表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
290/348

282話 侵すは黒き征服者2

「…とりあえず、このままタンクの役割はこなすとしようカ」

「私も協力するのです!」

「なら、私はダメージを与えられるように攻撃に移ります!」

「フガァ!」


 私たちは手早くこの後の動きを決めた後、周囲にいる人形やモンスターたちへと攻撃を繰り返していた黒オークに向けて攻撃を開始します。


 もちろん、私は遊撃なので一定の距離まで近づいてからの攻撃ですが、後衛である二人は後ろから人形とモンスターたちを操りながら魔法による攻撃をしてますよ!


 アリスさんとホフマンさんでは近接戦闘は厳しそうですが、タンクの代わりをしてくれているのだからとても助かります…!今回の討伐において二人の役割はとても重要なので、そちらに矛先が向かないように黒オークの注意をこちらへと引きつけてみせますっ!


「なら、ここはやはりアレの出番ですね!〈第七の時(ズィーベン)〉!」


 私は手に持つ大斧を周囲へと振り回しながら暴れている黒オークに向けて〈第一の時(アイン)〉のスピードを活かしながら駆け出しつつ、その途中で分身を生み出す武技を自身へと撃ち込みます。すると、いつも通り効果が発揮されて走っている私の横に分身が現れ、それによって私の姿は二人へと増えました。


 この武技はこれまでにもたくさん活用していましたが、どうしても便利すぎで頼りにしてしまいますね…!これを使えば手数も倍になりますし、敵を相手にする時はかなり強力なのがわかります。


 なんにせよ、これによって私の放つ攻撃は増やせるのですから、一気に攻めるとしましょうか!それに効果時間も三十秒と決まっているのですから、切れるまでには出来る限り有効打を与えてみせますよ…!


 …それにしても、今回の私はタンクの役割ではないので、ヘイトを稼いで注意を惹きつけなくてよいというのは楽でいいですね…!だとしても、二人の元へ行かないように行動をしなくてはいけませんが、それでも楽なことに変わりはありません!っと、それはともかくとして、さっさと攻撃に移らないとですね!


「「攻めますよ!〈第三の時(ドライ)〉!」」


 そうして〈第一の時(アイン)〉で加速した動きで黒オークまで近づいた私は、そこから攻撃系の武技をそれぞれ頭部と右足の関節狙いで放ちましたが、それらは黒オークが手に持っていた大斧で捌かれることで有効打にはなりませんでした。


 うーむ、やはり遅延効果があるとしてもこの黒オークはかなりの強敵なのに間違いはないようですね?現に鈍った動きの中でも私による攻撃に対応されているため、私一人では相手をするのが難しそうです。これでも、こちらだって加速した状態で攻撃をしているのですけどね?


 …しかし、今ここにいるのは私だけではないのですよ?今回の私は遊撃としての立場なんですから、攻撃に移れる人は他にもいるのです!なので、こちらに意識を向けたままでいいのですか?


「人形さんたち、〈シャインランス〉なのです!」

「オレ様もいくゼ!〈イラプション〉!」

「フゴッ!?」


 一瞬とはいえ意識が二人から逸れた黒オークへと、アリスさんとホフマンさんの二人は思い思いに魔法による攻撃である無数の光の槍と炎の爆発を放つと、それらは隙を見つけて放ったからなのか躱されることもなくその身体に命中し、少なくないダメージを与えることに成功します。


 やはり人数が多ければ手数も増えますし、攻撃を加えるのにも有利みたいですね…!今回はそうでもないかと思ってしまっていましたが、それは間違いだったみたいです。まあこれは当然なのかもしれませんが、それでも敵が強くてそう思ってしまうのは仕方ないですよね?


 っと、それは今はいいとして、このまま倒し切るまで攻めるとしますか!今の私には分身がいる状態なんですから、この効果時間が切れるまでにもっとダメージを与えていきますよ!


「ひとまず、これはキープしておきますよ!〈第二の時(ツヴァイ)〉!」


 そのような思考を巡らせつつも、私は分身と共に人形とモンスターたちに紛れる形で黒オークへと再び遅延効果を与える武技を撃ち込んだ後、そこから周囲を〈飛翔する翼(スカイ・ステップ)〉を織り交ぜながら飛び交って攻撃を繰り返していきます。


 私の今回の役割は遊撃でありタンクではないため、結構自由に行動が出来て少しだけ楽しいです!今までは基本的に回避盾として動くことが多々ありましたし、これだけ好きなように動かれば私の気分的にも嬉しくなりますね!


「あはは、今の私は風です!」

「レアさん、楽しそうですね?」

「ええ!この動きが私には合っていたみたいです!」


 それに、私によるサポート兼攻撃によってアリスさんとホフマンさんの操る人形やモンスターたちの手助けにもなれているみたいなので、やはりこの動きがベストですからね!アリスさんからも楽しそうと言われましたが、ここまで自由に動けるとそうもなりますよ!


 ソロの時もそうでしたけど、私は決まった動きではなく自由に動くのが一番のようですし、このまま遊撃として活躍してこの黒オークも倒しちゃいますよ!目指せ、完全勝利、です!ここまでの戦闘で黒オークのHPは三割も削れているのですから、この調子で攻め続けます…!


 まあ最後まで油断は出来ないですけど、それでもここまでの調子は順調と言えるでしょう!黒オークがいくら強いとはいえ、こちらは三人と多数がいるのです!であれば、それら全てに対応が出来るはずがないですよね!


「グゥ、ゴガアァ!!」

「むっ、何かするつもりですか!」


 そう考えつつも、私の分身が消えた後も人形とモンスターたちに紛れる形で黒オークへと攻撃をを繰り返していた私たちでしたが、そのタイミングで突如黒オークが雄叫びをあげたと思ったら、そのまま手に持っていた大斧を力強く振るいます。


 すると次の瞬間、その振るわれた大斧の軌跡から一気に黒色の魔力が溢れ、そのまま周囲にいた人形とモンスターたちを一気に飲み込みました。


 私は中距離から攻撃を加えていたので特に当たりはしませんでしたが、タンクとして黒オークの近くにいた人形とモンスターたちは躱すことも間に合わずにやられてしまいましたね…!


 HPが七割を切ったタイミングで取った行動ですし、おそらくはエリアボスと同じように特殊行動の一つ、ですかね?そうでなくてはいきなりは行動に理由がないのですから、それで間違いないはずです。


 …しかし、今の一撃によってアリスさんとホフマンさんの操っていたタンクの代わりである人形たちが大幅に減ってしまったので、これは結構不味い状況ですね…!このままでは黒オークが後衛である二人に襲いかかってしまいそうなので、ここは私が気をを引かなくては…!二人に攻撃はさせませんよ!


「レアさん、少しでいいので時間稼ぎをお願いします!」

「任せてください!では、まずは動きを止めます!〈第十一の時(エルフ)〉!」

「フゴォ!」


 そんな声をアリスさんからかけられたので私は即座にそう返した後、すぐさま黒オークに向けて足を縫い止める武技を撃ち込み、数秒とはいえ動きを止めることに成功します。


 黒オークも避けるのではなく大斧で切り捨てようとしてたので、先程から撃ち込んでいる私の武技を避けるという選択肢はないのでしょうか?やはりオークと言うだけはあって知能が低い、とか?ですが、それのおかげで効果を付与出来てますし、好都合ですね。っと、それはともかく、これの効果時間はたったの五秒なのです。なので、それが切れる前にさらに武技を使わせてもらいますか…!


 このまま動かせてしまえば何をされるかわかったものではないのですから、アリスさんとホフマンさんが再び人形たちを増やして前線に戻ってくるまではなんとか時間を稼がないとですね!これさえ乗り切ることが出来ればなんとかなるはずですし、好きにはさせませんよ!


「まだまだ!動かせませんよ!〈第零(ヌル)第十八の時(アハツェーン)〉!」


 そう口にしながら、私はつい最近覚えたばかりである武技を当てた対象を十秒間拘束する武技を黒オークへと撃ち込み、足を縫い止めるのと同時に動きを阻止するのに全力を尽くします。


 これで少しとはいえ時間を稼げるはずですが、二人はどうでしょうか!流石にこれ以上は足を止めるのは難しそうなので、出来ればそろそろ復帰してくれると嬉しいのですが…!


「レアさん!お待たせしました!」

「待ってました!では、再びタンクは任せますよ!」

「おウ、もう油断はしないサ!」


 そんなことを考えながら黒オークに向けて両手の双銃を乱射していると、そこにアリスさんからの声がかけられました。どうやら、この短時間の間で準備は整ったみたいですね!なら、今も口にしている通りタンクは任せますよ!


 しかも、チラリと二人による軍勢を横目で確認してみると、今度は先程までのように多種多様なモンスターや人形での様子見ではなく、盾となりそうな硬そうなモンスターや素早そうな人形たちで構成されており、先程のようなことが再度起きたとしても対応してみせるという気持ちが私にもわかりました。


 そのうえ、前に私が狐獣人のメイドとしてアリスさんと共に戦った時にも見た、私やカムイさん、兄様の姿をした人形に加え、全長三メートルはあるであろう巨大な狼まで呼び出しているので、どうやらアリスさんも本気を出したみたいです。…それなら、私も二人に負けないように切り札の一つを切るとしますか!


 流石に最後の切り札である【心力解放】は使いませんが、それでも私にはまだ他に切れる札があるのですし、今がそれの使い時でしょう!ここで使わなくてはどこで使うのかというものですし、早速それを使って私も攻撃に移りましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ