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 私達は木陰になっているところへ移動する。

 ルナとシュティが座ろうとすると調さんが止めて何やら取り出した。

 アレは丸太?


「何かに使えそうだったから回収はしていたんだよ」


 そう言って丸太に布を掛け即席のイス代わりにする。

 私がやらかして倒してしまった時の丸太だったようだ。

 何となく複雑な気持ちになりなる。

 私の失敗を見せつけられてるような気がする。

 でも休憩には丁度良いから偶然だけど役に立ったって考えるべきかな。

 さてドロップを確認というとアイテムボックスだよね。

 あ、その前に。


「そういえば戦闘中に質問してすみませんでした。ストンプって何だったんですか?」


「大丈夫ですよ」


「今回お姉ちゃんは飛んでるから関係なかったから問題なかったけど初見だと次に備えないとだから聞いて正解だったかも」


「俺が答えるべきだったんだが焦っててな、すまなかった。ストンプは…、地面に衝撃を与え、一定範囲にダメージとよろけ等行動を阻害する効果付きの攻撃って考えてくれれば良いかな」


「対処法はタイミングよくジャンプが一般的だよ」


 ルナと調さんがストンプについて教えてくれた。

 なるほど、空中にいた私には効果が無い攻撃だったみたい。

 攻撃によっては2度目に備えた方が良い場合もあるから確認した方が良いみたい?

 中々難しいね。


「指示出来るメンバーがいればまた変わってくると思うけど初見だと攻撃を受けてから対応になるから難しいよね」


 そうやって聞くとやっぱり情報は大事なんだね。

 事前に敵の情報がわかるかどうかで難易度が変わってくるんだね。

 よし、私もアイテム確認しておこう。

 確認してみると新たに入手してアイコンの上に(new)と付いたアイテムが5つあった。


 ・メープルベアの毛皮

 ・メープルベアの肉

 ・メープルベアの掌


 この三つは何となくわかる。

 毛皮は防具に使うんだと思う。

 肉と掌は食用だよね。

 掌はコラーゲンたっぷりなんだっけ?

 妖精の私が肉を食べるとデメリットが気になるけどいつか食べてみたいと思う。

 飛べなくても安全な場所があれば良いのかな。

 4つ目のアイコンは毛皮の色が違う奴だ。


 ・メープルベアの鋼皮


 メープルベアの硬化した皮。

 怒りに満ちたメープルベアの皮は何らかの影響で変異しており金属と比べられる事もある。


 金属と比べられる硬い皮かぁ…。

 シュティナさんの剣を弾いてたのはこれが原因っぽいね。

 見た目は普通の毛皮にも見えるけどよく見ると皮の部分は赤黒いのが特徴かな。

 服の下に隠せるなら有りなのかな?

 さて…

 現実逃避するのはやめよう。

 最後の一つ。

 うー。

 アイコンだけでも嫌な予感がしてるんだよね。

 だってデフォルメされた熊の頭だもん。


 ・メープルベアヘッド


 メープルベアがかぶっていた頭装備。

 どれだけ暑い時もこれをかぶって生き抜いてきた。

 かぶることでその力の恩恵を得ることができる。

 脱ぎたて(はぁと)。


 …。

 運営の悪意はきっとこれに凝縮されている。

 最後の一文要らなかったよね!

 う、うーん。

 …。

 ……。

 ………。

 よし、売るか捨てるか押しつけよう。


『俺は毛皮と肉だな』


『私はそれに掌と鋼皮がある』


『おー、鋼皮はあるけど掌は私もないなぁ?レアなのかな』


『ユキさんはどうだ?』


 三人がドロップの話をしていたのをこっちに振ってきた。

 どうしようかな…。

 流石に隠す気は無かったので共有画面に設定する。


『私はその4つ以外にこれがありました』


 三人とも画面を見ているようだ。


『うーん、これは…』


『あの頭ってかぶり物だったんだねー。下はどうなってるんだろ』


『それよりも鋼皮が思ったより硬かったから防具に期待です』


『シュティナさん戦闘中に硬くなった後なんですけど…』


 シュティナさんの言葉に反応してルナがあれこれ質問し始めてる。

 でも若干ぎこちないと言うか遠慮気味なのは憧れてるからなのかな?


『ユキさん多分だけど俺達になかった頭は部位破壊報酬だと思う。部位破壊報酬は部位破壊に一番貢献したプレイヤーに入るはず。今回の場合は最後の魔法で壊れたんだろう』


 なるほど-。

 情報を上げて良いか聞かれたのでどうぞと答えておいた。


『それよりも調さん、かぶりませんか?』


『かぶらねぇよ!』


 怒られた。

 残念。

 これ以上先に進むのはやめて街に戻ることにする。

 エリア移動で戻る時はボスがでないんだそうだ。

 来た道を引き返して街の近くへ。

 門の前に付いた時には夕方になっていた。


『お姉ちゃん、はい!』


 そう言ってルナが私に保冷バッグを向けてきていた。

 お礼を言って最初と同じように氷の容器を作って中に入る。

 ぁー、氷像どうしよう。

 試しにそのまま浮かせておこう。

 三人が歩いて冒険者ギルドに入る。

 空いているカウンターに行く。

 クエスト報告専用のカウンターらしい。

 何でも冒険者が一気に増えたから一時的に作ったそうだ。


「クエストの報告でしょうか」


「あぁ、四人分報告を頼む」


「少々お待ち下さい」


 《クエスト「スモールボアの討伐」をクリアしました》

 《報酬→ボーナスポイント:2 200G》

 《クエスト「ホッピンラビットの討伐」をクリアしました》

 《報酬→ボーナスポイント:2 200G》

 《クエスト「コッコ卵の採取」をクリアしました》

 《報酬→ボーナスポイント:1 500G》

 《クエスト「薬草の採取」をクリアしました》

 《報酬→ボーナスポイント:1 300G》


「ありがとうございました」


 報告が終わると職員さんは深くお辞儀をしてお礼を言われた。


『基本的に採取はポイント1でその分お金が多い。逆に討伐はポイントの方が多いな。まぁ討伐の場合は素材売ればお金になるから金額は気にならないかと思う』


 調さんの説明に頷く。

 そうだよね。

 要らない素材は売れば良いんだもんね。


『ちょっと行ってくる』


『どこに?』


『買い取りカウンターに』


『私も付き合うよー』


 ルナが着いてきてくれるそうなので保冷バッグの中から出るのをやめる。

 買い取りカウンターはまだあまり人が来ないのか職員の方は暇そうにしていた。

 立派な髭のある厳ついドワーフだった。


「おう。今日は何の持ち込みだ?」


 職員の方がそう言うとウインドウが表示される。

 そのウインドウに売りたいアイテムを入れるようだ。

 とりあえず一番持っていたくないモノを入れよう。

 メープルベアヘッドを入れてみた。


「おいおい!嬢ちゃんこれをホントに売る気か!?」


 え?

 何で大声でそんな事言うの!?

 周りの視線が集まってる気がする。


『何があった?』『妖精さんどうしたの?』


『お姉ちゃん何売ろうとしたの?』


『メープルベアヘッド…』


「何でこれを売ろうとしたかわかんねぇが、これは滅多に手に入らないモノだぞ?」


「何に使えるんでしょうか…?」


「そうだなぁ、これを加工したモノだと子供に人気がある熊の着ぐるみだ。実際ここらで一番使われるのは餌だけどな」


「「餌?」」


「おう、海で大物が釣れることがあるらしいから漁師のヤツらは喜ぶぞ」


 釣りの餌かぁ…。

 詳しく知りたくなったら漁師さんに聞いた方が良いかな。


「どうした方が良いんですか?」


「そりゃ嬢ちゃんが自分で決めることだと思うんだがホントに売る気か?」


「うーん、一応取っておきます」


「そうしろそうしろ、着ぐるみにするなら職人を紹介するが…。嬢ちゃんじゃ着れねえな!」


 私を見てからがははと笑うドワーフの職員。

 さっきまで静かだったから余計に目立ってる気がするよ。


「まぁ、今売るならスモールボアとかホッピンラビットにしときな。メープルベアはよく考えるこった」


 言われる事に頷いてイノシシとウサギの皮や肉を売る。

 イノシシ肉が4つと皮が3つにウサギ肉が15個に皮が7個あった。

 全部売却しておく。


「ここで売った後はどうなるんですか?」


「肉なら食道やら露店、皮は加工出来る職人が買い取りにくるぞ。何かを作るにも素材はいるからな」


「そうなんですね、ありがとうございます」


「おう、また持ってきてくれよ!」


 ルナも目立っているのがわかっているので急いで離れる。

 それを見ていた二人も同じように合流してくる。


『ユキさんよりルナさんが目立ってた感じだったな。とりあえず宿に行くか』


 調さんは笑っているけど私じゃなくてルナ…?

 ぁ、もしかして私が保冷バッグに入ってたからか。


『お姉ちゃん隠せたなら我慢するけど…。何で宿?』


『宿に泊まって寝るとプレゼントが貰えるらしい』


『ぉー、なんでだろうね』


 理由を知ってそうな調さんを見ると笑顔で黙りを決め込んだみたい。

 楽しみは取っておこうって事かな。


『そういえば南側の宿で食事が美味しいところあった気がする!』


『南の宿で食事が美味いって言うと…。あぁ、あそこなら丁度いいな』


 行くところは決まったようでまた三人は歩き出す。

 その間は余裕があるのでスキルの確認をしておく。

 氷雪妖精→139、氷属性魔法→85、風属性魔法→5、土属性魔法→5、自動MP回復→67

 何か凄く育ってる。

 ボーナスポイントが3増えてる!


『熟練度って増えやすいんですね』


『ユキさんの成長具合はわからないけど普通は早くないかな』


『自動MP回復は500が上限で成長は早かったはずです』


『お姉ちゃんの場合は熊までに魔法攻撃結構撃ってたし氷の維持でも増えてるもんね』


『ぁー、そう言われればそうか』


 何か納得されたようだ。

 んー。

 スキルポイントは15になってるし何か取ろうかな?


『何か見られてないか?』


『きっとお姉ちゃんが可愛いから』『きっと妖精さんが可愛いから』


『お前ら…。でもまぁ、原因はユキさんっぽいな』


 ん?

 私が何かの原因?


『何かあったんですか?』


『多分ユキさんが作った氷像が浮いてるから注目集めてるかな』


 そう言われて周りを見てみる。

 確かにこっちを見てる。


『どうした方が良いかな?』


『まぁ、何かあるわけじゃないから気にしなくても良いかもな』


『ギルドで氷像の事は何も言われなかったし一緒に飛んでても良さそうだけどね』


 確かにギルドでも何も言われなかったな…。

 でも今出て一緒に飛ぶのは何となく恥ずかしいからやめておく。


『試すのは今度にするよ』


 そう言って保冷バックに椅子を作って座る。

 浮かせてた氷像も中に入れる。


『明らかにがっかりした表情の人がいるな』


『仕方ないね』『可愛い妖精さんが見えなくなりましたからね』


『お前らホント仲良いな』


『シュティナさんは私の同志だからね』


『そういうことです』


 いつの間にかルナとシュティナさんは同志になったみたい。

 何のかは考えたくない気がするけど。

 そういえば熊のドロップ確認した後から色々話してたからその時かな。

 仲良くなるのは良いことだよね。

 ワイワイ話してるのを聞きながらスキルを眺めるのに戻る。

 おすすめされてたのだと消費MP軽減と詠唱短縮だったっけ。

 どっちもポイントは足りてるけど戦闘中に気になったのは詠唱時間。

 なので詠唱短縮を取ることに。

 パッシブスキルだからか消費ポイントは10でした。


 スキル

 ・氷雪妖精

 ・氷属性魔法

 ・風属性魔法

 ・水属性魔法

 ・火属性魔法

 ・土属性魔法

 ・光属性魔法

 ・闇属性魔法

 ・空きスロット

 ・空きスロット

 控え

 なし

 パッシブスキル

 ・自動MP回復

 ・詠唱短縮(new)


 残ったポイントは5かぁ。

 やってみたいことはあるけど今は我慢かな。

 スキルの確認を終えると丁度お店に着いたようだ。


「あ、ルナちゃん!大丈夫だった?怖い事されてない?」


「プリメラさん、大丈夫ですので揺すらないで―」


 上を見上げるとルナはプリメラさんに肩を掴まれ前後に揺すられてる。

 そうすると当然保冷バッグも揺れるわけで。

 うわ、危ない!

 今氷像にぶつかりそうだった。


「痛っ」


 うん、結局頭を打ったよね…。

 街の中だからHPは減らないのかと思いきやちょっと減ってた。


「ぁ、ユキさんごめん。ルナちゃんもゴメンねー」


 私の声を聞いて我に返ったのか揺するのをやめて謝ってくれた。


「大丈夫ですよ。プリメラさんが心配してくれたのは嬉しいですし」


 横を見ると調さんにシュティナさんが羽交い締めにされていた。


『調離して!あの女殺せない!!』


『殺すなよ!』


『殺そうとしちゃダメです!心配してくれるのは嬉しいけど私はちょっとぶつけただけで大丈夫ですよ』


 慌てて声をかける。

 それでようやくシュティナさんも止まった。

 でも表情はどこか不満げだ。


「えーと…?」


「さっきのプリメラさんの行動でシュティナさんが暴走しかけてただけだよ」


 それを見たプリメラさんは疑問に思ったみたい。

 ルナが大体の内容を告げる。

 一瞬で顔を青くする。

 それほど知られているシュティナさんは過激な人みたいだ。


「今は大丈夫なので安心して下さい」


 私がそう言うと頷いてはいるがまだ青い顔をして不安そうだ。


『俺はこいつと部屋取ってくる』


 そう言ってシュティナさんを引きずっていく調さん。

 ナイスです。


「ホントごめんね」


「大丈夫ですって。それより急に抜けちゃって大丈夫でした?」


「こっちは大丈夫よ。草原の方に行ってきたけどβで慣れた相手だもの」


「ボスも行ったんですか?」


「行かなかったわ。順番待ちが酷かったのよ」


 ルナとプリシラさんは情報を交換していく。

 んー。

 草原は人が多かったみたいだね。

 森は殆どいなかったのにね~。

 ボスを討伐したPTもあるみたいだけどβで出てきたボスだけみたいだ。

 多くはβから引き継いだ人達で集まったPTらしい。

 PTの上限は六人。

 私達が抜けちゃったせいでプリシラさん達は四人だったんだよね。

 立ったまま話しているとボルグさんが近づいてくる。

 いくつもテーブルがある方を親指で指してそっちへ歩いて行く。


「席は空いてるから一緒にどうだって」


「確認してみますね」『別PTの人とご飯一緒でも良いですか?』


 ルナは確認すると言ってすぐPTでも話していた。

 そんな事できるんだねー。

 凄い。


『俺はかまわないぞ』『イヤです』


 シュティナさんはまだご機嫌斜めみたいだ。


『私からもお願いします』


『条件付きで……』


 私が頼むと条件付きで了承してくれた。

 プリシラさんについて行く。

 テーブルにはボルグさん、ガイさん、ラギさんがいた。

 プリシラさんはラギさんの隣に座った。


「お邪魔します」


 そう言ってルナはラギさんから一番遠い席に座った。

 こっちもまだ気にはしてるみたい。

 とりあえず保冷バッグから出る。


「今日は参加できずにすみませんでした。私も戦える方法を教えて貰って実戦してきたので今度一緒に遊びましょう」


 私から声をかける。

 予定を狂わせて迷惑をかけたのは私だからね。

 そう言うとガイさんとプリメラさんが左右からラギさんを突いている。


「ぁー、ユキさん酷いことを言って悪かった」


 ラギさんは頭を下げて謝ってくれた。

 ルナはちょっと驚いてるようだ。

 そこへ調さんとシュティナさんが来る。


「邪魔するー」「失礼します」


 調さんがプリメラさんの隣、シュティナさんはルナと調さんの間に座った。

 合流してからは全員自己紹介をする。

 βの掲示板で色々と有名だった様でシュティナさんのことはみんな知ってた。

 それと調さんも結構有名みたい。

 検証して情報を上げるからプレイヤーから感謝されてるみたい。

 自己紹介が終わったら注文をしていく。

 各々好きに頼む。

 ちなみに私はシュティナさんの前に移動している。

 条件が私がシュティナさんの方を向いて一緒に食べることだったからだ。

 きっと沢山撮られるんだろうな。


『ちょっとラギさんに話があるんですけど個別に話す方法ってありますか?』


『ないな』


『なら一度PT抜けますね』


『りょーかい』


 パーティーの項目で脱退を選択する。


 《PT「妖精さんを愛でる会」から脱退しました》


 パーティー欄で確かにPT名変えれるみたいだけど…。

 これは予想してなかったよ!

 とりあえず気を取り直してラギさんにPT申請っと。


 《ラギをPTに招待しています》

 《ラギがPTに参加しました》


『突然ですみません』


『イヤ、良い』


『ありがとうございました』


『はっ?何言ってんだ俺はひでぇ事言ったんだぞ?』


『初心者が扱うには厳しいと思って言ってくれたんじゃないかと思う部分も今ならあるので。でもお礼を言ったのは別の理由です』


 今はシュティナさんの方を向いているからラギさんの表情は見えない。

 ちなみにシュティナさんが差し出してくれた魚を食べている。

 淡泊だけど甘酸っぱいソースが合ってて美味しい。


『私はリアルだと半身不随なんです。ラギさんに言われた言葉はリアルの私を連想させられました』


『それは…何て言えば良いか…悪かった……』


『最初はもうやめようって思えました。そうすれば迷惑かけることもないですしね。リアルは事故の後から何もやる気が無くてこのゲームだってルナに一緒にやってって頼まれたから始めただけなんですよ』


 返事はない。

 まぁ、言ってることはかなり重い事だと思うしね。


『でも今は違うんです。ペナルティーがあってもやれる事はあるって教えて貰えました。それでリアルでも……、リアルでもやれる事はあるんじゃないかって思えたんです』


 そういえば魚は食べても飛べるのかな?

 ぁ、浮いた。

 問題無さそう。


『ラギさんの言葉がこの姿の私とリアルの私を一致させてくれたんです。ハンデがあっても出来る事はあるんじゃないかって思える様になったんです。だからその事を今は本当に感謝してるので、ありがとうございます』


 とりあえず一方的だけど伝えておきたいことを伝えた。

 このスープお肉が入ってるのを避けて注いでくれたみたいだけど飛べなくならないのかな。

 予定では一旦ゲームでは寝てログアウトの予定だから飲むけどね。

 あっさりしててこれも美味しい。


「悪い。俺は先に落ちるわ」


 そう言って立ち上がるラギさん。


『カッとなって言われた方の事を考えずあんな事を言った俺がわりぃ、それに知らなかったとはいえ傷つけたことにかわらねぇよ。だから本当にすまなかった。俺で力になれることなら何でもするから声かけてくれ』


 そう言うと歩き出して階段の方へ向かう。

 急いでメニューを開いてフレンド申請をする。


 《ラギにフレンド申請しています》


 立ち止まって宙を操作するラギさん。


 《ラギからフレンド申請が承認されました》


『今後はよろしくお願いします』


『あぁ、よろしくな。PTは抜けておく』


 《ラギがPTから脱退しました》


 PTから抜けたラギさんは足早に階段を上がっていってしまった。


「お姉ちゃん話は終わってたの?」


「うん。フレンドにもなったよ」


 そう言うとずるいとプリシラさんが言うので三人ともフレンド登録をした。

 そういえばお肉入りスープの肉をどけたものを食べたから飛べるか実験してみないと。

 あ、飛べた。

 以外と制限少ないのかな。

 最後にフルーツ!

 見た目はリンゴみたいだ。

 食感はモモみたいけど甘くて美味しい。

 フルーツを食べてるとシュティナさんからPTの招待が来ていたのでyesを選択。

 調さん、ルナ、ガイさんはクエストやら敵やらの話をしていて私はついて行けなかった。

 プリシラさんは私の方を見つつ会話に耳を傾けてるみたいだった。


「さて、そろそろお開きにしておくか」


「そうだな、色々情報ありがとな。検証屋」


「今度は遊びましょうね~」


 調さんとガイさん達も階段の方に歩いて行った。


『そういえばPTはこのままで良いんですか?』


『はい、組んでいるPTはログアウトしてても維持されるんです。

 ログアウト中はPT欄がグレーになるのでインしてるかわかりますよ』


『リーダーは全員がログアウトした場合最初にログインした人に移るよ。

 って言ってもリーダーはメンバー誘えるぐらいだけどね』


『ぁー、俺は抜けるぞ。お疲れー』


『『お疲れ様でした』』『お疲れ様』


 《調がPTから脱退しました》


『私達も部屋に戻ろうか』


 私達は三人で二人部屋でも良いか確認したらokだったそうだ。

 料金は三人分ではなく二人分にして貰えたらしい。

 一応人が多くて三人で二人部屋という提案は店主からしてみたら助かる提案だったらしい。

 と言っても妖精なのでいてもいなくても殆ど代わらないとは思うけどね。

 部屋に入ると二人は上着を脱いで備え付けのハンガーに掛けていく。

 こういうとこはホントの宿みたい。

 私?

 私は保冷バッグの中ですよ。


「ぁー、言い忘れてたけどお姉ちゃん」


「どうしたの?」


「ゲームで1時間経っても現実では15分なんだよ」


「ぁ、それで設定で時計表示すると2種類の時間表示があったんだ」


 なるほどー。

 実際の時間を見てみると15時に始めて今は16時40分頃。

 ゲーム内では現実の0時、6時、12時、18時に日付が変わるらしい。

 今ゲーム内は夕方の6時40分ぐらいかな。

 結構遊んだ気がするけど現実だとまだ二時間経ってないのか。

 とりあえず夜は敵が強くなったり変わるそうだ。

 慣れるまでは朝から夕方までの間に戦闘するようにした方が良いみたい。


「妖精さん寝るときにログアウトするか確認がでるのでそこでyesを押してもログアウトできますよ」


 システムからだけじゃないんだね。


「一応システムからでもログアウトできるけどその場で倒れちゃうから場所によっては待ち伏せされるし基本は宿か拠点だよ」


「それよりもゲーム内でログアウトせずに寝ると現実でも睡眠が取れてるんですよ。場所によっては襲われますけど」


 襲われるって怖いな…。

 とりあえず私は一度ログアウトしてみることにした。

 シュティナさんとはリアルで19時半頃、ゲーム内で朝の6時ぐらいに待ち合わせをした。

 ルナとシュティナさんはもうちょっと街を見てくるみたい。

 それじゃ、おやすみなさい。

 簡易ベッドで目を瞑ると出た確認でログアウトを選択した。

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