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やっぱ、誰も信じなきゃよかったなぁ。  作者: 恋背ギドラ


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夢に見た光景

私の名前はメル。

ある日のこと。隣の村に道路が開設されるらしく、立ち退きがあったようで、8人の村民がしばらくこの村に泊まることになった。最年少である16歳の私と村長を除き、この村の村民はみんな隣の村の道路工事に協力することになった。最近本当にこの村にはお金が無くて、潰れかけていたところだから稼ぐチャンスは逃したくなかったらしい。


私は村長が全く労働していないのに嫌悪感を覚えた。お前も手伝えに行けよ、と思った。だが、それが顔に出ないように口角を上げていた。

でも…後に、これは私にとって好ましい結果になった。


みんなが働きに行ったその夜。その日は変な夢を見た気がする。

狼の遠吠えのような、響く声がずっと聞こえている…。

その翌日、血塗れになって息絶えた村長の姿が見つかった。

…メシウマすぎるっ!

そして私はその瞬間に確信した。

「ついに、人狼が来てくれたんだ」と。

噂には聞いていたが、歳を取るにつれ「本当に人狼なんているんだろうか」って疑問に思ってたもん。


言い伝えは隣町にも伝わっていたらしい。

「人狼2匹と狂人1人、それに人間7人が集結し時、その戦いは始まり、人間のうち3名に特殊能力が授けられる。特殊能力はそれぞれ占い能力、霊能力、護衛能力。授けられた者は村を守る使命を背負っている…。人狼から村民を守るためには、2匹の人狼を殺害すべし。」

そんな言い伝え。


村長が死んだ日、2人の村民「レン」と「ハジメ」が自分が占い師であると宣言し、2人ともリクを占った結果狼ではなかったと者を発表した。

だが、霊能者はなかなか出てこなかった。


「おい、霊能者!ビビってないで出てこい!」


そんな怒号が響く中、私は口を開く。


「この村の村長さんに、霊能力が授けられたんじゃないですか?」


私の直感は当たったようで、みんなは徐々にそれに納得していき、ついには私に拍手を向ける。拍手が収まった頃に、1人の村民リクが弱音を吐く。


「霊能者さんが死んじゃって、勝てるんだろうか…」


リクにつられて落ち込む者、無責任に「大丈夫だよ!」と励ます者。そんな中、私と同じくらいか少し年下くらいの女の子が挙手をした。


「このお方の推理が正しいと仮定する場合、特殊能力が重複することは無いから、占い能力を持つとおっしゃっているレンさんとハジメさんのうちの1人は絶対本物の占い師で、名乗る者は居ないけれど確実に護衛能力を持った「狩人」も生存しているということになる。だから、そこまで悲観する必要は無いです。それより、これ以上犠牲を絶対出さないように、人狼を絶対に見つけ出しましょう…!」


この子、すごい…。ここまで論理的にわかりやすく説明して、励ましてるよ…。

でもごめんなさい。私、今までずっと人狼に想いを馳せてたんだ。

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