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そよ風が木々を揺らし、花達が嬉嬉として咲き誇る季節。木漏れ日でできた道を1匹の子猫が歩いていた。
ここはどこだろう
僕はなんなのだろう
ビュゥーっと追い風が強く吹く。
「猫さん猫さん 」
どこからか心地の良い音が聞こえる。
僕の事か?
音の聞こえる方へ向く。
「こっちにおいで」
猫はただ衝動的に声の主の方へ向かう。
風に乗るように声の主の元に飛び込む。
「やっと見つけたよ 」
僕のこと知ってるのか?
「なにキョトンとしてるの 」
君は誰だ?
「何もわかってないって顔だね。もう、困ったさんね。私は君の愛しい人、そして君の名は『ハル』 」
ハル、ハル、それが僕の
「ハルったら私の事忘れるなんてひどいよ 」
そう笑いながら言った彼女の目からスゥーっと水の筋ができる。
これは涙だ、なんでそんな言葉知ってるのだろうか
彼女から零れる水を拭う。
「ふふっ、ありがとう。ごめんね、覚えてないみたいで悲しくなっちゃった。いつもは逆だったね、それもごめん 」
なんのこと?
「これからは私に任せて、だって『約束』したもんね 」
約束?なにを…、ああそうだ、約束
「思い出した? 」
ああ、約束、したもんな
「いいのよ、気にしなくて。大好きよハル、それと… 」
風が鳴らす演奏で木々は踊り花々は舞い、小鳥が歌い出すそんな中、1人と1匹の新たな物語が綴られる。
「おかえりなさい、ハル 」
ああ、ただいま───
こんな猫の話を聞いたことはないだろうか
曰く、何千何万回と生まれ変わっていると
曰く、生まれ変わる前の記憶を残し全く同じ姿、形で忽然と消え、忽然と現れると
曰く、何千何万と生まれ変わろうと、ただ1人の人間に寄り添い続けていると…
今から語られるのは100万と1ページ目に綴られる話
100万回生きた猫の話
100万回呼び続けた彼女の話
偶然か必然か100万と1回目の運命の出会いを…




