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 ワジオジェ様のところへ向かうなので分かれ道をそのまま直進…。

 しなかった。


「お姉ちゃん見て見て看板できてる!」


 言われた通り分かれ道には看板ができていたのでそれを見るために立ち止まる。


      天然農場 

       ↑

 虫地獄← 現在地 →■■■■どうぶつの森

           雪妖精さんの泉


 コレ書いた人多分プレイヤーだよね?

 何となくそう思えることが…うん、見事に潰されてるね。

 行った感じ視覚的に一番キツいのはバッタだと思うけど、きっと虫嫌いなんだろうなぁ…。

 ぁー、芋虫もちょっと大きかったし苦手な人は無理そう。

 それはとりあえず置いといて。

 雪妖精さんの泉って私がやらかしたって言うヤツかな?

 気になってシュティに聞いてみる。


「そうですね。水を採取して鑑定すると制作者項目があって妖精さんの名前が出て焦りましたよ」


「掲示板も凄く賑わったみたいだねぇ~。今でもお姉ちゃんのこと囲おうとしてる人もいるみたいだし?」


 ルナが補足でそう言ってきた。

 囲うって…それは凄くイヤだねぇ。

 2人は良いとして私は早いうちにホームを用意した方が良いっぽいね。


「1日1度採取出来るし寄っていきますか?」


 そう言われて気になってしまっている私は頷く。

 ぁー、でもそのまま行くと私だってばれて何か面倒事になりそう。

 マップを見ると薄くなった青い点がいくつもある。


『ねぇ、今って私達プレイヤーに囲まれてるよね?』


『良くわかりますね。一応私が頼んでおいたイービルトレント前までの護衛だと思いますよ』


 なるほど、薄くなってるのは何でだろ?


『マップの表示が薄いのは何でかな?』


『多分ハイド系の能力じゃないかな。姿を消すヤツだよ』


 そんなのもあるんだねぇ。

 今のところPKを現す紫はない。

 やるなら今のうちかな。

 取ってあった魔法を選択する。


[幻魔法][ベール][強化]


 話を聞いてみるとハイド系の魔法は強化に分類されるらしい。

 一応光属性で再現した人がいるそうだ。

 所謂光学迷彩みたいな感じとか言われたけど私にはさっぱりだ。

 大事なのは魔法の強化で自分の姿が消せると言う事。

 それならコレもできるはず!


「《イリュージョンベール》」


「「え?」」「おー、流石ユキ様!」


「ファエリと同じ姿になってる?」


 自分自身じゃわからないので確認する。


「なってる」「見分けが付かないですね」


 ファエリは横に来て楽しそうに自分と同じ姿になった私を見ている。

 2人から見てもわからないみたいだ。

 それならいいかな。

 一応ファエリと手を繋いでクルクルと回る。

 コレで余計に判別しにくくなったんじゃないかな。


『とりあえずこれなら問題ないと思うし泉に行ってみようか?』


『そうですね。名前表示も変わってしまうとは思いませんでした』


 あ、名前の表示のことは忘れてたよ。

 もし変わってなければ見た目が変わってても丸わかりだもんね。

 2人が歩いて私が魔法を使ってた方に歩いて行く。

 獣道だったのがちょっと整備もされていた。

 遠くからでもちょっとした小屋ができていて沢山の人が並んでるのが見える。

 しかし列の消化はそれなりに早くあまり待たなくても良さそうだ。

 並んでいるとすぐに順番が来てシュティ、ルナと順番に入る。

 私とファエリは一緒に入る。

 中に入ると冒険者ギルドの制服を着た人が3人いて2人は護衛の様で武器を持っていた。

 やっぱりルールを守ろうとしない人もいる様で時々仕事があるみたい。

 もう風は吹いていないけど私が魔法で盛り上げた山の様になっているところから水が湧き出していた。

 湧き出た水は滝のように下に流れており水溜まりを作っている。

 その周りには薬草?と思われる植物が色々生えているようだった。

 容器はシュティが用意して私の事を職員さんに説明してくれてたので特に揉める事なく水を採取した。

 私の分を自分のアイテムボックスに入れる。

 正直言ってギルド規定の容器と見てすぐにわかるのだが重くて持てない。

 念力で浮かせば良いと思われるかもしれないけど氷像動かしてる時は使えなかったのだ。

 氷像を移動させながら念力で戦うのは無理みたい。

 氷で刃を作ってそれを振るうのは魔力を消費しきって氷が消えるまでが魔法の効果になってて、形がある間は操作出来るんじゃないかと言うのがシュティの予想。

 私もシュティの予想は当たってるんじゃないかなと思った。

 水を確保したのでお礼を言ってファエリと一緒に小屋から出る。

 小屋の作りは入り口と出口が別になっていて一方通行だ。

 なので逆走などをすると護衛の職員の方に捕まるというわけだ。

 この泉は私達プレイヤーだけじゃなく住民も利用できる様にギルドで管理することにしたみたい。

 余分に採れたのは商人ギルドで販売されているようだ。

 住民の薬師さんが入手できるようになって回復薬の品質がわずかに向上して生産量が増えたらしい。

 何にしてもとりあえず目的は果たしたので元の道に戻る。

 今回ファエリの分は貰わなかった。

 聞いてみると品質はこっちの方が良いみたいだけど妖精がいるので森にも泉はあるそうだ。

 看板のあるところまで戻ってきた私達は予定通り北に向かう。

 私はファエリと手を繋ぎながらルナの肩に座っている。

 1度だけシュティの肩に私達が座ってルナが写真撮ったけどそれで自分が映ってるのは満足した様で撮る方に戻った。

 やっぱり自分で見れないのは不満のようだ。


「シュティの動き凄いね~」


 ファエリはそんな事を言いながら楽しそうにシュティを目で追っていた。

 カメラ目線だね、わかります。

 そんなくだらないことを思いながら私は思考でメニューを表示して操作していた。

 私のスキルの確認だ。

 空きスロットが1つの控えが無い状態。

 ボーナスポイントが48残っててるのは熟練度上げのおかげかな。

 特殊魔法は統合に加えてボーナスポイントが3ポイント必要だった。

 聞いた話だと上位は統合時にポイントは必要なかったらしい。

 統合するのに300まで熟練度を溜める必要がありさらに3ポイント消費する。

 それだけ強力なんだと思うけどまだ全然試していない。

 とりあえず特殊に分類される魔法を習得したことで組み合わせにも変化があった。


[特殊魔法][上位魔法][基本魔法][形状][状態][種類]


 色々試しててわかったのは[状態]の項目は生成以外で使える様になった能力が利用出来た。

 現状は水の加圧と火の温度上昇があるけど利用出来そうなのは水の方かな。

 雪生成ができる様になったけど状態には元々雪が選択出来たから増えてはいないんだよね。

 [種類]に関しては攻撃、回復、強化、弱体、防御、拘束この6つだ。

 とりあえず今は習得するスキルをどうしようかな。

 すぐに必要になりそうなのは素材集めに使う採取系と加工系のスキルだろうか。

 木材の調達に伐採はいるとして、採掘があればマイホームの拡張ついでに素材も手に入るかも。

 加工系はとりあえず木工と石工があれば何とかなるかな?

 消費ポイントは伐木と採掘が3ポイントで木工と石工が2ポイントだった。

 とりあえず習得しておいてボーナスポイントは残りが38に。

 現状もう上位や特殊の魔法は覚えれないけど初級は全部統合する事ができて6属性使える初級魔法というスキルになるそうだ。

 シュティは最初から枠を空けるためにコレにしてあるそうだ。

 枠が空くというメリットはあるがもちろんデメリットもあるみたい。

 例えば熟練度を2つ100にして上位属性魔法に統合したとすると熟練度でボーナスポイントが4貰えている。

 通常であれば熟練度を上げてから統合すれば取得する時に使ったボーナスポイントが回収出来る。

 しかし初級魔法に統合してあると統合時に魔法スキルは消えないが熟練度が消費されるんだそうだ。

 初級魔法の熟練度を100に上げると上位魔法を習得出来るらしいが熟練度は0になる。

 この場合50と100の時に1度貰ったボーナスポイントがもう一度貰えるかというと貰えないんだそうだ。

 一部のスキルでは熟練度を消費して使える能力もあるらしく少し消費してもう一度貰うというのを繰り返せない様にって事みたい。

 とりあえず私としては風と土がないと普段使ってる魔法が使えないから取得しておかないとね。

 ついでに光と闇も取って8ポイント消費で残り30かー。

 こう言うのって使い始めると一気になくなるよね。


 スキル

 ・氷雪妖精

 ・氷属性魔法

 ・幻魔法

 ・影魔法

 ・風属性魔法

 ・土属性魔法

 ・水属性魔法

 ・伐採

 ・採掘

 ・鑑定

 控え

 ・付与魔法

 ・木工

 ・石工

 ・料理

 ・火属性魔法

 ・光属性魔法

 ・闇属性魔法

 パッシブスキル

 ・自動MP回復

 ・詠唱短縮

 ・魔力操作


 ボーナスポイント:30


 セットはとりあえずこれでいいかな。

 鑑定は敵も見れるらしいから試してみようかな?

 ただ鑑定するのに動かずに見続けないといけないらしいから結構危ないみたいなんだよね。

 基本は斥候の人が確認して情報を共有するとか。


『そういえば私達のパーティーって偏ってるね』


『そうですね』『魔法剣士が二人と魔法使いが一人だもんね』


 思いつきで言ったら二人に肯定される。

 私が調べた感じだと敵を引きつける役のタンクと呼ばれる盾持ち、味方を回復させる魔法を使えるヒーラーはパーティーを組むのに基本必須らしい。

 遠距離だけで殲滅していくとか敵を状態異常にし続けて動きを止め続けるみたいな特殊な戦い方には入ってないみたいだけど。


『フルPTで組める様になりたいね~』


『理想としてはタンクとヒーラーに物理火力でしょうか?』


『だね~、もしくはタンク、サブタンク、ヒーラーで私とシュティが火力とか!』


 私はどちらの場合でも補助をやれば良さそうだね。

 回復魔法も組んでおけばサブヒーラーもできるかな?

 いずれ回復魔法も組んで試していかないとね。

 どんな編成が良いか話しながら森の中を進んでいく。

 ファエリの案内もあって敵に遭遇しないというのは大きい。

 その為敵が出る森を歩いているのに緊張感が足りない気がする。

 マップをちらっと見ると私達を囲む様にプレイヤーが映っているので少し心配になる。

 護衛だという話だから大丈夫だと思うけどね。

 安全な道を行くためか蛇行しながら進んでようやくボス部屋が見えてくる。

 植物エリア1のボスは確かイビルトレントだよね。

 木を倒すならアレの出番かなー。

 そんな事を考えながら攻撃魔法を組んでいく。

 今回は私も戦いに参加するつもりだ。

 前回戦ってるのを見てある程度攻撃方法と射程は把握出来たんじゃないかな。

 エリアの切り替わり付近に到達すると木から誰かが下りてきた!


「シュティナ、俺達はコレで引き上げるけど大丈夫か?」


 木から下りてそう言ってきたのはレオンさんだ。

 少し暗い感じの森の中で大柄な男性がいきなり現れるとちょっと威圧感があるね。

 ずっと木の上を移動してたらしい。

 通りでマップには反応あるのに見えなかったわけだよ。

 私上は見てなかったもんね。


「えぇ、ありがとう」


「気にするな、面白いもん見れたしな。一応聞くけど雪妖精さんの姿が変わったのは魔法か?」


「ぁ、はい。幻魔法です」


 質問に答えるとレオンさんは腕を組み何か考える様な仕草をしている。

 シュティとルナも失敗したーみたいな表情をしてるんだけど何で?


「雪妖精さん、情報は金になるし武器にもなる重要なモノだ。どこで誰が聞いてるかわかんないんだから簡単に口にしたり伝えたりするな」


「ぁ、はい。気をつけます」


 なるほど、こういうちょっとした情報でも戦闘に関わってくるし言わない方が良いのかー。

 もしかしてラギさんがメープルベアの情報伝えた時に気にしてたのもそのせい?

 こ、今度から気をつけよう。


『ラギさんにも言われてたのにちゃんと説明しておくの忘れてたぁ…』


『あはは…、ごめんね』


『妖精さんが謝ることではないですよ。私も伝えておくべきでした、すみません』


『とりあえず次から気をつけるよ。この話はコレで終わりにしよ』


『うん』『はい』


 私達がPTチャットで話してる間にレオンさんも仲間と連絡を取ってたみたい。


「さて、俺達は撤収するわ。面白そうな話があったら教えてくれよ」


「ぁ、レオンさん」


「ん?」


「もしスピアハニービーと戦ってなければ戦わないままでいた方が良いかもしれません」


「何でだ?」


「何となくです」


「ふーん。詳しいこと言える様になったら教えてくれ」


 そう言って手をひらひらと振って背を向け去って行った。


『行こうか』


 私がそう言うとボスエリアに入っていく。

 赤い光が周囲を包んでいくと中央にあった大きな枯れ木が枝を揺らしながら3つある洞の2つに暗い紫の光が灯る。

 以前二人が倒したイビルトレントは3メールほどだったが、このボスは正確にはわからないけど5メートルは超えていると思う。

 腕の様な枝も人の同並に太くアレで殴られればひとたまりも無さそうだ。

 違いがあるとすれば身体を持ち上げて動く様子がないことだろうか。

 イビルトレントが耳障りな声を上げた瞬間にルナとシュティが左右に別れ走り出す。

 ルナは事前にファエリから月魔法について聞いていた。

 月魔法は強化や弱体化の魔法がメインとなるらしい。


「《フィジカルアップ》」


 ルナが走りながら魔法を使う。

 するとルナとシュティに光が降り注いでいく。

 確かフィジカルアップは身体能力の上昇だったかな。

 特徴として変わっていると思ったのは月の状態に影響を受けると言う事。

 今は朝なので見えてはいないけどルナはメニューに表示される様になったって言ってた。

 月魔法の能力の1つなんだそうだ。

 シュティの方は普段使っている剣じゃ無いようだ。

 普段のは片手でも扱えるショートソードと呼ばれる種類だったが今手にしているのは肉厚で幅広の両刃だ。

 使い勝手が違うだろうし何より重さが違うのか時折引きずっている。

 ルナが以前言っていたがシュティはスピードを生かした剣技に魔法を組み合わせて戦うスタイルだったはず。

 その理由はすぐに理解することになった。


「《エンチャント・ファイア》!」


 剣を炎が包み込み一閃。

 その刃はイビルトレントの大きな傷をつけ発火させる。

 腕代わりの枝で受け止めたが火が付いたことに焦ったのか何度も枝で地面を叩き消火しようとする。

 その間にもイビルトレントは根を使いルナとシュティを攻撃していた。

 しかし二人は襲いかかる根を躱し場合によっては防いだり切り払いながら移動していく。

 隙を見つけては本体へ攻撃をしかけようとしている。

 私と言えばずっと詠唱中でした。

 そうそう、詠唱を開始したら《イリュージョンベール》がとけたみたい。

 多分何かしらの攻撃などをするとダメなんじゃないかな?

 それはさておき今詠唱してるのはここに来る前に組んだ魔法なんだけどね。

 イメージは伐木に使うアレですよアレ。

 チェーンソー!

 斧じゃないのはこっちの方が木を切ってるイメージが強かったから。

 それにしてもなーがーいー。

 今までで一番だと思う。

 はやる気持ちを抑えながら二人の動きを目で追う。

 二人の動きは明らかに以前より良く連携もできている気がする。

 しかしルナの方は時折地面からの触手を避ける時のステップが行き過ぎて攻撃のチャンスを逃していた。

 多分身体強化に慣れていないから力加減などがわからずに普段通りの力で動いてしまい強化されてる分無駄な動きになってしまっているのかな。

 後時々キョロキョロと見回してるから自分の動きを把握し切れてないみたい。

 シュティの方も最初動きに戸惑っていたけどそこはすぐに感覚を掴んだみたい。

 でも問題が無いわけじゃないようで武器の方が真っ赤になってきている。

 剣が纏っている炎は魔法で剣に熱が加わって無くても切る瞬間や重さで剣を引きずってしまった時など魔法の効果で周囲や剣にも熱が加わってるみたい?

 魔法の使い勝手がわからなかったから普段の使い慣れた武器じゃなくて新しくて頑丈そうな肉厚の剣を用意したのかも。

 二人の戦いを魔法の準備をしながら私なりに分析していく。

 そうしているうちにようやく準備が整った。


『お待たせ』


『お姉ちゃん!』『離れます』


「《アイスチェーンソー》!」


 私が創り出したのそれは氷でできた伐採に使われる道具だ。

 いずれイビルトレントと戦うことになると思って切り札にするために勉強していたのだ。

 と言ってもネットの知識だから完全なモノではないかもしれないけどね。

 けど現れたそれはチェーンソーと言うには形状が大分違った。

 まず本体部分がなかったのだ。

 本体はエンジンに制御装置等、動かすために必要な部品でできている。

 それが無いということは回転する刃であるソーチェンと、これを誘導するガイドバーしかないのだ。

 申し訳程度に剣の柄みたいな部分があるね。

 氷でできているその刃がゆっくりとだけど回り始める。

 どんどん勢いを増していき凄い音を立てながら回転する。

 何か氷が回転で削れてダメになりそうな気がするんだけどそうはならないみたいだ。

 流石魔法。

 イビルプラントは妖精の魔力に惹かれたのか、こちらを驚異と感じたのかはわからないがこちらに向けて根を伸ばしてきた。

 根が盛り上がっていた地面から勢いよく私の方へ向かって突き出てくる。

 向かってくる根を巻き込むように刃先をイビルプラントに向けて突っこませる。

 根が接触した瞬間、回転する刃はそれをズタズタに切り裂き止まることなく飛翔する、

 そして動いていなかったイビルプラントに削りカスを撒き散らしながら突き刺さる。

 剣の柄のような部分があるため貫通はしない。

 突き刺さった魔法のそれが消えてないと言うことは操作ができるはず!

 柄の分だけチェーンソーを引かせて柄頭を支点に回転させた。

 刃はガリガリとイビルプラントの内側から外樹皮を削り割き勢いそのまま一回転して反対側を外側から削り中心へ。

 イビルプラントのHPゲージは2本のうち1本目が半分減っていただけだったにもかかわらず一瞬で無くなった。

 切られ支えれなくなって倒れかけていたその巨木は次第に光になって消えていく。

 その場に残されたのはイビルトレントの顔がある丸太だった。

 それを見て呆然とする私達。

 凶悪な魔法の威力と残された丸太の大きさに。

 一番復帰が早かったのはファエリで。


「凄い、凄いよ!ユキ様!」


 そう言って私の手を持ってクルクル回り出した。


「わわ、ファエリ止まって-」


「か、可愛い!」


「いやいや、そうじゃないでしょ!?」


 振り回される私を見てシュティがいつも通りに反応しルナが突っこんでいる。

 ただ魔力を消費しすぎたのか少し目眩が…。


「ユキ様!?」


 私は抱きしめられるのを感じながら気を失った。

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