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悪魔な幼馴染

――――――――――

――っ、となんの音だか理解できないままそれを止めた。

 無意識にに伸ばされた手は普段とは違い上へと伸ばされていた、そして理解する。

 バイブレーションによって音をならしていたのは携帯電話、普段目覚ましは使わないけれども慣れない生活だからと念を押してかけておいて正解だったみたいだ。

 時刻は6時いつも通りの気象時間だ、だというのに違和感。

 何故だと考えてすぐに思い至る。


「学生寮、か」


 そうだ、俺は今そこにいる。

 首を曲げて左手、いつもの場所を見る。


「…………、」


 そこに岬はいない。


「歯を磨いたりしますかね……」


 つぶやいて起き上がる。

 

――――――――――


 鏡に自分の姿が映る。

 映るは身長178センチの己が身体、視界に入らないように短くまとめた髪、顔色に問題は無く――故に戦闘に支障は無いと判断。

 ついで青のジャージで寝ていたなーなどとくだらないことを思い出し確認する。


 歯を磨いて顔を洗って幼馴染に登校のお誘いをしようか、と思いつつ冷たい水を顔に浴びせた。


――――――――――


 扉をノックすると崎が扉を開け、俺の顔をみてからくすりっ、と笑ってから言った。


「おはよう、神くん」

「おはよう、岬」

「……なんだか変な感じね?」

「まあ、なあ……朝起きたら崎がいるのが日常だったもんな」

「私にとっては神君の寝顔をみるのが習慣だったけれどね?」


 照れるな照れるな照れるな照れるな照れるな神野森人(おれ)


「いつまでも赤くなると思ったら大間違いだぞ、岬?」


 よし、よしよくぞできた神野森人!

 赤くなっていない、どもっていない、その上で面と向かっていったのだ!


「あら……そう、そうよね――少し残念だわ」


 ついに幼馴染による恥辱からの脱出に成功したっ。


「ところで神くん?」


 つ、としだれかかるようにして岬。


「…………?」


 ついとつま先で立ち、俺の顔に両手を添え、不安げな、あるいは何かを請うような表情で、


「あの、その……おはようのキス、してくれないの?」


 結局、顔は真っ赤になりました。

 反則だと思った。



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