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その八「気を取り直して」

「良いぜ、俺も着いてってやるよ。」

「ホントッ?! わーい!やったー!!」


気を取り直した結果の幸先の良いスタート。

Kのが先じゃないかって? そんなの気にするんじゃない、験担ぎは重要なのです。

なので今回が、最初、良いね?


「っと、自己紹介がまだだったな。俺はG-70だ、よろしくな。」

「僕はJ-05。キミが手伝ってくれて助かるよ。」


彼の名前はG-70と言うらしい。

Gクラスといえば主に人体実験をするためのクラスだ。

誉められた話では無いのだけども、彼らの活躍のおかげで不治の病とされてきた病気の特効薬をいくつか開発できたと言われている。


最近はさすがにそういった命に関わるような実験記録は見当たらなかったと思うけど、確かに彼に取っては毎日が命懸けのような日々と考えれば僕の方に着いてくれるのも納得がいく。


彼の身体は見た目からしてここにいる大人よりも体格がしっかりしている。

服も僕らに与えられた服と同じものだがちゃんと暖めサイズを着ているはずなのにピチピチになっている。

資料で見ただけだけどゴリラとかライオンを足して割ったりして人間を掛けるとしたらこんな感じの人間になるんじゃないだろうか。


確か年齢って僕とそんなに変わらなかったよね。

と言っても彼はナンバー的には16~18くらいだろうけど。

ちなみに僕の肉体年齢は現在11歳くらいだったかな?

それはどうでもいいか。


でも、ちょっと失礼だったかな。

まぁいいや。見た目のイメージは本当にそんな感じなのだから。


口に出してしまわないだけ良いのである。


「おぅ、そうだ。なんだったら同じクラスの奴らにも話して来てやろうか?」

「そこまでしてくれるの?」

「そりゃあ、俺たちは此方にいるよかそっちのが楽しそうだしな。」


願ってもない申し出だ。

僕としてもこれから、全員に話し掛けていくには時間も手も足りなかった所だ。


特にGクラスの人は実験の項目上、たぶん一番人数のいるクラスである。

それを身内から勧誘してくれるというならすごく助かる話なのだ。

これは頼むしかない。


G-70様々だね。


「じゃあ、頼むね。 後は、他にも誰か誘えそうな人とか知らないかな?」


彼だってこんな廊下に一人でいる以上カプセルの中にずっとに籠っていたわけでもないだろう。

その間に他のクラスと交流の一つや二つしていると思うのだけど。


良い情報はないだろうか。

今は少しでもこちらに引き込めそうな手懸かりが欲しいのです。


「んぁー、さすがにちょっとなぁ。あからさまにそっちに行きたいなんて言うヤツは見なかったと思うが。」

「ですよねー。」


だいたい想像通りなのは悲しいことである。

やはり手当たり次第話し掛けていくしかないかー。


「あー、でもCやE辺りはどうなんだ?」

「どうなんだろ、あっちの人たちにはまだ話してないけど。」


CとEクラスはGと似たようなクラスである。

ただ実験としてはGクラスのようなキツい人体実験と言うよりは予防接種のような感じである。


このウイルスにはどれくらいまでなら発症してしまうか。

まぁ、これだけ言うと中々に危ない場所ではあるのだけど。

先に言ったとおり、本当に危ない量になるとGクラスが受け持っているはずなので基本死ぬことも稀ではあるはず。


それでも良い気はしないだろう。

なんだかんだと風邪のような症状を延々と続けさせられるのである。

場合によっては癌や腫瘍なんかもあったかな。


確かにいくつか当たってみれば可能性はあるかもしれない。


「うん、ありがとう。ちょっと行ってみるよ。」

「そうか。力に成れたようなら何よりだ。それじゃあ俺も声を掛けてくる、時間もないだろ?」


本当にこの人は痒い所を掻いてくれて助かります。

一旦G-70と分かれてC棟の方を目指す。


全員には話し掛けられないだろうけど、それでも何人かは良い返事が来ると期待しよう。



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