第1星 僕は言うまた明日・・・と。
「というか大変だよなぁ」
「何が?」
「いや、新しく始まった小説ってさ主人公の紹介、それのまわりの紹介をしなきゃいけないだろう。それがどうにもわざとらしくなってしまうからさ」
「それは小説家としてまだ初級。そしてそんなメタな発言はするな」
と今、教室で僕の話相手をしてくれているのが同じクラスの木曽直喜。
ちゃんと律儀につっこんでくれるので話しやすい相手なのだ。ほらみろ、なんだこの紹介。わざとらしい。
「それはいいが、裕香。お前学校でゲームをするな」
「ん?あぁ、すまん。今、ユカちゃんを攻略中なんだ」
「同じ名前のヒロインを攻略・・・か」
「やめろ。哀れんで欲しくて言ったんじゃない」
「でもそこらへんは平気なのか?」
「平気だな。僕が攻略しなくて誰がユカちゃんを攻略するんだ?」
「いや、そのセリフには言いたいことが多すぎて処理できないんだが・・・」
放課後。学校をおえて、僕たちは今雑談中だ。と言っても僕はゲームもしてるわけだが・・・。
「そういえばお前明日何の日か分かるか?」
「ん?明日?んーと非合法ちゃんの放送日?」
「なんだそのアニメ。放送できんのか。同じくプリキュ〇でもないぞ」
「プリ〇ュアは日曜の朝だろうが!ぶっ飛ばすぞ!」
「しらねぇし、しらねぇよ、そんなこと!」
おっと僕としたことが・・・冷静に冷静に・・・。
「お前、黙ってればかっこいいのにな」
「それは僕にかっこよくないと言ってるようなもんだということを知れよ」
「そんな会話じゃなく、明日はうちのクラスメイトが帰ってくる日だろ?」
「ん?あぁ、そうか」
行方不明。
行方不明になった人物は必ず5日おきぐらいに帰ってくる。ずれても4日、6日おきだ。
しかし何があったのかと聞いても、何もない。自分から行方不明になったとしか言わず、ある人はそのまま、またある人は再度行方不明になる。
「うちのクラスのやつ・・・えーと・・・」
「裕香。クラスメイトの名前ぐらい覚えておけ。おきなみだろ。」
「沖波?そうかそうか。そんなやつだったな。2回目の行方不明だっけ?」
「そうだ。もう5日か・・・」
僕は知っていた。沖波。漢字はあってるかわかんないけど、それは木曽の好きな人だったような気がする。本人は言ってないけど行動でばればれ。
「ま、帰ってきたときにはキスぐらいしてやれよ」
「なっ!できるわけねぇだろ!」
「あれ?ゲームじゃよくあるぜ」
「お前のゲーム脳にはあきれるばかりだ。じゃ、俺は帰るぞ」
「おう、じゃあな」
これで僕1人。なぜ僕は帰らないか。それは内野を待ってるからだ。内野明日香。朝一緒に登校してきたやつな。
あいつあれでも学級委員長だから今日はその会議で遅いらしい。先に帰っててもいいと言われたけれど帰っても用事などがあるわけでもなし。
そもそも家が近いというだけで行き帰りを共にする女子高校生の器に驚いた。
ほんとに。
まじで。
普通はあれだろ。そんなことしたら付き合ってるとか変な噂が流れるから嫌うんじゃないのか?
「お、選択肢ミスったか?」
ゲームの話。選択肢で女の子(2次元)と付き合えるか決まる。
そんな世界だったなら。どれほど。どれほどつまらないことだろう。もちろん、自称引きこもりな僕(部屋からはでているが)は何度もアニメやゲームの世界に行きたいと思ったことはある。
でも・・・
それは駄目だ。
絶対につまらない。
ゴミ人生とでもいえる。
せっかく人は色々な選択肢があるのにそれを踏みにじるのと同じなのだ。
なぜ選択する選択肢は1つでなければならない。2つ、3つと選んでもいいだろうが。そして全部やる。
完璧に諦めずに。その欲張りで欲望まるだしな人間らしい生き方が好ましいのだろう。
「変な能力与えられてもなぁ・・・」
それで地球を救えとかあいつを助けろとか倒せとか。そんなのは実際大変だ。アニメを羨ましく思う時があるがそれは他人だからこそ楽しめるものでもあるんだろう。
死ぬかもしれない恐怖にうちかつのは大変なことなんだ。そして人を救うなど・・・。
「簡単にできるもんじゃない」
「何が?」
「おわっ!」
こんなベタなことをさせたのは内野明日香だった。誰かに話しかけられて驚くって・・・。
なんか恥ずかしいことを考えてたので僕は誤魔化そうと適当に言葉を言った。
「キスをすることさ」
なんかとんでもなくキモいやつになっていた。
「ふーん、そうなんだー」
しかしそんな言葉にも内野は気にした様子がなかった。と思ったのは僕の気のせいなのだろうか。
あーなるほど分かった。普段の僕がもう気持ち悪いからか。
納得。
納得はしたけれど受け入れるつもりはさらさらない。
「もし、さ。私がキスさせてあげるーって言ったらする?」
「あぁ、するする。もうね、全国の優柔不断、ヘタレ主人公に言ってやりたいね。僕はここにいるぞと。もうその時点でルート決定さ。僕を舐めるな、そしてひれ伏せ」
「じゃあ、しよっか」
「すいませんでした!」
ドヘタレだった。僕が内野にひれ伏していた。というか土下座だった。
全国の優柔不断、ヘタレ主人公から逃げて、隠れたかった。僕はここにいませんよー。
「内野は冗談きついなー」
「むむむ・・・」
ん?なんか内野が可愛らしい。
いや、その可愛らしいことが異常みたいな言い方でとても失礼なのだけれどもしかして怒ってる?
「もう、ゆかゆかなんかしらないもん」
「語尾にもんとか僕を萌え殺すサキュバスかお前は」
失礼と言うか人を淫魔に例える最低人間の誕生。
僕もある意味淫魔だった。
「ゆかゆかなんか・・・ゆかゆかなんか・・・・・」
「え?なに?何を言われんの?」
「まつげが目にはいっちゃえーーーーー!」
「妙に現実的!!逆に怖い!」
内野は走り去ってしまったようだ。どこを反省すべきなのか見当がつかない。
「僕も帰るかな」
内野の後を追うように僕も帰ることにした。
また明日仲直りできるだろと考えながら。土下座をすれば許してくれるのだろうかと土下座セールまで考えていた。
また明日。
その言葉がここまで遠いとは思わなかったのだ。また明日。また明日・・・と。
もたもたしてますね・・・。
まだSFチックなことはまだ出てきていませんが始めなので。
でわ




