1周目『when』のセカイ 第4星 2年前6月21日。
「お前・・・その翼・・・。それにその輪・・・」
そこにいたのは紛れもない天使だった。
羽は神々しく輝き、頭には光の輪があった。
それはもう美しいという言葉では表現できないもの。
「これで信じてもらえましたか?」
「いや・・・ていうかここはどこだよ」
「あなたたちの言葉で表わすならば宇宙」
確かによく写真やテレビで見る宇宙にそっくりの場所にいる。
しかし明らかに違うものがある。
白い球体だ。
「あの地球らしきものを挟みこむようにある白い球体はなんだ?」
「あれは『セカイ』です。それと真ん中にあるのは地球で合ってます」
少女はただただ坦々と僕の質問に答えていた。
しかし僕は理解できない。
まだそこまで頭が追いついていない。
「詳しく説明しますと、真ん中が『地球』。右が『when』。左が『if』です。あとの説明は後でします。では行きましょうか」
「行くってどこにだよ・・・」
「『when』のセカイに行きます。ちなみに『when』、『if』、『地球』の順番になります。その順番通りに移動してあなたの知りたいことを探しましょう」
「僕の知りたいこと・・・?」
僕は考える。
僕が知りたいこと。
2年間も目をそむけてきたある事件。
僕の親友が死んだある事件の犯人が。
知りたい。
「これ以上の説明は実際に行ってみてからにしますが、今ならまだ戻れます。普通の日常に」
普通の日常。
僕がいままでいた日常。
そういや、内野に何も言わずにきちまったな・・・。
「どうしますか?この状況が信じられない。戻ると言うのなら戻れます。しかしこの奇跡は2度と起きません。人生に1度だけの奇跡です。後悔は許されても後悔を払しょくすることは許されませんよ」
これから何が起こるか分からない。
それに僕が解決しなくてもいいような問題だ。
警察に。
大人に任せればいい。
けれどそれでいいのかと考えたことがある。
でも僕は逃げる自分を正当化する。
そして何も行動せずに終わるんだ。
まだこれが現実とは思えない。
夢かもしれない。
けれど僕は・・・。
「後戻りなんかするかよ。人生にはセーブもロードもない。リセットボタンだって正常に機能するか分からない。だったらやらずに後悔よりやって後悔だ」
「分かりました。あなたの覚悟受け取りました。では、さっそく行きましょうか」
と言うと天使はおもむろに僕の手を握ってきた。
やわらかくてすべすべしてるんだな・・・。
「いやいやいや、手をつなぐってそんな大胆な・・・・・」
その後僕は冗談を言えないほどのスピードで白い球体につっこんでいた。
正確には天使に連れられて。
天使ってどこに連れてってくれるんだっけ?
あぁ、なるほど。
天国か。
僕の意識はなくなった。
〇
実をいうと夢じゃないかとかなり思っていた。
だから軽く覚悟を決め、まぁ、そのうち起きるだろうぐらいな気持ちで奇跡に挑戦した。
しかしこれは夢じゃないと分かる。
かなりベタな方法で。
「痛い!」
「すみません。まさか人間があのスピードについてこれないとは思わず」
白い球体に激突していた。
しかし白い球体といっても地球ほどの大きさがある。
だから僕は球体にぶつかったというよりも白い地面にぶつかったような気がした。
あたりを見回す。
空も白く、全部が白い。
しかしそれ以外は僕が今まで過ごしてきた地球と同じだった。
酸素もあるし。
「んで、ここはどこだ」
「先ほども説明したように『when』のセカイです。では説明させていただきます。ここは好きな時間に移動することができます。『when』というのは名前だけでなく『~の時』という意味そのものなのです」
と説明しだした。
いやいやと。
時間をいじってなんの意味があるのかと僕は言う。
殺人はもうすでに起きてしまっているのに。
「あなたの覚悟は親友様を殺した犯人を見つけることでいいのですね?」
「あぁ」
「では犯人を捕まえたい。どうすればいいのか。分かりませんか」
分かったら苦労しない。
僕は警察を目指していたわけでもないし、普通の高校生だ。
「確かに普通の高校生です。ですがここはあなたの言う、普通の世界ではないでしょう?」
・・・・・?
何が言いたいのだろうと思ったがようやく分かった。
犯人を見つけるのに最適な方法。
「殺人現場に僕がいればいいのか・・・!」
「その通りです。しかし現実同様、危ない真似はやめたほうがよろしいかと。もちろん死はありますので」
「死・・・か・・・」
その言葉を出されるとさすがに怖気づく。
しかし天使は微笑を浮かべずに微笑をうかべたようなことを言った。
「そのために私たちがいるのです」
「お前が?」
「はい。サポートは任せてください」
「なるほどね。まぁそこらへんは後で考えるとして・・・」
一回区切る。
「私たちってなんだよ?まさかまだ他にもいるのか?」
「記憶喪失行方不明事件。覚えてますね。あれは天使の奇跡に挑戦したものばかりがなっているんです。現にあなたは今、行方不明になっている」
「え?僕が現実の世界にいない間は僕の分身が現れるとかじゃないのか?」
「そんな便利なコピー〇ボットはいません」
「そこまで具体的には言ってない!」
行方不明は分かった。けれども。
「記憶喪失は?」
「あれは本人が嘘をついているんです。このことは他言無用ですので。他の人に言った場合、天使の奇跡に関する記憶は全部消え、挑戦は2度と不可能になります。だからたまーに本当の記憶喪失もいるんですよ。ですが、天使の奇跡に挑戦している人には言っても大丈夫です」
「それをどうやって見極めるんだよ・・・」
賭けじゃねぇかそんなもん。
「では『when』のセカイ。最初はどの時間にしますか?」
「あー、じゃあそうだな・・・」
僕はいつにしようかと考える。
「ちなみに1つのセカイにいれる時間は3日間。そしてそれぞれのセカイを回る周。すなわち『when』、『if』、『地球』で1周だと考えて、できるのは5周まで。それ以上やると大変なことになりますので」
「大変なこと?」
「死にます」
「・・・・・・」
重くなった。
「大丈夫です。その前に解決するか諦めるかすればいいのですよ」
「そうか・・・」
「『when』のセカイの時間を決めれるのは1度だけ。また1周しないと変えることは不可能です。それを分かったうえでお決めください」
「えーとじゃあ・・・」
僕は長い説明の間、考えていた時間帯を言う。
「2年前の6月21日に・・・」
「タイムワープと言ってください」
「・・・・・」
「2年前の6月21日にタイムワープ!」
するとただの白い世界に色が付き。
鮮やかになり、人が生まれ、建物が生まれ。
そして僕達がいた場所は見覚えのある場所にいた。
「ここは・・・・・」
広い広場、それに遊具。
「霧ヶ岬公園・・・」
僕は知らない間に地球(仮)に降りたっていた。
説明だらけになってしまいましたがある程度進むまではご了承ください。
次の考えももちろん浮かんでおりますのでそのまま続きを書こうと思います。
では。




