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【世界侵食率が第一段階へ到達しました】
【第一世界シナリオの開始条件が満たされました】
【全人類を対象とした世界シナリオを開始します】
目の前に、これまで見たものよりも巨大なウィンドウが出現した。
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第一世界シナリオ
《星なき夜を生き残れ》
参加対象
全人類
制限時間
夜明けまで
クリア条件
生存
失敗条件
死亡
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【夜明けまで、世界各地に魔獣が出現します】
【時間経過に伴い、出現する魔獣の等級が上昇します】
【現在時刻 02:46】
【夜明けまで、残り三時間十四分】
ただ生き残る。
それだけでも、今の人類にとっては十分に難しい。
だが、俺と同じように《アストラル》の知識やスキルを引き継いだプレイヤーが各地にいるのなら、決して不可能ではない。
そのとき、夜空で銀色の星が強く瞬いた。
【星座『最後の城壁を築く星』が、人類の生存率を観測しています】
【星座『最後の城壁を築く星』が、戦う力を持たない人類の保護を要求します】
【第一世界シナリオへの追加報酬が提案されました】
「追加報酬……?」
【提案が承認されました】
巨大なウィンドウが揺らぎ、シナリオの内容が書き換えられていく。
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更新・第一世界シナリオ
《星なき夜に城壁を築け》
難易度
☆☆☆☆
参加対象
日本国内の全プレイヤー
制限時間
夜明けまで
クリア条件
・指定された領域核を夜明けまで防衛する
・領域核へ接近する魔獣群を撃退する
・各領域を率いる指揮個体を討伐する
クリア報酬
日本国内に大規模安全地帯を形成
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【安全地帯は、日本国内の七地点へ形成されます】
【各安全地帯は最大百万人を収容可能です】
【領域内では低級および中級魔獣の侵入が遮断されます】
【領域内では魔獣の自然発生が抑制されます】
【領域内では水、電力、医療設備の最低限の機能が維持されます】
【プレイヤーではない一般人も利用できます】
百万人を収容できる安全地帯。
それが七か所。
この夜を乗り越えれば、戦う力を持たない人々にも逃げ込める場所が生まれる。
だが、シナリオの難易度は明らかに上昇していた。
生き残るだけではない。
領域核を守り、魔獣の群れを退け、その群れを率いる指揮個体まで倒さなければならない。
そのとき、夜空の別の場所で赤い星が瞬いた。
【星座『戦火に英雄を求める星』が、更新されたシナリオに関心を示します】
【星座『戦火に英雄を求める星』が、現在の試練では英雄は生まれないと主張します】
【星座『戦火に英雄を求める星』が、指揮個体の強化を申請しました】
「待て……」
【強化申請が一部承認されました】
【世界許容量を超えるため、完全な強化は実行できません】
【上級魔獣の不完全降臨を許可します】
遠くの住宅街から、地面を揺らす咆哮が響いた。
家々の向こうで、巨大な影が立ち上がる。
二本の湾曲した角。
岩のように硬い皮膚。
地面へ届くほど巨大な戦斧。
それを引きずるたび、道路が深く削られていく。
【関東第一領域の指揮個体が選定されました】
【上級魔獣《虐殺角のバルガス》が不完全降臨しました】
【現世適応率:24%】
【全能力が大幅に制限されています】
【メインシナリオの進行に伴い、現世適応率が上昇します】
【早期討伐を推奨します】
【各領域へ異なる指揮個体が配置されます】
上級魔獣。
その表示を見た瞬間、グルガルドとの戦いが脳裏によみがえった。
中級魔獣一体を倒すだけで、俺は死にかけた。
いくら本来の四分の一ほどの力しか出せないとはいえ、今の俺が上級魔獣に敵うはずがない。
直後、見覚えのある星が強く輝いた。
【星座『均衡と平等を求める星』が、試練の不均衡を指摘します】
【星座『均衡と平等を求める星』が、領域防衛者への一時加護を申請しました】
【申請が承認されました】
【領域加護《万軍同調》が付与されます】
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領域加護《万軍同調》
領域核の周囲にいるプレイヤーへ、以下の効果を付与します。
・HPおよびMPの回復速度が上昇する
・領域防衛へ参加する人数に応じ、全能力が上昇する
・シナリオ貢献度に応じて、星屑との仮契約権が解放される
有効範囲:
領域核から半径三キロメートル
有効期限:
第一世界シナリオ終了まで
仮契約について:
・契約可能な星屑は、適性と貢献度によって決定される
・契約中は、星屑が持つ力の一部を借り受けられる
・同時に仮契約できる星屑は一体のみ
・強大な星屑ほど、肉体と精神への負荷が増大する
・星屑によっては、契約の条件として特定の行動を要求する
注意:
肉体への負荷が限界を超えた場合、加護および仮契約は強制的に解除されます。
星屑との契約は慎重に行ってください。
すべての仮契約は、シナリオ終了後に解除されます。
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「星屑との……仮契約?」
俺は、先ほど対面した『冥門に繋がれし三つ首』の姿を思い出した。
現世に前脚と三つの頭を出現させただけで、世界境界を損傷させた存在。
あれほど強大な星屑の力を、たとえ一部でも借りることができるのなら。
上級魔獣が相手でも、戦える可能性はある。
ただし、無条件で力を借りられるわけではない。
まず領域核へ辿り着き、魔獣を倒し、防衛へ貢献する必要がある。
さらに、どの星屑と契約できるかは、プレイヤーの適性次第。
強大な力には、それだけ大きな危険が伴う。
【日本国内の七地点へ領域核が出現しました】
【最寄りの領域核を表示します】
視界に日本地図が浮かび上がる。
北海道。
東北。
関東。
中部。
関西。
中国・四国。
九州。
それぞれの地域に、巨大な銀色の光柱が立ち上がっていた。
【最寄りの領域核:関東第一領域】
【領域核防衛開始まで 00:29:59】
【領域加護は、領域核への到達後に適用されます】
つまり、加護を受けるためには、まず領域核へ辿り着かなければならない。
その途中には、すでに魔獣の群れが進軍している。
【地域共闘機能が解放されました】
【関東第一領域へ向かうプレイヤーを検索します】
【周辺に三百十二名のプレイヤーを確認しました】
三百十二人。
俺一人では、上級魔獣に勝つことはできない。
だが、数百人のプレイヤーが集まり、《万軍同調》による能力補正を受けることができれば。
さらに、防衛へ貢献した者が星屑の力を借りられるのなら。
不完全な上級魔獣を倒せる可能性はある。
問題は、ここから領域核へ辿り着くまでだ。
領域加護は、領域核の周囲でしか発動しない。
今の俺は、傷だらけのレベル四。
武器さえ失っている。
視界の先では、領域核を目指す魔獣たちが住宅街を進み始めていた。
俺は地面へ落ちた《天命簒奪の輪》を拾い上げ、ステータス画面を開く。
グルガルドを倒したことで、未使用のステータスポイントが三残っている。
そして、新しく獲得した《冥縛鎖》を使うには、今の魔力では足りない。
領域核へ向かう前に、できる限り戦う準備を整える必要がある。
【現在時刻 02:49】
【領域核防衛開始まで、残り二十九分五十七秒】
【夜明けまで、残り三時間十一分】
戦う力を持たない人々の居場所を勝ち取るための戦いが、今、始まろうとしていた。




