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100万回目も君に  作者: rere
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2

 「ハルおいで 」


 愛しい人の心地よい声が聞こえる。

 初めて名前を貰ったあの日から、僕の名前はただ一つ『ハル』だけだ。腕を広げる彼女に飛び込んむ。


「偉い偉い 」


 フワッと鼻腔をくすぐるいい香りがする、彼女の匂いは好きだ。

 上を見上げると彼女の顔があった。


 泣いているのか?


 僕の顔にポタリと水が落ちる。

 彼女が言うには辛い気持ちからできる涙と言うものらしい。


 ああ、そんな顔するな

 僕は君の笑顔が一番好きだ

 辛い気持ちは僕が貰う


 僕は彼女の顔に近づき流れる涙を舌で拭う。


「ふふっ、ありがとうハル 」


 僕を抱きしめる腕が強くなる。


「大丈夫か、美幸 」

「ええ、悠貴さんありがとう 」


 彼女の呼ばれる名前はいつも違う。今回はみゆきと呼ばれている。

 ゆうきと呼ばれた彼は、彼女の夫とかいう人らしい。

 人間は好きな人間と結婚と言うものをする。恋愛と言われるものは僕には正直わからない。

 僕は彼女が幸せならそれでいい。


「ハルいつもありがとうな 」


 ゆうきは、僕の頭をなでる。

 僕はゆうきの事も好きだ。彼女を笑顔にしてくれるから。よく見るとゆうきの目にも涙が溜まっている。


 どうした、ゆうきまで大丈夫か

「心配してくれるのか、優しいな 」

「悠貴さんでもハルはあげないわよ 」

「ははっ、それはもう諦めたよ 」

「ふふっ、懸命ね 」


 2人とも笑顔になった。

 そうだ、それでいい、 君達の笑顔で囲まれる時が1番幸せだ。

 ふと周りを見渡す。


 そういえば、こうたがいないな

「ああ、ハルにも言わないとね 」

「美幸、きついなら俺が 」

「私が言うよ 」


 こうたは、彼女の子供だ。どうしたのだろうか2人はまた苦しいそうな顔をしている。


「幸太はいま病院に居るのよ 」

 病院?


 すると彼女から止まったと思った涙が零れてくる。


「病気になってね、ちょっと、も、もう駄目かもしれないって 」

 どうしんだ2人とも泣くな

「ハル、もしかしたら幸太が死んでしまうって 」


 彼女から悲鳴のような泣き声が漏れ、いつも力強く落ち着きのあるゆうきの声も、震えて今にも消えてしまいそうだった。

 彼女の涙をこんなに見るのは初めてだ。

 死、僕も知っている。

 それは、突然現れて全てを奪う悪魔の響き。僕は、もう99万と9999回体験している。いつまで経っても慣れるなんてものじゃない。

 そうか、こうたに死が近づいているのか。


 ああ、やめてくれ、嫌だ

 君達の涙を見ると胸が痛くなる

「どうしたの、ハル 」


 なんの為に100万回も彼女の為に生まれ変わったのだろうか。

 彼女の涙を見る為じゃないだろ。

 彼女が幸せになるならそれでいい。笑顔でいてくれるならそれでいい。


 僕がどうにかする、だから笑っていて

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