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1話

目が覚めた時、そこには大きな塔がそびえ立っていた。


周辺には塔が作り出した大きな影が出来ていて、遠目に見ると人らしき何かが立ち止まっていることがわかる。



「先生、クラスのみんなはどこに逃げたんですか?」


「それは**……**」


「……?」



俺が寝ているうちに、何が起きたんだ?

というかさっきから人の気配を感じないし。


廊下から学校の正門まで二人で走って向かう。

不気味だ、虫の音すら聞こえない。


ただ二人の足音しか聞こえない、この静かな世界に今は不安を感じている。



学校の正門前まで着くとそこには人がいた。

けど……在校生の半数以上の姿がない。


みな、顔を真っ青にして震えていた。



「きっ、気づけばクラスメイトが消えていた……。みんなどこへ?」


下級生の男児が顔を曇らせてそう言った。


みな状況は同じようだ。

けど、みんなどこへ行ったんだ?

あの雲を超えるほど高い塔にいるのだろうか?


けど、いくら考えてもうまく理解できない。

あまりにも状況が非現実的で、頭が追いつかない。


辺りを見渡しても俺のクラスメイトはどこにもいない。


智彦や杏奈も。



先生たちも落ち着かない様子だ。

何度もスマホを触っては誰かに電話をしている。


「……ッ」


これから俺らは何をすべきなのだろうか?




ーー 『終わった世界』で、俺たちは塔を登る ーー




あれから、何日経ったのだろうか。

自分でも覚えてない、ただ無限とも思える時を過ごしていた。


すべてが壊れた。


街の電気やガス、水道のインフラは止まってしまった。

噂によれば世界各地であの塔が出現したそうだ。


少なくとも、わかるのはこの街の人口が半分以下になったことだけだ。



「温かいご飯食いてぇえ」


下級生の男児が大きな声で言った。

今の僕らは中学の体育館で暮らしている。

他にも避難者として体育館で生活している者もいるが……


「みんな同じ気持ちだけん、辛抱しなさい」


「けど、おばあさん。みんなずっと缶詰生活だよ?味気ない食事いやだよ……」


「……」



最悪な状況だ、クーラーも使えず汗臭い。

食事は缶詰のみでストレスが溜まる。

それに、塔の存在だ。


あれにみんなが怯えている。

少なくとも、あの存在が何なのかを俺は突き止めたい。


俺は外に出ると、先生を探し始めた。

強い日が照り付けて、首筋からは汗が滲み出る。


「まるで、RPGゲームだな」


外を出ればそこには、神々しく巨大な塔。

もし、大昔の人が見れば神の作ったものと勘違いするかもしれない。


「そこで、何をしてるんだ? 湊人」


「あっ、先生。なにかあったんですか?」


真夏の昼下がりに、真島先生と複数の先生方が何やら外で会議をしているようだ。


「……異常事態が近くの避難所であったらしいんだ」


「えっ?」

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