春の赤 と 冬の白銀
何時になっても忘れられない光景がある。それはまるで連想ゲーム、見る度に思い浮かべるその情景はたった一つの色彩に染まる踏切の過去。囚われる事なく今を歩もうとすればよみがえる様に現れたのは、まるでその過去が人の姿をしたかのような強烈な赤の男―――。連鎖する赤い悪夢は、何を意味する？ 【滅ぶ世界に】のメインユーザー『よづは』が挑戦したホラーサスペンス（らしきもの）！ 長編は亀更新という定評があるよづはの完結作品。
何時かに焼き付いた残像は
2011/12/25 05:26
舞台に上がった彼は不適に笑い、繰り返す
2011/12/25 05:27
舞台で踊る彼の舞踏は歪に歪み
2011/12/25 05:36
そっと脇に佇む役者の手を引いた
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照明を浴びた役者は舞台に慄く
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筋書きを思い出す役者は即興を入れた
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塗りつぶされた筋書きを読み返す
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彼の知らない即興は舞台の脇で進み
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語り部は語り狂い、役者は彼に導かれ舞台から降りた
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止まらない役者の即興、失われた筋書き
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そんな中に存在すらなかった一つの演目
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演じきられた即興に彼は微笑み照明を落とした
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役者の退場の戸惑う彼は何処かに向かう
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彼らの向かう先には語り狂う語り部
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声を落とした語り部は読み上げなかった結末に気づく
2011/12/25 05:47
隠されたページを読み上げた語り部は背後の彼を振り返る
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暗転した舞台の奈落に隠れた彼らは演じた
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狂わせた舞台の筋書きを語る彼は声を亡くした語り部を捨てた
2011/12/25 05:49
自らの演じる舞台を見直して彼自身が影に目を落とす
2011/12/25 05:50
そうして役者の即興を終わらせた演技に思いを馳せれば
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踊っていたその舞踊はたった一人
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舞台の中心で微笑んでいた彼女が見れば
2011/12/25 05:52
舞台を独り占めして影と踊り狂う彼はどれ程滑稽で愛おしかっただろう!!
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そうして彼は舞台から影と共に奈落へと退いた
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い哂は影で側裏のて全
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そして残された役者達は閉幕に嘆く
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