実は同床異夢?
「ねえ、私からもみんなに提案したいことがあるんだけど、聞いてくれる?」
エマに続いて、志織もその場を見回して全員にしゃべりかけた。
「それじゃ、私たちが初めに、このメンバーで班を作りましょうよ!」
「…」 「…」 「…」 「…」 「…」
直前までの熱気が嘘のように、志織の提案がその場を一瞬で静かにさせた。
“ビッテ! ワタシがハヤトと同じ班になれるなんて! でも、あまり喜び過ぎると他のみんなに変に思われるわよね…”
“オレなんかと一緒の班でカトリは迷惑しないのかな… しかし、あの竜崎や福本と同じっていうのは微妙だな…”
“とても俺からは言い出せないことをよく言ってくれたな、志織! だが、コイツらの前では喜ぶところは絶対に見せられない…”
“カトリと剛介を一緒にするなんて、志織はいったい何を考えているのかしらね、まったく… でもそうすると、ワタシテキには面白いモノが見られるかも…”
“志織さんと同じ班になるのは嬉しい! まあ、赤城のことはいいとしても竜崎と一緒になるのは、かなわないよな…”
同じ班になることが単純に嬉しい気持ちだけではない、という自分の気持ちを志織以外のメンバーたちは素直に表に出せなかった。
「エッ!? みんな急に静かになって… どうしたのよ?」
今まで全然気にもしなかった校庭での運動部活の掛け声が、教室内に響き渡るほどの静寂に志織も動揺を隠せなかった。
「ビッテ、ワタシはうれしいんだけど… みんなの気持ちがワタシと同じか分からなかったから…」
かなりうれしいことを隠して無理をして平静を装ったカトリが口を開いた。
「そうそう、俺もそう思っていたんだが、カトリも同じだったんだな!」
珍しく笑顔を見せながら剛介もそれに続いた。
「な~んだ! みんな賛成だったんだ! 誰もすぐに返事をしないから、様子を見ちゃったわよ、私は!」
エマは他のみんなの話を聞いて安心してから返事をしながらも、志織とカトリの顔を代わる代わるマジマジと見ていた。
「ねえ、赤城君はどうなの?」
安心した表情の志織が、まだ返事をしない隼人に問いかけた。
「オレはいいけど、みんなはオレなんかが一緒でもいいのか?」
「いいに決まっているじゃない! ねえ、フクモトクンもそうだよね?」
自信なさそうな隼人に、カトリが返事を即座に打ち返しつつ、陽二にも同意を求めた。
「…僕も賛成するよ…」
うつむきかげんの姿勢で陽二が返答をしたところ、剛介が噛みついた。
「お前、不満があるのか?」
「ゴースケは黙っていなさい! ワタシがフクモトクンと話をしているのよ! それじゃ、フクモトクンも賛成でいいよね!」
陽二がうなずくとカトリは満面の笑みになった。
「ねえ、みんな聞いてちょうだい! もう一つ提案があるんだけど、いいかな?」
エマがスマホをサクサクといじりながら全員に声をかけた。
「今度行く、合宿で泊まるホテルのことを調べていたら、面白いモノが近くにあることを見つけたんだけど…」




