相棒とメイド
「ご主人様、もう一度会えてとても嬉しいです
貴方の刀の天晴です、今度は絶対に離れません。如何様にでもお使い下さい」
「――重いわッ!!」
しばらくしてヘルト達が部屋へ戻ってきた時、部屋を出て行く前はただの刀としてヘルトが帯刀していた天晴が付喪神としての姿で一緒に戻ってきた。
デュランは相変わらず持ち主である自身のためならばどんなことでもしそうな様子の天晴に思わずそうツッコミを入れてしまったが、前世でヘルトを支えてくれと頼んだときも泣いていたし今さらかとため息を吐いた。
前世より成長した天晴が涙を流していると犯罪臭がすごいなと思いながらも、相棒の泣き顔を見続ける趣味はなかったのでハンカチを天晴へ渡した
「……相変わらず色々な意味で重い刀だな、もう俺は一回死んでるんだから自分がしたいことをしてもいいんだぞ?」
「ご主人様の刀であることが何よりも私がしたいことですから、そんなことは言わないで下さい」
「……ハァッ、分かった」
そうして会話を終わらせると天晴は一振りの刀となってデュランの手の中へと納まった。
その後ヘルトから脇差しを受け取って二本の刀を腰へ差してから旅に出る年齢である十歳へとなってから転生したことを公表してくれと、ヘルトに伝えると快く了承してくれた。
そのままアリス達と共にクラインハルト家へ戻ろうかと思ったがせっかくなら百年経ったウィンクルム連合王国がどれだけ変わったのか見てみたいと考え直し、アリスへこの目立つ髪と目の色を魔法で変えられないか訊いてみるとできると言われたのでお願いしてみた。
訪れたウィンクルム連合王国のメインストリートは百年前とは様変わりしており、デュランは改めて百年という時間の長さを実感した。
そしてそんな長い時間を最愛の家族であるアリス達が不幸になることなく過ごせた奇跡をとても嬉しく思い、デュランは満面の笑みを浮かべた。
しかしそれがダメだったのか、興奮気味のアリスに背後から抱き着かれたデュランはまるで人形のように持ち上げられ。ものすごく可愛がられた。
「可愛いよデュランっ~~~♡♡ 、世界一可愛いよぉ~~~♡♡」
「目立ってるよアリスッ!! メッチャ目立ってるから大人しくしてくれ!!!」
「――イヤァッ!!!」
「……もうこのままでいいか、役得だし」
デュランを後ろから抱きしめながら可愛いと叫ぶアリスのせいですごく目立っていたので抵抗しようとしたが、背中へ押しつけられているおっぱいの感触にはやはり勝つことはできなかった。
デュランはまだアレが立つ年齢じゃなくて本当によかったと思いながらも頬が紅く染め上がるのは止めることができず、思わず顔を両手で隠したがそれに気がついたアリスがこちらへと視線を向けた。
……蛇に睨まれた蛙の気持ちがよく分かったので、今度からカエルを殺す時は怯えさせないよう気をつけようとデュランは思った。
「……デュラン? どうしたの??」
「いや、ちょっと、その、えっと……」
「もしかして――デュラン♡♡、顔を見せて♡♡♡」
「――戦略的撤退ッ!!!」
デュランは何かに気がついたアリスからそう言われると魔力の光でアリスの目を潰してそのまま逃げようとしたが、子供である今のデュランではと大人として成長したアリスから逃げ切れるはずもなくあっさり捕まった。
「……クソッタレめ、殺るならさっさと殺れ」
「うんっ、分かった!!」
「相変わらずアリスは素直だなぁ(泣)」
捕まったデュランはもう好きにしてくれという心境でそう言ったが、素敵な笑顔でそう言うアリスの姿が見れるのはとても嬉しかった。けれどそれが自身へ向けられるのは色々と複雑だった。
しかし大喜びしながら抱きしめてくるアリスの幸せそうな笑顔を目にし、幸せそうならいいかと思いながらアリスのおっぱいで窒息させられて気絶した。
「ご主人様~~~♡♡、ご飯にする、お風呂にする、それとも僕とベッドへ行く♡♡♡」
「……全部で」
「ご主人様ったら欲張り~~♡♡、今夜は寝かせないからね♡♡♡」
その後反省したアリスがメイド服を着ながら接待プレイすることになり、デュランは「どっちもご褒美なんだがなぁ」と思いながらも指摘せずたくさん甘やかされた。
その光景を見てしまって喀血しながら気絶した何者かがいたが、デュランとアリスは気がつきもせず接待プレイを満足いくまで満喫するのでした。
……コーヒーを飲みたくなってきた。




