1.今日から高校2年生(仮)!
私、田中未来は今日から高校2年生!
(とはいえ今日は4月1日。まだ春休み中である)
「よーし、2年生は恋も勉強も全力でいくぞ!」
布団から出てカーテンを開けて、すでに高く昇っている太陽に宣言する。
でも正直不安だらけだ。
自分には何もかもが足りない気がする。
何をすればいいんだろう?
そう思いながら2階にある自分の部屋を出て1階へ降りる。1階の電気は付いていなくて、カーテンから漏れる春の太陽の光だけがリビングをやわらかく照らしていた。
私は口を軽く濯いでから、置いてあったお昼ご飯を食べる。
「ごちそうさまでした」
そのあと、私はペンと紙を取り出した。
ーー変わるために、やることを書く。
・肌をきれいにする
ー化粧水や洗顔を変える。ニキビ用とかのなんかも買う。調べる。ボディケアもする
・髪を切る
ー美容院にいく、一緒に似合う髪型を探してもらう
・衣類、靴などを買う
ー着たことないような服に挑戦してみる
パーソナルカラーも確かめる
・姿勢を良くする (意識次第?)
・運動習慣をつける
ーお散歩、ジョギング、筋トレ?など
・眉毛、まつ毛
ーまつ毛美容液とか塗る
・ポジティブに!陰口言わないようにする
・きれいな笑顔を練習する
・化粧に挑戦
ーまずは百均のもので
(ーーとっ、こんなもんかな)
私はスマホで「垢抜け」とか「可愛くなる方法」とかを見ながらもう一度、紙を見つめ直す。
(多いな...
まぁまずは、肌をきれいにする作戦を開始しましょうか!髪型は、明日美容院に行こうかな〜)
私は、やるんだ!という意気込みのもと、顔を洗って歯磨きをして、家からやや遠くにあるドラッグストアへ自転車を漕いだ。
自転車を停めて店内に入る。いつもお母さんととか友達とだし、1人で買い物ということに慣れてないなくて、ひとりで化粧水などを見ていると視線がこちらに向いているようで恥ずかしい
(?あれ?何を買えばいいんだ...?)
化粧水やらクリームやらは棚ひとつには収まらず、かなりの種類がある。
(よし、最近よく聞くあのAIに相談しよう。
えーっと、『肌を綺麗にできる化粧水とか教えて。ニキビある。毛穴目立つ。・・・』
あ、出てきた。ふむふむ、これがいいのね。
ーーうん?また質問出てきた)
それから何回か質問されては答えを繰り返し、もういいだろうというところで、提案された品物の買い物に戻る。
(えーっと、あった!この銘柄?の...ってない!?
どうしよ!どうしよ〜!もう〜〜。あ、そうだ。さっきのAIに代用品を探してもらおう。)
ー結果、途中売り切れなどのハプニングもあったが、AIに代用品を提示してもらいことなきを得て、
提案された、洗顔(普段用と3日に一回のやつ)、化粧水、〇〇CCの美容液、ニキビ用のクリームとボディークリームの計6つをカゴに入れた。
一難去ってまた一難。
私は、レジに向かうとまた急に恥ずかしくなってきた。店員さんや他のお客様に生暖かい目で見られている気がする。
(会計よ、早く終わってーー!!)
私は今までにないスピードでお金を出して会計を済ませた。
(結構高かったし時間かかったし、私の精神がゴリゴリ削られたけど、一歩進めた気がする!)
私はニキビも毛穴もない目立たない自分を想像しながら自転車を漕いで家へ帰る。
夕日に照らされた町の暖かなオレンジ色が、
春の上旬、少し肌寒いあの日に私を見てひどく安堵して笑ったあの人を思い出させる。
(あの人に頑張った私を見てほしいな...)
その日の夜、お母さんに隠れてコソコソと今日買った洗顔を持ってお風呂に入る。
今まで、おしゃれとか可愛いに興味を示してこなかったから母親にこういうことを知られるのは避けたいのだ。恥ずかしい。
(お風呂で顔洗ったし、湯船にも浸かった。早速自分の部屋に戻って今日買ったものでスキンケアしよう!)
私は急いで自分の部屋に戻った。
(まず、化粧水を塗って、...浸透したらCC美容液を塗って、...浸透するまでにボディークリームを塗るって最後にニキビ用クリームをニキビのところだけに塗るっと。化粧水とボディークリームは脱衣所で塗ったほうがいいな。もう肌乾燥してたし、服を着てるとボディークリームを塗りずらい。)
(大変だなぁ、毎日。やっぱり世の中の女の子はすごいや。これだけやっても私なんてまだまだなんだろうなぁ。ーーうん、頑張ろう。)
見てほしい。あの人に。振り向いてほしい。
いつ、あの人の隣を歩けるようになるだろう。
どうしたら、あの人の隣に立てるだろう。
今はまだわからない。
わからないけど、今は自分を磨いていこう。
(いつか.....)
そう思いながら、目をとじる。
こうして、私の高校2年生(仮)の1日目は過ぎていった。




