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 いつもの様に氷に囲まれた私用のベッドで目を覚ます。

 ちなみにベッドが氷のままだと固くて寝るのも寝起きも辛い。

 だけど熟練度上げで攻撃以外の魔法でできることが増えたから思いつきでやったらできたのだ。

 氷生成ではなく雪生成!

 コレにより私のベッドは堅さが軽減されたのです!

 雪のベッドですよ。

 起きると雪は固まってました。

 そうですよね。

 しかもちょっと埋まってました。

 でも寝心地は悪くなかったようで寝起きは前より良い感じ。

 さてと。

 浮き上がって寝床である保冷バッグからでる。


「おはよう」


「おはようございます」「ユキ様おはよー!」「おはよー」


 シュティ、ファエリ、ルナがそれぞれ挨拶をしてくれる。

 私のログインが最後だったみたい。

 PTは脱退等していなかったから3人で組んだままだ。

 ファエリもPT内にいるけどプレイヤーという意味で3人。


「今日は予定通りワジオジェ様のところに行ってお土産貰ってから蜂の女王様に挨拶かな」


「そうですね。可能ならプリンセスハニービーとお近づきになりたいです」


 私の確認をシュティが肯定して希望を言った。

 間違いなく目的は蜂蜜!

 それを私とルナも察して頷いた。


「主様にお土産買っていきたい!」


 そこにファエリが元気よくそう言って手を上げる。

 確かに何か持っていくのは良いかもしれない。

 そう思ってシュティとファエリ、私とルナのペアでいくつかお土産を買っていくことにした。

 でもその前に……。

 ぐぅ~っというお腹が鳴る音がする。

 シュティとルナは顔を赤くして視線を彷徨わせる。


「ぁ、私もお腹空いたー!」


 ファエリは二人のお腹に同意して元気に飛び上がる。


「ふふ、まずはご飯食べようか」


 私は笑いながら二人を促しつつ氷の部屋を洗面所に移動させる。

 せっかくだし今日浮かす氷像はスピアハニービーかな。

 3体ほど作り私の周りを飛ばす。

 氷像だから同じ形のまま飛んでるからちょっと違和感はあるけどね。

 実際に生きてる蜂が近くいたら怖いか。

 二人も準備できたみたいだったから私達は下の階の食堂へ移動した。

 まだ朝早い時間なのに席は殆どが埋まっていた。

 やっぱり夜の方がプレイしている人が多い感じかな。


「ぉ、こっち来いよ」


 ラギさんが私達を見つけて手を振っていた。

 初めて会った時とかなり印象が変わったと思うのは私だけじゃないはず。

 あんな言い方をしていたけれど根は優しい人だったんだろう。

 今回は一緒にPTメンバーである三人も席に着いていた。


「「おはよー」」「「おはようございます」」


 ルナとファエリ、私とシュティが挨拶をする。


「「おはよう」」


 ガイさんとプリメラさんが挨拶を返してくれボルグさんは手を上げて応えてくれる。


「ボルグ、てめぇも挨拶ぐらい言葉にしろよ…」


 ラギさんがそう言うがボルグさんは肩をすくめるだけだった。


「ボルグのヤツはああ言うRPで楽しんでるみたいでな。許してやってくれ」


「大丈夫ですよ。ね?」


 ガイさんのフォローに私がそう言って二人に聞けば頷いて肯定してくれた。


「ふわぁ…」


 プリメラさんはまだ眠いのかあくびをしている。

 気になって視線を向ける。


「ぁー、私達夜に狩りに行ってきて戻ってきたところでね~。眠いのよ~」


 ゲーム内だからと言って不眠不休で動けるわけじゃない。

 なので戦闘の合間に休憩はするし街に戻れば睡眠を取る。


「ぇ、夜に狩りって。強くなるんですよね?」


 しかし私はそれ以上にプリメラさんの言葉に驚いて聞き返してしまう。

 夜は敵のステータスが上がってたり行動が変化する可能性があるそうだ。

 それに加えて昼にいなかった敵が出る場合もあるとか。

 さらに視界も悪いし灯りをつければ敵に襲われる可能性が上がる為危険度が増すと言われているそうだ。


「そうだな、今回の場合はユキさんがくれた情報の検証に加えて行動の変化がどんなのか確認しようって話になったんだ」


「実験って言われたからな。ついでに足りてなかった夜の行動変化も見てきたんだよ」


 ガイさんが説明してくれて、ラギさんが補足してくれた。

 話していると準備してあったのかメールが届く。

 確認すると私の集めた情報に4人が確認してきた内容が追加で記載されていた。

 何度か戦ってから試したのか3人の時と4人の時での行動の変化も書いてあった。


「ありがとうございます」


 それからはガイさん、ラギさんとメープルベアとどうやって戦った方が良さそうか意見を出し合った。

 ルナやシュティは話を聞きながら何か操作していた。

 多分掲示板かな?

 プリメラさんは…、座ったまま俯いて動かなくなっちゃったけど多分寝てるね。

 そんな話をしていると女将さんがお水を持ってきてくれた。


「待たせたね、注文はどうする?それに作ってくるかい?」


 ちょと期待してる様子で私を見てそう言ったので熊肉を1つ渡す。

 前回の料理にバフが付いてたって言ってたし森に行くならあって困る物じゃないはず。


「調理法はまかせて貰っても?」


「はい、お願いします」


「はいよ、そうそう掌の方も出したげるよ」


 そう言って調理場に戻っていく女将さん。

 女将さんが離れるとルナがそわそわしているのに気づいてシュティが声をかける。


「ルナ、どうしたんですか?」


「昨日食べたけどメープルベアの料理がすっごく美味しかったんだよー」


「アレな!マジ美味かったぞ」


「ほぅ、もし良ければ俺達にも分けて貰いたいモノだ」


 聞いたところガイさん達は食事が終わったら休むため前回バフが付いた熊料理は頼まなかったのだそうだ。

 ルナの言葉を一緒に食べたラギさんが同意したこともあり話題は食べ物の話に。

 今のところこの世界では醤油や味噌みたいな調味料は見ていない。

 けれどパンは黒パン以外にも種類はあるし聞いていると魚醤もあるみたいだ。

 チーズやワインは大陸からの輸入らしいがあるとのこと。

 なので発酵食品がないわけじゃないみたいだ。

 気になるのはケーキだろうか。

 他の料理と比べると明らかに発達しすぎている気がする。

 だってリアルで食べているのとほぼ同じようなモノが食べれるのだ。

 ただ材料が輸入にかなり頼っているという話でケーキ1個で宿の食事が3回は食べれる高級品だ。

 それでも客が入っているのをよく見る。

 客の話ではこの島でしか食べれない様なことも言っていた。

 うーん。


「お姉ちゃん?」


 考え込んでいた私はルナに呼ばれそちらを見ると、いつの間にか料理は来ていた。

 私の分を渡そうとしてくれていたのでお礼を言って受け取る。

 冒険に行くのに飛べなくなると困るから熊肉は遠慮しておいた。

 今日のメニューはお肉は抜きのスープと野菜炒めに果物だ。

 以前お肉入りのスープでもお肉自体を食べなければ飛べることは確認してあるのでスープは気にせず飲んでいる。

 ファエリもシュティと食べ歩いてそれはわかっている様で美味しそうにスープを飲んでいた。

 ほぼ寝ていたプリメラさんは頼んでいた料理が来るとガイさんに起こされ眠そうにしながらも嬉しそうに食べていた。

 運ばれてきた料理を食べて居ると女将さんが追加の品を持ってきた。

 熊肉と掌を使った料理だ。

 プリメラさんが写真を撮るのを待ってから分けて食べるみたい。

 女将さんは一緒に食べると察してくれたのか以前よりも量が倍以上多い気がする。

 その為みんな満足出来る量がまわっている感じ。


「「うまい!!」」「「「美味しい!!」」」


 食べた感想はみんなほぼ同じだ。

 最初に美味しいと言ってからは皆無言で食事を進めている。

 唯一ボルグさんだけはあまりのおいしさにか涙を流し感動?していた。

 ガイさんとラギさんはお酒を飲んでいたけどペースが上がった気がする。

 みんなあっという間に食べ終えていた。

 それだけ美味しかったのがわかるね。

 うん、やっぱり今度女将さんに調理法習おう。

 食べ終わっても話題は熊肉と掌の料理だった。

 気にはなるけど私は飛べなくなると困るから食べたことないんだよね。

 いずれマイホームができたら持ち帰って食べよう。

 そしていずれ私が作って振る舞えたら良いなぁ。

 目的の1つだったバフも付いた様でその事についても話している様だ。

 ファエリは話しについて行けなくて退屈なのか私にじゃれついてきたので相手をする。


「ユキ様~、えへへ」


 頭を撫でてあげると嬉しそうにしている。

 最初は遠慮がちだったけど元々甘えたがりだったのか時々抱きついてきたりする様になった。

 多分シュティに何か言われたんだと思う。

 だってシュティが凄い嬉しそうにこっちを見ているんだもん。

 間違いなく録画してるよね、アレは。

 まぁファエリが嬉しそうだし私もイヤじゃないから良いんだけどね。

 ただルナの目つきがちょっと怖い気がする。

 ある程度話していると本格的にプリメラさんが限界がきた様で机に突っ伏してしまった。

 バフの効果時間が思った以上に長いらしく余裕はあるみたいだけど私達はそろそろ出発しようという話になる。

 プリメラさんはガイさんが部屋まで運ぶ様だ。

 その際女将さんに付いてきて欲しいと頼んでいた。

 女性が泊まっている部屋に勝手に入るのが申し訳ないのと二人きりにならないようにと言う事みたい。

 食器を下げた私達は宿を出る。


「集合時間はどうしようか」


「今の時間が9時過ぎなので9時半頃にして、集合場所は北門でどうですか?」


 私もルナも異論はなかったので頷く。


「じゃ、二人ともまた後で!」


「はい、また後で」「行ってくるね~」


 シュティはするすると人が増えてきて混み始めている道を進んでいった。

 それを二人で見送るとルナが私を見て手を差し出す。


「お姉ちゃん、私達も行こうか」


 頷いて差し出された手の方に飛んでいきそのままルナの肩に飛んでいく。

 私が氷像を街中で出してても何も言われなかったので保冷バッグを持ち歩くのをやめていた。

 ルナはそれでも一緒が良いみたいで肩に座っててと言う。

 ラギさんに以前言われた通り急に何かあって動く時に保冷バッグがあると邪魔になっちゃう。

 乱暴な方法だけど肩に座ってるだけなら置き去りにして貰って私はすぐに飛べば良いからね。

 と言っても街中でトラブルはそうそうないみたいだけど。

 やっぱり冒険者がいるって事で堂々と悪さする人はいないみたい。

 逆に素行の悪い異人の方が問題になったりしそうだね。


「とりあえずどこいく?」


「ケーキかな」


「了解!」


 お土産にケーキって言うのは定番だよね。

 食べてもらえるかわかんないけどね。

 蜂の女王様がプリンセスハニービーと同じような見た目ならケーキも食べれそう。

 ワジオジェ様が食べるかわからないけど妖精達は喜びそうだしね。

 ルナとどんなの買っていくか話しているとケーキ屋スンサーマに到着する。

 まだ朝の早い時間のためお店に客はそこまでいない。

 ショーケースに入っているケーキを見てアレじゃないコレが良さそうと2人で話す。

 お店に着くまでにある程度決めてたつもりだったけどやっぱり直接見ると迷ってしまった。

 ホールケーキも含めていくつかケーキを買っていく。

 ケーキ代はルナが払うと言って聞かなかった。

 言われてから思いだしたんだけど前回のケーキ代を払ってなかったからだそうな。

 すっかり忘れてたよね。

 大分呆れた顔をされたけど気にしない。

 そういう事もあるよね。

 迷って時間をとられたこともあり集合時間が近くなっていたのでそのまま北門へ向かう。

 到着して周りを見渡すがシュティはまだの様だった。


『そういえばクエストは受けていかないの?』


 気になったことがあったのでPTチャットで聞いてみた。

 ただ移動するだけよりもクエストをこなしながらの方がお得だと思うのだ。


『私はどっちでも良いと思う。どうする?』


『なしにしましょう。今回は移動が増えそうですし理想としては今日中に拠点設置したくないですか?』


『『したい!』』


『2人はもう門ですか?』


『うん、シュティ待ち~』


『急ぎますね』


 クエストはなしか~。

 私としてはボーナスポイントまだ余裕あるから良いかな?

 受けるとしたら採取だろうけど確かに探したりで時間取られちゃうもんね。

 それよりもホームかぁ。

 設置出来たらしばらくは増築とかで籠もろうかな。

 森が近いから木材は集めやすそうだし。

 土魔法で地下の壁は補強していけば良さそうな気がする。

 鉄類は当分無理だと思うから素材は木で作れる範囲だよね。

 ちょっと考えてたら楽しくなってきちゃった。

 スキルの方で使えるのはないか見る。

 まずは木工だろう。

 木の加工に関わるスキルだね!

 同じ生産系統で材料が違う石工も必須だろう、きっと。

 地下の拡張は多分魔法でできるとして空調も魔法でできないかな?

 余裕ができたら試してみようっと。

 水の確保も魔法でできるだろうし…。

 あれ?

 魔法が使えれば生活水準簡単に上げれそうな気がする?

 先に考えておいた方が良いのはお手洗いかな?

 水洗は難しそうな気がするんだよね。

 とはいえプレイヤーは体内に取り入れたモノが謎処理されるから必要ないと思われているけどいずれ住人を雇ったりするかもしれないし?

 貯める仕組みと施設は頑張れば何とかなるかもしれないけど溜めた後どうするかだよね。

 正直なところ気は乗らないけど肥料かな…?

 どうせなら活用した方が良いもんね…きっと。

 あぁ、でももしかしたら浄化できる施設なんかもあるかもしれないし調べた方が良いかな。

 そんな事を考えながら過ごしているとシュティも来た様だ。


「お待たせしました」「お待たせ~」


「それじゃ行こうか」


 私がそう言うとルナが歩き出す。

 シュティもルナの隣に立って歩きだす。

 ファエリは元気よく私達の周りを跳び回っている。

 最初の目的はワジオジェ様の所だ。

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