やっぱ、誰も信じなきゃよかったなぁ。

朝が来た。私の名前はメル。果たして昨日、いや、ここ数日の決断は合っていたんだろうか…。
私は小さい頃から夢見ていた。人狼という存在に強く、憧れていた。この古い慣習に囚われたままの村から解放してくれる神様を待っていたんだ。
でも、この村では人狼は汚れた存在、忌まわしいものとして知れていた。その風潮をおかしいものだと感じ、声を上げる者もいた。だが、そのような者は「狂人」と呼ばれ、絞首台に連れてかれる。私は見てきたんだ、何人も何人も。
だから諦めて、自分の体の代わりに心を殺して生きてきたんだ。七夕になると、みんな揃って「人狼がこの村に来ませんように」と短冊に書く。全く願っていないのに、私もそう書き綴る。これが合っているなんて思わない。でもやっぱり、体が死ぬのは怖いんだ。

でも…これで解放されるんだ。私の心も生き返る…はずなんだ！