の敬意はいりませんので気を楽にしてください。馬が怯えるからね」
げっそりとした顔で現れた牧場主さん。
一体、お昼の時間に何があったのか聞いてみたいですね。
ですが今はそれどころではありません。
「シャルティア先生。ウチの生徒があんなにキビキビした声を出すって知ってました?」
「私のクラスを引き合いに出すともれなくティルレッタの金切り声を聞くことになるぞ?」
ティルレッタ君がキビキビしたところなんて見たことがありません。
ようするにないんですね。
ついでに想像もつきません。
「それを言うならぁ、私のクラスもですぅ。マウリィさんが凛々しく見えますねぇ」
どうやらリィティカ先生とは同じ気持ちを共有できたようです。
アレフレットが『私語は後にしろ』と睨んでいたので口をつぐみました。
あぁ、このままリィティカ先生をお誘いできれば良かったんですがね。
そのためにはシャルティア先生を乗り越えないといけないので結局、難しかったかもしれませんね。
「それではまず鞍の付け方からで――敬語やめていいかい? 今は心が辛いんだ」
とうとう牧場主さんの心が折れました。
「いや、もうシャルティア先生、何をしたんですか」
「少し話を聞いただけだぞ? 法国のリーガルだというところまでな」
個人情報どころか密命まで口を割らされていますね。
本国にどう説明するんでしょうか牧場主さん。
まさか女教師にリーガルだとバレたとは言えないでしょうから、後で自分がバラしたということにしておいてあげましょう。
ともあれ今は牧場主さんをフォローしてあげないと。
「喋り方は自由でお願いします。あと気を落とさないように。きっと良いことがあります」
「そうかい? とてもそんな気になれないけど、あぁ、良かったよ。昔は騎兵だったのに今ではどんな生活をしていたのかすら忘れてしまったよ。おかしいな」
「後で法国のお酒を包んであげますから、今日のところは踏ん張ってください」
「そうするよ。血のように赤いワインなら昔を思い出せそうだ」
苦笑しながら再び、生徒に向き直る牧場主さん。痛ましいですね。
「馬勒は今、ついているから鞍の付け方だけど、まずはそうだ。馬にしようか」
まぁ、馬勒がついていないと首に縄をつけて引っ張ってくることになりますからね。
馬勒の付け方も教えないといけませんが、時間は有限。
今日のところは最低限の鞍の付け方からです。
牧場主さんが馬を一匹、生徒たちの前に連れてきました。
無作為に連れて来た馬はマルコでした。こっちをガン見してから逃げるように牧場主さんの後ろに隠れないでください。
「んー、怖いか? よしよし、ヨシュアン先生。少し下がってもらっても」
牧場主さんに言われて自分は一歩、下がりました。
殺気ぶつけただけなのにここまで嫌われるとは思いませんでした。動物って素直ですね。
「まずはこの背中のくぼみに布を敷く」
ここからは牧場主さんの実演でした。
鞍と馬の体が擦れて傷つかないように布を敷き、布団を干すように鞍を馬の背にかけました。
「この腹帯、いろんな種類があって、鞍を馬に固定する帯だね。布の上から鞍に通すものと鞍の上から通すもの、一体型なんて種類もあるんだ。どちらがどう、というわけでもなく使われ方によって使い分けられている。激しい動きをする騎芸の場合は一体型だね。これも一体型だよ」
腹帯が分かれている種類のものは手入れがしやすい上に傷んだら部位単位で交換できますが装着が面倒です。
一体型は軍にも使われていますが、やはり痛んだりした時に職人でないと治せないという面倒な部分があります。
一般的に乗るだけなら分離型、騎士が使うのなら一体型の認識で正しいでしょう。
「気になっている子もいると思うが鞍についているこの紐。いくつもあるけど、これが騎芸に必要になってくる。これは鞍と装備を固定するためのものなんだ」
鞍の四隅にぶら下がっている革の紐ですね。
道具箱や装備箱にくくりつけるのですが戦闘時には使われません。
戦闘時はすでに装備を展開していますから、戦闘前には外してしまいます。
なので授業では使いませんね。
使うのはもちろん生徒会の時でしょう。
冒険者なんかは馬上から直接、道具が取れるようにと片手で開けられるものが好まれていますね。
こうした物品を選べるかどうかは生徒にかかっています。
もちろん、問われたら答えてあげますけどね。
「さぁ、これで完成だ。簡単だったろう? 気をつけるところはちゃんと腹帯を締めること。固定されているかどうかちゃんと確認しておかないと鞍と一緒に滑り落ちるから注意しよう。では、ヘグマントさん?」
「うむ! 聞いての通りだ! では二クラスごとに鞍の取りつけの実演を始める! まずはヨシュアンクラスとヘグマントクラス! それぞれの馬と騎竜の前に行け! 先ほどは馬だけだったが基本は騎竜も馬も変わらん! 他の生徒どもは先にやった生徒をよく見ておけ!」
ここからは自分たちの仕事ですね。
生徒たちがちゃんとできるか近くで見て、間違っていたり、危ない真似をした場合は素早く手助けをします。
さて、そういえば騎竜と馬、どちらをどのクラスがつけるんでしょうか。
ふとした疑問でモメる前に片付けておくべきでしょう。
ヘグマントに声をかけようとしたら――
「ちょっと待ちなさい」
――生徒の方が早かったみたいです。
問題の鐘が鳴る音が頭に響きました。頭痛かもしれません。
ヘグマントクラスが一直線に騎竜のところへ向かおうとしたら、クリスティーナ君が待ったをかけたのです。
「何を勝手に選んで――ふが!」
そして、文句を言おうとしたクリスティーナ君の背後からリリーナ君が口を押さえて、そのまま後ろに持っていきました。
「ふが! もがが!」
「クリクリも柔らかいでありますな~」
「ぬぎゃ~!!」
おおよそ人とは呼べない、人外の叫び声をあげるクリスティーナ君の代わりに出てきたのはヨシュアンクラスの交渉役マッフル君です。
「同じ意見なのは癪だけど、あんたに言わせると無意味に喧嘩になるから交代」
「俺たちが騎竜を選んではいけなかったのか」
フリド君が不思議そうに聞くと、マッフル君が首を振りました。
「別に問題はないけど。ただ一言あっても良かったんじゃない? どちらがどうって決まってないじゃん」
「なら早い者勝ちだ!」
流石にこの答えはマッフル君も想定していなかったのかポカンとしました。
実はマッフル君の交渉はすでに始まっていました。
最初に『決まっていないこと』を理由に勝手に選んだことを糾弾しつつ、少しでも罪悪感を抱いたら、そこを取っかかりにして落としどころに持っていく手法です。
言質を使って相手を追い詰める手段は商人の必須技術と言えます。
ですが、ときおり機微に疎いどころか我が道を突き進む者がいます。
相手の言葉に影響されにくいタイプですね。別名、頑固。口さがない言い方をすると単純、でしょうか。
フリド君はまさに単純な真理を絶対と思うタイプです。
今、マッフル君は失敗したと思っているでしょうね。
最初から罪悪感を突くなんて真似をせずに直球で伝えたほうがフリド君も理解し、取っ掛りを得られただろうと。
ここからマッフル君はどう攻めるのか――というところでエリエス君がフリド君に近づきました。
誰もがこの急な行動に対応できず、動けませんでした。
フリド君を見上げるくらいに近づくエリエス君。
当然、女の子に免疫のないフリド君は「う……」と呻きながら、後ずさりしました。
追うように一歩、前に出るエリエス君。
視線はフリド君の目に向けています。
色仕掛け、ではありませんね。むしろ無表情で迫ってきたら普通に怖いですからね。
自分はあの目線の意味がわかりますがフリド君はわからないでしょうね。
なので、理解すらできずに混乱するしかありません。
男なら殴れたでしょうが、相手は女の子ですからね。強硬手段にも出れません。
結果、何も出来ません。
「な――何か用かエリエス嬢」
「ずるい」
エリエス君の瞳の文字は簡単です。
『騎竜の一人占めはずるい』です。
一人占めではないのですが、エリエス君にはそう見えたのでしょう。
ちなみにエリエス君のことだから馬でも良かったのでしょう。
ですが騎竜にも興味がある。動物全般に興味がある、と言い換えるべきでしょうか。
両方取れる手段をマッフル君が見出したので、エリエス君も参加した……というのは考えすぎでしょうか?
「ず……、ずるくはないはずだ早い者勝ちだとさっき決まって」
「ずるい」
もはや交渉ですらありません。
これにはマッフル君も苦笑いです。
「うぅ……」
「………」
無意味に圧をかけていきますね。
「騎竜三頭と馬三頭、交換しとく?」
ここで頭を切り替えたマッフル君がエリエス君の攻勢に乗っかかりました。
「どうでもいいからエリエス嬢をなんとかしてくれ!」
フリド君の叫びが【室内運動場】前に響き渡りました。
さて、自分はヘグマントに目で合図しました。
ヘグマントもすぐさま察したようで、小さく頷きました。
「ぬぅん! 貴様たち何をグズグズしている! さっさと馬と騎竜を交換して鞍の取り付けにかかれぃ!」
ヘグマントの発言によって決着がつきました。
マッフル君がエリエス君の肩を叩くと一瞬、エリエス君が身体を強張らせましたが次の瞬間には元通りになりました。
何の感慨もなくフリド君から離れ、馬の元に向かいます。
その後ろ姿は楽しそうに見えたのはきっと、見間違いではないのでしょう。
一方、自分はヘグマントの隣に移動して抑音発声法で語りかけました。
「気がつきませんでした。申し訳ない」
「むぅ。いや、今回はこっちの責任だろう」
「いえ、まぁ、たしかに自分たちにとっては気にならない部分でしたし、取り返しはいくらでも効きます。このままの流れで行きましょう」
自分たち、教師からすれば鞍の取り付けさえできれば馬でも騎竜でも、どちらでも良かったのです。
ですが生徒からすれば『どちらでもいい問題ではなかった』のです。
軽い意識の差でしたが、生徒たちは意識してしまう部分です。
交渉をこのまま授業に取りこめば少しは意識しないのではないか推測します。
馬と騎竜を完全に分けてしまうより、混ぜた方が平等感ができます。
少なくともクラス間の不平等は解消します。
フリド君は不満でしょうが、交渉の場だと気づけなかったことと負けたこと。
この二つのせいだと思ってもらいましょう。
むしろ自分たちが先に気づかねばならなかったところを生徒たちが気づいて、是正に乗り出した形でしょうか。
ただし、本人たちにその気があったとは思えません。
不平等感に気づいて馬と騎竜を交換したかっただけでしょう。
「要課題だな。二人とも」
男二人のヒソヒソ話はシャルティア先生にバッチリ聞かれていたようです。
唇を読みましたね。
「わかっていたのなら言ってください」
「二人とも、クラスを放置しておいていいのか? セロが困っているぞ」
ぐぬ。うまくはぐらかされたようですが、実際にセロ君が馬にビックリして背筋を伸ばしていました。
手間のかかる子です。まったく。
「ではヨシュアン先生。実演の方もよろしく頼むぞ」
「えぇ。ちゃんと用意しますよ」
ヘグマントと自分は左右に分かれて生徒たちの実演を見に行きました。
全クラスが鞍の取り付けと取り外しの作業を終えたら、次はいよいよ本当の騎芸の時間です。




